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「黒ビールカリー」に黒ビール入ってませんでした… ビアレストラン「キリンシティ」の優良誤認表示に消費者庁が措置命令~製造委託先の際に認識に齟齬があったため

[2018/6/13 23:09]

 キリンの100%子会社で、ビアレストランを運営するキリンシティが13日、「黒ビールカリー」に黒ビールを使用しなかったとして、景品表示法第7条第1項の規定に基づく消費者庁の措置命令に従うと発表しました。

 同社が運営する各店舗で、2015年1月13日から2017年9月25日までに販売した黒ビールカリー関連25料理に、実際には、黒ビールを使用していないにもかかわらず、店舗メニュー、ポスター、チラシ、ウェブページで「新一番搾りスタウト(黒生)を使用し」などと記載し、これらの料理の原材料に黒ビールを使用しているかのように表示していました。

黒ビールを使用していないにもかかわらず、「新一番搾りスタウト(黒生)を使用し」などと記載

 この表示が、一般消費者に実際のものよりも著しく優良であると示すもの(優良誤認)で、景品表示法に違反するものであったことを認め、「大変ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪。今後は、「措置命令を受けましたことを真摯に受け止め、管理体制を強化し、再発防止策を実施して参ります」としています。

 今回の原因は、「黒ビールカリー」は2012年5月の販売開始時は各店舗内で調理していましたが、品質の均一化及び効率化を目的に、2015年1月よりオリジナルカリーソースの製造委託を開始した際に、本来はソースの製造過程において黒ビールを使用するべきところ、製造委託先間の認識に齟齬があり、黒ビールを使用していない商品が納入されていたためとしています。

 2017年9月以降、原材料の一部である黒生ビールが「一番搾りスタウト」から「一番搾り(黒生)」へ商品変更になることから、製造委託先に確認すると、黒ビールを使用していないことが9月25日に発覚したとのこと。

 同日より関連料理の販売をただちに中止し、原因究明のために内部調査を開始。消費者庁には翌日である9月26日に事実の報告を行ない、10月13日に内部調査の結果を自主報告し、同日以降、追加の内部調査を行うとともに、消費者庁の調査にも積極的に協力してきたとのこと。

 さらに10月12日、弊社が運営する店舗の店頭及び、同社ホームページで、お詫びと返金のお知らせを告知するとともに、2017年10月16日~11月15日までの間、ランチタイム時間にキリンシティ各店利用者に、500円分の「キリンシティご飲食券」を一人一枚配布。なお、2017年9月29日以降は、黒ビールカリー関連料理については、「一番搾り(黒生)」を使用して販売を再開しています。

 なお、2015年1月13日から2017年9月25日の対象期間に、対象商品の飲食会計レシートを持っている場合は、2018年8月31日までに、当該レシートをキリンシティ及びキリンシティプラスのいずれかの店舗で提示すると返金するとしています。

【対象商品】
黒ビールカリー
赤・黒ハーフ&ハーフ
10種野菜の黒ビールカリー
黒ビールカリーピザ
“こがね鶏”のチキンカツカリー
黒カリー煮込みのハンバーグ
オム黒ビールカリー
オム赤・黒ハーフ&ハーフ
黒ビールカリーのドリア
ごろごろ野菜の黒カリーココット
ラム肉の黒キーマカレー
スパイス香る黒ビール仕込みの牛スジドライカレー
黒カレーたこ焼きピザ

 同社では、再発防止策としては、オリジナル商品を外部に製造委託する場合は、依頼内容と最終仕様が一致するように「製造委託、採用における運用フロー」を策定し、確実に実行し、メニュー表や販促物等の作成には、景品表示法をはじめとする関係法令及び監督官庁のガイドラインの理解と遵守をより一層徹底していくとしています。

[古川 敦]