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「イッテQ!」の“祭り”企画は当面休止に 番組の意向で実質的な主催者となったり、賞金が支払われたことがあった~これまでの番組制作のあり方を猛省

[2018/11/15 21:47]

 日本テレビが15日、バラエティ番組「世界の果てまでイッテQ!」の「祭り」企画について、これまでの番組制作のあり方を猛省し、視聴者に自信をもって届けられる態勢が整うまで、当面の間、休止すると発表しました。同社では、「視聴者のみなさまに安心して楽しんでいただく」という原点に立ち返り、すべてにわたって制作のあり方を再点検し、これまで以上に支持を得られるような番組を目指していくとしています。

 「世界の果てまでイッテQ!」の「祭り」企画については、「週刊文春」(11月15日号)が掲載した「日テレ『イッテQ!』にラオス「橋祭り」やらせ疑惑」とした記事に対し、日本テレビが11月8日に「現地からの提案を受けたもので、番組サイドで企画したり、セットなどを設置した事実はなく、また、番組から参加者に賞金を渡した事実もない。ラオスの情報文化観光省にも、番組の趣旨を十分に説明し、正式な手続きを経て当局の許可を得て、撮影にも協力してもらっている」とする文章を公開していました。

 今回、改めて発表された調査結果では、「この番組の『祭り』企画の趣旨は、どんな挑戦にも宮川大輔さんをはじめ出演者のみなさまが本気でぶつかっていく姿をお見せすることで視聴者のみなさまに楽しんでいただくこと」としながらも、これまでの調べで、番組の中で扱ってきた一部の「祭り」について、視聴者に正しくその内容を伝えていなかったことがわかったとしています。


 番組の意向でコーディネート会社が主催者に提案したり、実質的な主催者となったりして、イベントとして開催したケースがあり、中には場所や時期を変更して開催したものもあったとのこと。また番組がコーディネート会社に支払っている撮影経費の中から、開催費用や賞金、参加費、協力費などが支払われていることもあったとしています。

 番組が次第に「祭り」の解釈を拡大し、視聴者が「祭り」としてイメージするには無理があるものまで、「祭り」として扱うようになっていたことが、今回の問題の原因であると分析し、今回問題となっている「橋祭り」についても、「祭り」という言葉を使わずに、「一本橋を自転車で渡る催しをラオスのビエンチャンで初めて番組がイベントとして開催し、宮川さんに挑戦してもらう企画」と丁寧に説明すべきであったとしています。

 また、一連の報道で「やらせ」や「でっちあげ」と指摘されていることについては、番組にその意図はなく、もとより「イッテ Q!」はロケの失敗や不成立に関しても隠さず見せているので、制作スタッフには、事実を捻じ曲げたり、隠したりという考えはないとのこと。

 実際、今回問題とされている「橋祭り」も、企画の根幹である、宮川さんが本気で挑戦する姿について、予選敗退であったものを演出や編集で実際とは異なる成績に見せるといったことは一切なく、いささかも手を加えたことはないとしています。

 しかしながら、扱った「祭り」に関する開催の経緯やこれまでの実績などで説明が十分でなかったり、誤りがあった点については反省しているとのこと。また、バラエティー番組がある程度虚構を含むものであったとしても、面白ければいいということでは済まず、制作者の感性が一般社会の倫理観、価値観と離れては、番組作りはできないということを肝に銘じていくとのこと。

 今回の批判の中には、日本テレビがコーディネート会社に責任を押し付けているとの声もあがっていますが、、同社では「コーディネート会社は番組制作における大切な協力者であり、番組の放送責任は日本テレビにあると考えている」と釈明。また、今回の問題で宮川さんをはじめ「イッテ Q!」に出演するタレントには何の落ち度もないことは明らかで、こうした事態を招いた責任を痛感してるとしています。

[古川 敦]