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6割が高齢者の運転で“危険”と思った体験あり! 7割が「74歳までに運転免許書返納が妥当」~高齢者の運転についての意識調査

[2019/6/11 19:15]

 株式会社Insight Techは、運営する「不満買取センター」の登録ユーザーを対象に、「高齢者の自動車運転」についてアンケートを実施。男女1,498名の回答をもとに、解析ツール「ITAS」で分析した結果を発表しました。


6割が「高齢者の自動車運転で危険な体験をした」と回答!

 「高齢者の自動車運転により、危険な体験をしたことがありますか?」と尋ねたところ、59%が「ある」と回答。

 また、危険な体験をしたことがあると回答した人の声を感情分類AIで分析したところ、「怒り」「嫌気」の割合が70%となり、特に「怒り」は50%を超える結果に。

 「不満買取センター」では、生活者から投稿された不満の声を製品開発や改良に活かすサービスを提供していますが、ふだん投稿される生活者の声の「怒り」の平均値は5~10%程度とのこと。

 高齢者の危険運転に対しては「怒り」を感じる人が非常に多いことがわかります。


高齢者の自動車運転により、危険な体験をしたエピソード

 以下で、アンケートの回答で寄せられた危険な事例をご紹介します。全体に、運転者なら当然払うべき周囲の状況に対する注意や配慮が欠けているケースが目立ちます。


<事例1>
信号のない交差点で、曲がる先に車がいるのを確認せずに勢いよく曲がって突っ込んできたり、すれ違い不可な細い道で、相手側(高齢者)に避けるスペースがあるにも関わらず突っ込んでこられた。

<事例2>
細いすれ違うのがギリギリの道で、かなりのスピードでど真ん中を走ってこられたり、住宅地の中を一時停止をすることなく右左折して、猛スピードで走り抜けていくのを見ました。

<事例3>
普通だったら出て来ないタイミングで車が出てきた。ウインカーを出さずに急に曲がった。駐車場の出口専用のところから進入してきた。法定速度以下の速度で走行し、渋滞が起きていた。

<事例4>
早く駐車場に停めたい高齢者が、駐車場から出ようとした私の位置に突っ込んできた。駐車場エリアでの逆走、無理な割り込みは待つことができない身勝手な高齢者が多い。

<事例5>
周りが見えておらず、急な車線変更や、信号機の無い交差点では、左右を確認せず直進や右左折をする。

<事例6>
ハザードもたかず、急に停車と駐車をする。道のど真ん中を走行してくる。一時停止を無視して突っ走る。


6割が「シニア世代になったら運転免許書返納を考えている」

 「将来、シニア世代になった時に運転免許証の返納は考えていますか?」と質問したところ、63%が「考えている」と回答しました。

 年代別に見ると、60代以上は自身や家族がシニア世代に該当するようになり、返納を考えている割合も多いようです。一方で、「考えていない」と答える割合も、60代以上は10%と、全年代で最多となりました。

 60代以上では「わからない」が20%と、他の世代が30%程度であるのに比べて10%ほど減っています。

 眼の前の問題として具体的に考えるようになった結果、返納する・返納しないの両方が他世代より増加していることがわかります。


7割が「74歳までに運転免許書返納が妥当」と回答。ただし、都市圏と地方で乖離が

 「もし年齢で運転免許証を返納しなくてはならない場合、何歳で返納するのが妥当だと思いますか?」と質問したところ、66%が「74歳まで(69歳以下:24%、70~74歳:42%)」と回答。

 ただし、エリア別に見ると、交通網が発達している大都市圏と、日常生活の足として自動車が必要な地方では、返納における妥当な年齢差が顕著であることが分かりました。


対策は「自動運転・ブレーキ」「スマートアシスト」「ドライブレコーダー」

 「高齢者の自動車運転で有効な事故減少対策は何だと思いますか?」という質問には、「自動運転」「自動ブレーキ」「スマートアシスト」「ドライブレコーダー」といった装備に関する回答が多く寄せられました。

 すでに地方などで一部実証実験が始まっていますが、自動運転・自動ブレーキなどの技術によって事故を減らせることを期待する人が多いことがわかります。

[工藤ひろえ]