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麻しん患者が京セラドームのAKB48の大握手会に参加 大阪市が麻しん症状がでた場合は速やかに受診するように呼びかけ

[2019/1/18 18:47]

 大阪市が17日、2019年1月15日(火)に三重県より、三重県内で集団発生した麻しん患者の一人が感染可能期間に、大阪市内の京セラドームで開催された「AKB48 54thシングル『NO WAY MAN』劇場盤発売記念大握手会」に参加し、隣接するイオンモール大阪ドームシティを利用していたとの情報提供を受けたと発表しました。

 三重県が実施した当該患者の疫学調査の結果、これらの施設などで不特定多数の方に接触していることがわったとのこと。大阪市では「当該患者と接触して麻しんに感染している可能性があるため、広く情報提供する」としています。

 当該患者は10代の男性で三重県在住。発熱、発疹、結膜充血、咳、鼻汁の症状が出ているとのこと。1月6日9時頃に近鉄電車(大阪線)、阪神電車(なんば線)で三重県から京セラドーム大阪へ移動。京セラドームで開催されたAKB48握手会に隣接するイオンモール大阪ドームシティを利用。21時頃に往路と同経路で帰宅。

 1月8日に発熱、発疹、結膜充血の症状が発症し、1月10日に麻しんと診断されました。患者が利用し、不特定多数と接触した可能性がある施設は、1月6日11時30分ごろから21時ごろまでの京セラドーム大阪、イオンモール大阪ドームシティ。

 それらの施設を利用した方は、利用後3週間以内に麻しんを疑う症状が現れた場合は、すみやかに受診するように呼びかけています。麻しんは、感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2~3日熱が続いた後、39度以上の高熱と発疹が出現します。

 これらの症状が現れている間は、咳や鼻水に麻しんウイルスが出るので、免疫のない人に感染させてしまう可能性があります。なお、医療機関に受診する場合は、事前に電話で麻しんに感染しているおそれがあることなどを伝え、受診の仕方を確認してから受診してください。

 風疹は、風疹に免疫のない女性が妊娠初期に罹患すると、風疹ウイルスが胎児に感染して、出生児に先天性心疾患、難聴、白内障を3大症状とする先天性風疹症候群(CRS)と総称される障がいを引き起こすことがあります。予防で重要なことは、十分高い抗体価を保有することで、風疹に対して感受性がある場合は風疹を含むワクチンで免疫を付ける必要があります。そのため、妊娠可能年齢の女性で風疹抗体がない場合には、積極的にワクチンで免疫を獲得しておくことが望まれます。

[古川 敦]