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新1万円、5千円、千円札、500円玉の画像が公開! 1万円は渋沢栄一、5千円は津田梅子、千円は北里柴三郎~最先端ホログラムなど最新偽造防止技術を導入

[2019/4/9 10:34]

 財務省が9日、日本銀行券一万円、五千円、千円、五百円貨幣について、偽造抵抗力強化等の観点から、様式を新たにして製造する準備に着手したと発表しました。

 なお、現行の日本銀行券及び五百円貨幣は、新しい日本銀行券及び五百円貨幣が発行されたあとも、引き続き通用できるので、財務省では「『現行の日本銀行券が使えなくなる』などを騙った詐欺行為(振り込め詐欺など)にご注意ください」と呼びかけています。

新しい日本銀行券

 新たな偽造防止対策として、現行の「すき入れ」に加えて、新たに高精細なすき入れ模様や、一万円券及び五千円券にはストライプタイプのホログラム、千円券にはパッチタイプのホログラムが新たに導入されます。最先端技術を用いたホログラムは、肖像の3D画像が回転するもので、銀行券への採用は世界初としています。また、記番号について、現行の最大9桁から10桁への変更が予定されています。

 さらに、ユニバーサルデザインとして、指の感触により識別できるマークの形状変更及び券種毎の配置が変更されます。また、額面数字の大型化(表・裏)、「ホログラム」と「すき入れ」位置を券種毎に変更することで識別しやすくなるとしています。

 発行時期は、2024年度上期が目途で、ホログラムをはじめ図柄等の細部については、今後、検討の上、決定予定で、様式は所要の手続き等を経て、今後、告示で定めることになるとのこと。

新一万円券

 図柄は現行券の表:福沢諭吉、裏:鳳凰像から、表:渋沢栄一、裏:東京駅(丸の内駅舎)に変更されます。寸法は現行券とおなじ、縦76×横160mm。

【表:渋沢栄一(しぶさわ えいいち) (1840~1931)】第一国立銀行、東京株式取引所(現 東京証券取引所)、東京商法会議所(現 東京商工会議所)など生涯に約500もの企業の設立等に関わったといわれ、実業界で活躍。また、教育・社会事業・民間外交にも尽力
【裏:東京駅(丸の内駅舎)】辰野金吾設計、1914年竣工。「赤レンガ駅舎」として親しまれてきた歴史的建造物。明治・大正期を代表する建築物の一つ。戦災で一部焼失、2012年復原工事完了。丸の内本屋は国の重要文化財指定(2003年)

新五千円券

 図柄は現行券の表:樋口一葉、裏:燕子花図から、表:津田梅子、裏:フジ(藤)に変更されます。寸法は現行券とおなじ、縦76×横156mm。

【表:津田 子(つだ うめこ)(1864~1929)】1871年、岩倉使節団に随行した最初の女子留学生の一人。1900年に女子英学塾(現 津田塾大学)を創立するなど、近代的な女子高等教育に尽力
【裏:フジ(藤)】「フジ(藤)」は古事記や万葉集にも登場し、日本では古くから広く親しまれている花

新千円券

 図柄は現行券の表:野口英世、裏:富士山と桜から、表:北里柴三郎、裏:富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」(葛飾北斎)に変更されます。寸法は現行券とおなじ、縦76×横150mm。

【表:北里柴三郎(きたさと しばさぶろう)(1853~1931)】世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功、破傷風血清療法を確立。 また、ペスト菌を発見。私立伝染病研究所、私立北里研究所を創立。後進の育成にも尽力
【裏:富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」】日本を代表する浮世絵。江戸時代の浮世絵師葛飾北斎の代表作で知名度も高く、世界の芸術家に影響を与えた作品でもある

新五百円貨幣

新しい五百円貨幣のイメージ

 偽造抵抗力強化の観点から、素材などを変更して製造する準備に着手。新たな偽造防止技術として、素材に新規技術であるバイカラー・クラッド(二色三層構造)や、貨幣の縁に新たに「異形斜めギザ」、貨幣の縁の内側に、新たに微細文字の加工が導入されます。「異形斜めギザ」は、斜めギザの一部を他のギザとは異なる形状にしたもので、通常貨幣(大量生産型貨幣)への採用は世界初とのこと。

 直径は現行とおなじ26.5mmですが、重量は現行の7.0gから7.1gに少し重くなります。素材は現行のニッケル黄銅(千分中銅720、亜鉛200、ニッケル80)から、ニッケル黄銅、白銅及び銅(千分中銅750、亜鉛125、ニッケル125)に変更されます。

 発行時期は2021年度上期を目途とのこと。なお、今回公開されたイメージは、発行時期が「元号を改める政令」の施行以降であることを踏まえたもので、形式などの細部については、今後、検討の上、決定予定。形式等は所要の手続き等を経て、今後、政令で定めることになります。

バイカラー・クラッド(二色三層構造)
異形斜めギザ
[古川 敦]