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「国際 文具・紙製品展ISOT」で見かけた、進化系文具たち。ダブルクリップ100年の歴史を変える「エアかる」、連結できる「CLIP」、ノック不要で色が切り替えられる「ツインクル☆スター2色ボールペン」など

[2018/7/12 11:25]

 7月4日から6日まで、東京ビッグサイトで「第29回 国際 文具・紙製品展ISOT(イソット)」が開催され、同時開催のインテリアや雑貨の展示会と合わせ、9万人近い来場者で賑わいました。

インテリアから雑貨、文具まで、多彩な新製品の展示会。招待券がない場合、入場料(同時開催展の入場も含む)5,000円が必要。

 ここでは、世界19カ国から約360社が出展した日本最大の文具の展示会ISOTで見かけた、気になる進化系文具をご紹介します!


ダブルクリップ100年の歴史を変えた!? 空気のように軽く開く「エアかる AIR KARU」

「エアかる AIR KARU」10個入りは、大450円、中350円、小300円(税別)

 「エアかる AIR KARU」は、プラスから3月に発売された進化系のダブルクリップ。3月に10個入りが発売されましたが、好評を受けて8月にブリスターパッケージが全国の文具店などで発売される予定です。ブリスターパッケージは、大は3個、中は4個、小は5個入りで、各170円。

 「エアかる AIR KARU」では、本体部分に突起をつくり支点の位置をずらしたことで、開く力が大幅に削減されています。さらに、レバー先端の形状をフラットにしたことで指あたりの痛さを軽減。痛くなく、軽く開けるダブルクリップです。

 てこの原理を利用したレバー式のダブルクリップは、実は1915年に米国で特許登録された製品なんだそう。1915年から変わらぬ形状のダブルクリップの歴史がついに変わるのかも知れません。

本体部分に突起をつくり支点の位置をずらしたことで、開く力を最大約50%削減(発売元従来品比実験データによる)

プラス「エアかる AIR KARU」


女子大生の発想と町工場の技術が合体「CLIP」

「CLIP」5個650円(税別)

 町工場の持つ「技から生まれる美しさ」を大切にしたプロダクトブランド「Factionery」。「Factionery」は、Factory(工場)とStationery(文具)を合わせた造語です。

 「CLIP」は、デザインオフィスのインターンだった女子大生が設計・デザインした、連結できるクリップ。工場で1つずつ仕上げているというだけあって、大量生産品とは別格のしっかりした作りと美しいフォルムのクリップです。

 1月に発売され、価格は5個で650円(税別)。現在は文具店などでの一般販売は行っておらず、株式会社モールドテックの直販サイトのみで購入できます。

連結可能なクリップという新しい発想。連結することでページを増やしていくことができ、クリップが回転するのでめくっても折り跡がつきません。

株式会社モールドテック「CLIP」

ノックは不要、持ち替える必要もなし! 回すだけで色が替えられる「ツインクル☆スター2色ボールペン」

「ツインクル☆スター2色ボールペン」498円。10月末発売予定

 百均やコンビニなどで手軽に買える2色ボールペンですが、赤と黒をひんぱんに切り替えて使う場合、色を切り替えるたびにノックして、ボールペンを持ち替える必要があります。

 Vスパークから10月末に発売予定の、「ツインクル☆スター2色ボールペン」は、赤と黒の2本のペン先が並んで、固定で取り付けられています。色を切り替えるには、ペンを持ったまま向きを変えるだけ。

 言葉ではイメージが伝わりにくいので、まずはボールペンに先行して発売されたVスパークの2色マーカーを使う様子が見られる公式動画をご覧ください。

 「ツインクル☆スター2色ボールペン」では、筆記時の微妙なペンの傾きを計算したヘッド(ペン先)とインク芯の設計によりインクの出方を制御します。日本の金型技術を駆使して完成したという逸品。

 資料のチェックや校正、採点業務などで赤・黒をひんぱんに切り替えて使う人は、手の負担が大幅に軽減できそうです。水性顔料インクの書き味も滑らか。太さの異なる黒色ペンのセットや暗記ペンとボールペンのセットもあります。

 希望小売価格は1本498円。現在、直販サイトで直接購入可能ですが、最少発注数は50本からとなります。

会場では、インク芯の設計を紹介する図面も展示されていました。
町工場でコツコツと製品を作り続けたという設計者の川崎正幸さん。インクル☆スターシリーズは、満を持して発表したはじめてのオリジナル製品。80歳は超えてますよとはにかみながらも、製品について熱く語ってくれました

◇有限会社Vスパーク「ツインクル☆スター2色ボールペン」


キッズのための安心設計! カッターデビュー前に使いたい「キッター Kids-cutter」

「キッター」参考価格1,200円。発売元:オルファ株式会社

 白と黄色の色合いと丸みを帯びたタマゴチックな佇まいの「キッター」は、「こどもが自由に工作を楽しめるように」というやさしい発想から生まれた安心設計のカッター。刃はプラスチックのカバーで覆われていて、刃先がちょっぴり、1mm程度出ているだけです。切れ味はスムーズでおとなが使っても問題ナシ。

 参考価格は1,200円で、8月8日から先行発売し、11月1日から文具店、インターネット通販などで全国発売される予定です。

プラスチックのカバーから出た刃先はほんの1mm程度。

 大人でもちょっと怖い刃折りも、ゆでタマゴのような刃折り器にプラスチックカバーごと差し込んで、パチン! とするだけでとってもかんたん、そして安全。

ゆでタマゴのようなかわいい刃折り器。安全性も十分配慮された設計。

オルファ「キッター Kids-cutter」

毎日違うイラストをめくって貼れる、卓上日めくり付箋カレンダー「himekuri」

「himekuri」1,800円(税別)。10月1日発売予定。現在、ネット通販で先行予約受付中です

 「himekuri」は、クラウドファンディングを活用して、2018年版が初めて製品化された卓上型の日めくり付箋カレンダー。今秋発売の2019年版は、本体サイズが縦6.5×横25cmから縦5×横21cmとひと回り小さくなり、デスク上にも置きやすくなりました。

 一枚の付箋サイズも縦3.8×横2.5cmと手帳やノートに貼るのにピッタリのサイズ。付箋加工も強化され、いろいろなパッケージやジャムなどの瓶に貼ったりと、日めくりをめくった後の付箋としての活用方法が広がりました。

 毎日変わる日めくりのデザインは4種類をラインナップ。書き込みしやすいシンプルな「himekuri」と「colorkuri(カラクリ)」に加えて、イラストレーター・萩原まおさんデザインの「himekuri文房具」と「himekuriねこ」の全4種類から用途に合わせて選べます。価格はいずれも1,800円(税別)

用途に合わせて選べるデザインは全4種類

◇ケープランニング「卓上日めくり付箋カレンダー himekuri」

好きな形やサイズにちぎれる付箋「Chigiru note チギル ノート」

「Chigiru note チギル ノート」400円(税別)8月29日発売予定

 人気の付箋「CHIGIRU(チギル)」の新たなシリーズとして、8月末に発売予定の「Chigiru note(チギルノート)」は、5mm方眼のミシン目が入ったシート状の付箋。フィルム台紙からはがして、ミシン目にそって好きな形や大きさにちぎります。半透明なので、貼った下地を隠さずメモすることも可能。

 携帯に便利な付属の専用ケースに、3デザイン各3シートの計9シート入り。1シートのサイズは50mm×80㎜です。価格は400円で、全国有名文具店、生活雑貨店、通販等で8月29日発売予定。

フィルム台紙からはがして、5mm方眼のミシン目にそってちぎります。マイクロミシン目なので簡単にちぎれます。
携帯に便利な付属の専用ケースに、3デザイン各3シートの計9シート入り。1シートのサイズは50mm×80㎜。

◇ヤマト株式会社「Chigiru note チギル ノート

文具愛あふれるシニア開発者が開発した「簡単にめくれる付箋ケース」

「簡単にめくれる付箋ケース」大580円、中560円、小550円(税別)

 最新の進化系グッズに触れるだけでなく、その製品の開発者の話を直に聞くことができるのも展示会ならではの楽しみ。今回は、文具への愛と情熱にあふれたステキなシニア開発者の活躍する姿が目を引きました。

 横田正判(よこた まさちか)さん発案の、アイディア溢れる楽しくて便利な製品が並ぶブランド「横田文具」のイチオシ製品は、簡単にめくれる付箋ケース。ワンスクロールで付箋が簡単にめくれます。

 プラスチック製品製造業の株式会社エイジ化成が製品化を手がけたシンプルでスタイリッシュなデザインと手触りのよい仕上がりに、製品への愛情が感じられる一品です。

 「簡単にめくれる付箋ケース」は、6月発売。現在はネット通販で購入可能です。価格は、大580円、中560円、小550円(税別)。3サイズセッは1,690円(税別)。

発案者の横田正判(まさちか)さん。早口の大阪弁で製品の魅力を語ってくれました。お歳は加山雄三さんより少しお兄さんとか。

◇エイジ化成「横田文具 簡単にめくれる付箋ケース」

[千徳美穂]