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医師は年末年始も大変! アルコール関連の患者対応はトラブル頻発、眼鏡を壊された医師も。餅を詰まらせて搬送される高齢者も依然多い~多忙な医師の年末年始事情

[2018/12/12 14:29]

 「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」を運営する医師人材総合サービスの株式会社エムステージは、会員医師を対象に、年末年始の働く環境に関するアンケート調査を実施、結果を発表しました。

 調査大賞は「Dr.なび」会員医師で、有効回答数は男性医師133名、女性医師24名の計157名。

 医師になるには医学部を卒業し、難しい国家試験にパスする経済力と知力の両方が必要で、命を助けるという意義ある仕事。あこがれの職業のひとつですが、長期の休みが取りにくい激務としても知られています。

 調査からは、年末年始も勤務のある医師が過半数を占め、アルコールを飲みすぎた患者の対応に苦慮する医師の姿が見えてきます。おおみそかに当番をしたら、除夜の鐘と同じ数の患者が来たという笑えない話も。

 また、正月に餅でのどを詰まらせる患者も相変わらず多いとのこと。年末年始、ご家族に高齢者がいる人はご注意を。のどに詰まった餅を吸い出そうと掃除機を使った結果、血気胸となって搬送されてきた患者もいたそうです。


不眠不休の医療現場では、年末年始も勤務のある医師が半数以上

 「今年の年末年始の勤務予定はありますか?」という質問に、「ある」と回答した医師は51%。「まだ決まっていない」と回答した医師は14%で、過半数の医師が年末年始も勤務予定があることがわかりました。

 年末年始の出勤予定の決め方は、「話し合いや希望を募って決める」「くじ」「医局長や上司、事務方などの独断」「非常勤医師や外部バイトで対応」「勤務歴順、年功序列」など職場によってさまざまのようです。



年末年始の勤務にまつわるエピソード

 年末年始の勤務について、多くの医師から寄せられたエピソードが、お餅を喉に詰まらせた患者と急性アルコール中毒の患者。さらには、喧嘩で怪我をして搬入された患者のエピソードも少なくありません。

 年末年始は医療機関側も限られたリソースでの対応となります。お酒の飲み方やお餅の食べ方などは、注意すれば防げるトラブル。わたしたちの自己管理も見直したいところです。


年末年始に増える、お餅の誤嚥と急性アルコール中毒

“10歳の急性アルコール中毒がきて、「正月ぐらい飲ませて悪いか!」と逆ギレする親に閉口した”(内科/男性)

“アルコール中毒は多くて嫌になりました”(整形外科/女性)

“年始に餅を詰まらせた老人に家族が掃除機で吸引して救急搬送されたことがあったが血気胸となり処置に苦慮したことがある”(循環器内科/男性)

“高齢者の餅詰まりによる窒息CPA症例が増加”(循環器内科/男性)

“高齢者の餅の気管閉塞は減りませんね”(消化器内科・心療内科・緩和ケア科/男性)


年末年始の忙しさが伝わるエピソード

“手術室で年越し”(呼吸器外科/男性)

“病院の屋上で初日の出を見た”(消化器内科/男性)

“元日当番日に4件の急性冠症候群が搬送されてきた”(循環器科/男性)

“研修医の時、12月31日に除夜の鐘と同じ数の患者が来た”(外科/男性)



アルコール関連の対応で困ったエピソード

“喧嘩した二人ともが同じ病院に来て、第2ラウンドが始まりそうになったこと“(放射線科/男性)

“単なる酔っ払いがくる”(消化器内科・産業医/男性)

“帰れるのになかなか帰ってくれない”(外科/男性)

“勝手に救急車で運ばれてきたのに、いざ診察しようとすると非協力的な人が多い”(内科/男性)

“お祭りの時期と忘新年会の時期は、救急外来の待合も救急車もアル中が多く、付き添いまで酔っ払いであることが多く、騒がしいし、他の救急外来患者からすればかなり迷惑だと思う”(外科/女性)

“暴れたり、吐いたりするので人手が必要になる”(脳神経外科/男性)

“病院に来たら暴言吐いて治療拒否。帰宅させようにも付き添いが帰ってしまい面倒だった”(救急科/男性)

“アルコール中毒対応で暴れる患者を押さえるのに、警察沙汰になりました”(小児科・内科・検査/男性)

“眼鏡を壊された”(外科/男性)

[工藤ひろえ]