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「震度6」でも通常通り会社に向かった人が7割超! 「大阪府北部地震」で地震発生当時に出勤前または出勤途中だった人1,920人に聞いてみた

[2018/9/27 18:14]

 東京大学と株式会社サーベイリサーチセンターは、「大阪府北部地震(出勤困難)に関する調査」を実施、結果を発表しました。

 調査では、近畿圏(京都府、大阪府、兵庫県、奈良県)に居住する20歳以上の有職者で、地震発生当時に出勤前または出勤途中だった人1,920人を対象に、地震発生当日の出勤状況などを調べています。


出勤前だった人の6割弱、出勤途中だった人の7割超が、通常通り職場へ向かう

 「大阪府北部地震」は、2018年6月18日7時58分頃に発生。最大震度は6弱を記録しました。一般的な午前9時始業の人にとっては、ちょうど出勤時間前後にあたります。

 地震発生当時、自宅で出勤前だった1,271人のうち、57.6%の人が「自宅にいたが、いつもと同じ時間に勤務先に向かった/向かおうとした」と回答。

 また、地震発生当時、出勤途中だった649人のうち、71.3%の人が「出勤途中であったので、勤務先に向かった/向かおうとした」と回答しています。

 合計すると、1,920人のうち1,423人、74.1%が通常通り職場に向かったことになります。時間をずらして出勤した人を含めると、職場に向かった人は1,767人と、9割以上に上ります。

 地震発生当日に通常通り勤務先に向かった人で、「いつもと同じように出勤できた」人はおよそ6割。

 一方、「その日は出勤できなかった」「出勤中にどこかにとどまらざるを得ず、いつもより出勤に時間がかかった」「出勤中にどこかにとどまることはなかったが、いつもより出勤に時間がかかった」を合わせると、およそ4割の人は出勤になんらかの支障が出たことがわかります。


勤務先に向かった人、理由は「勤務先の近くだったから」が最多

 地震発生当日、地震発生後に勤務先に向かった人の出勤しようとした理由は、「勤務先の近くだったから」(39.2%)、「勤務先に行っても日常的な業務はできると思ったから」(29.5%)、「勤務先から、出勤を控える指示が出なかったから」(24.2%)などが高くなっています。


出勤しなかった理由は、「電車が復旧しなさそうだったから」「出勤を控える指示が出た」

 地震発生当日、出勤をしなかった理由は「電車が復旧しなさそうだったから」(59.0%)と「勤務先から、出勤を控えるよう指示が出たから」(51.1%)が5割以上と高くなっています。


勤務先から、出勤に関する「指示が出た」のは3割強

 地震発生当日、勤務先から出勤に関する「指示が出た」は32.8%、「指示は出なかった」は61.2%。多くの企業で、指示が出ていなかったことが明らかになりました。

 指示が出た場合、勤務先からの出勤に関する指示のうち、「出勤を促す指示」は3割弱、「出勤を控える指示」が7割強でした。

 また、出勤を促す指示、出勤を控える指示ともに、9割前後の人は、地震発生当日に受け取った勤務先からの出勤に関する指示に「従った」と回答しています。

 一方で、「出勤するかどうか事前には決められていなく、地震が発生した後に連絡が来るかどうかも決められていなかった」が49.6%と、地震災害時の出勤に関するルールや連絡について整備されていない勤務先が半数を占めていることがわかりました。

地震発生後に通常通り業務が行われた人は49.6%

 地震発生当日、「自主的に休んだので、業務の状況はわからなかった」人を除いた1,767人のうち、地震発生後に「業務は通常通り行われた」人は1,767人中877人で49.6%。

 逆に、それ以外の890人(50.4%)は、勤務先で混乱が見られたり休みになったなど業務に支障が出たと回答しています。

 一方で、地震発生当日勤務先が「地震の影響で休みになった」または「自主的に休んだので、業務の状況はわからなかった」と回答した286人に、出勤しなかったことや勤務先が地震の影響で休みになったことによる影響を尋ねると、「仕事や業務に支障が出た」人は6.6%にとどまりました。

 地震発生後に通常通り仕事ができた人は半分程度はいたものの、仕事を遅らせたり休みにしたことで、支障が出るケースは少なかったことがわかります。

[工藤ひろえ]