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平成最後の年末年始は、今季一番の寒気が襲来! JAFがクルマでのお出かけに万全の準備を呼びかけ。最も多いのはバッテリー上がり

[2018/12/25 17:23]

 JAF(一般社団法人日本自動車連盟)は、帰省などクルマの使用が増える年末年始に向けて、お出かけ前に確認したいポイントをまとめ、注意を喚起しています。

 昨冬の年末年始期間、2017年12月30日から2018年1月3日までの間にJAFが出動した件数は3万9,258件にのぼりました。これは約11.0秒に1件の割合となります。

 2017年度年間では約13.2秒に1件だったことから、年末年始期間はJAFの出動がふだんより増えることがわかります。

 また、今回の年末年始は、寒波の襲来が予想されています。日本気象協会が運営する「tenki.jp」によると、12月26日(水)から次第に冬型の気圧配置になり、12月27日(木)頃から今季一番の強い寒気が流れ込む見込みとのこと。

 北日本から西日本の日本海側では、年末からお正月にかけて大雪、暴風で荒れた天気が予想されています。


最も多いのはバッテリー上がり!

 JAFによると、年末年始期間で最も多い要請内容は「バッテリー上がり」。

 気温が低いとバッテリーの能力が低下し、バッテリー上がりが発生しやすくなります。また、バッテリーは、使用環境によって劣化の進み方が大きく変化することから、JAFでは、カーディーラー、ガソリンスタンド、カーショップなどでのチェックをすすめています。

 バッテリーが上がってしまうと、当たり前ですがエンジンもかからず、冷蔵庫のように冷えたクルマの中でJAFを待つことになります。とくに子どもや高齢者も同乗しての移動の場合は、万全のチェックをしておきたいところ。


雪道では、ノーマルタイヤの制動距離はスタッドレスの約1.7倍! 降雪が予想できるならスタッドレスを

 JAFでは、ノーマルタイヤをはじめスタッドレスタイヤ・オールシーズンタイヤなど6種のタイヤを使って、雪道(圧雪路)と凍結路(氷盤路)での制動距離実験を行いました。

 その結果、雪道でのノーマルタイヤの制動距離は29.9m、スタッドレスタイヤの17.3mに対して約1.7倍であることが判明。

 渋滞を避けて高速から一般道路へ下りたら、思いがけない吹雪や凍結路に遭遇することもあります。JAFでは、降雪が予想される地域へ出かける場合は、タイヤチェーンやスタッドレスタイヤの準備を勧めています。


チェーンを誤装着すると、雪の坂道でスリップ発生

 タイヤチェーンは駆動輪に装着することが鉄則ですが、誤って駆動輪ではない位置にタイヤチェーンを装着してしまう例があるそうです。

 JAFでは、誤装着してしまった場合の雪道(圧雪路)の登坂テストを行っています。駆動輪に正しく装着した場合はしっかり坂道を上りきれたのに対し、誤装着の場合は坂道の途中でタイヤがスリップしてしまい、上りきることができなかったとのこと。

 降雪が予想されるところを通る場合は、タイヤチェーンを準備するのはもちろん、事前に正しい装着位置を車の取扱説明書で確認し、事前に装着する練習もしておくよう勧めています。


暖かい地域の軽油は寒冷地で凍る可能性が!「燃料凍結」と「燃料切れ」に注意

 JAFによると、比較的温暖な地域で販売されている軽油を入れたクルマが気温が低いスキー場などに長時間駐車した時などは、軽油の流動性が失われ、燃料が噴射できずにエンジンがかからなくなることがあるとのこと。

 軽油は、流動点(使用できる外気温の目安)の違いによって5等級に分けられています。凍結してしまうとエンジンが停止したり思わぬトラブルの原因に。JAFでは、軽油の凍結を防ぐため、現地で寒冷地用の軽油を給油するよう勧めています。

 なお、ガソリンは凍結する心配はありませんので、ガソリンについては心配ご無用とのこと。


 寒波襲来が予想される今回の年末年始期間。出先で慌てないよう、十分な準備をして、安全運転で新年を迎えたいところです。

[工藤ひろえ]