Dolby B NRやメタルテープにも対応! USB出力搭載ダブルカセットデッキがティアックから発売~生産終了したDolby B NR対応IC相当の独自NRシステム開発
昨今、世界的にラジカセとカセットテープに熱い視線が集まり、ラジカセの中古市場価格は高騰。レコードショップではアナログに続いてカセット売り場が新設され、世界各地にカセットテープ専門店が新たに出現中です。そんな中、ティアックが、USBデジタル出力や、メタルテープ、Dolby B NRにも対応したダブルカセットデッキ「W-1200」を3月下旬に発売します。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は49,800円前後(税別)の見込みです。
同社では「アナログの音がもつ温もりや柔らかさに加え、カセットテープならではの所有する満足感やアルバム毎の管理のし易さが見直されつつある現在、カセットデッキとしての基本性能とデジタルオーディオ時代にマッチしたインターフェイスを備えたカセットデッキを目指した」としています。
「W-1200」は、ワンウェイ(片道走行)カセットメカを2基搭載したダブルデッキに、マイクミキシング機能やUSBデジタル出力を備えたカセットデッキです。オートリバースや倍速ダビングには非対応ですが、TAPE 1側を再生中(または録音中)にTAPE 2側のカセットを入れ替えて次の再生(または録音)の準備しておくことが可能です。
それぞれのデッキ部は独立した制御系統の駆動部を搭載しているので、どちらかのデッキを再生中(または録音中)にもう片方のデッキを操作(テープの入れ替え、早送り・巻き戻し)しても影響されることなく安定して再生(または録音)を続けることができるとのこと。対応するテープの種類は、ノーマルテープ(TYPE I)とクロームテープ(TYPE II)が録音・再生、メタルテープ (TYPE IV)が再生に対応しています。
カセットテープのダビングは、ボタンを押すだけで簡単に行なうことができ、ダビング中でもREC MUTEボタンを押すことで無音録音部分を作成することができるので、曲間の無音部分の追加だけでなく、不要な部分を消去することができる簡易編集機能としても使えます。また、本体リア側に装備されているUSBデジタル出力端子とパソコンを接続することで、カセットテープの音をCD品質(最大PCM 48kHz/16bit)のデジタルデータとしてデジタル出力できます。
さらに、カセットテープにはつきもののヒスノイズを低減するノイズリダクションシステム「Dolby B NR方式」で録音されたテープを、オリジナルに近い状態で再生するノイズリダクションシステムを搭載。Dolby B NRに対応したICが生産終了しているため、Dolby B NR搭載カセットデッキの新規生産はできない状況ですが、今回同社では貴重なカセットテープ資産を可能な限りオリジナルの音に近い状態で蘇らせるために、Dolby B NR相当の効果がある独自のノイズリダクションシステムを「W-1200」に搭載したとのこと。
また、TAPE 1側には±12%の範囲でテープ再生速度を微調整できるピッチコントロール機能(再生のみ)を搭載しており、録音時と再生時のテープ速度に差がある場合にはオリジナルの状態に戻して再生することが可能。ワンボタンでカウンター位置「0000」に戻るRTZ(Return to Zero)機能は、TAPE 1側とTAPE 2側の両方に搭載しています。
さらに、ライン入力から2本のカセットテープに同時に録音することが出来る同時録音(パラレル録音)機能も備えています。また、無音録音部分を任意の長さに設定できる録音ミュート(REC MUTE)機能や、カラオケ、アナウンス用途などで便利なマイク入力(モノラル)とマイクミキシング機能も備えています。
本格的なレコーディング機器には欠かせないレベルメーターやTAPE 1/2それぞれ独立したデジタルテープカウンター装備をはじめ、デッキ操作に必要な情報を集中表示するディスプレーには高コントラスト・高輝度のFL方式を採用。明るさを調節することができるディマー機能も付いています。さらに、市販のオーディオタイマーを接続して、設定した時間に再生や録音を開始することが出来る、「タイマー再生/録音」機能も装備しています。
外形寸法は幅435×高さ145×奥行き285.8mm、重量は約4.1kg。消費電力は14Wとなっています。リモコン(RC-1331)、リモコン用乾電池(単3)×2、RCAオーディオケーブル×2、取扱説明書(保証書付き)が付属します。