「私が死んだら娘に渡して下さい」 「孤独死のあった部屋」ミニチュアの新作が明日20日(火)から開催の「第5回エンディング産業展」に展示~新旧計15作品ほど展示
ToDo-Company(トゥードゥーカンパニー)が運営する「遺品整理クリーンサービス」は、東京ビッグサイト(東京国際展示場)で2019年8月20日(火)~22日(木)まで開催される「第5回エンディング産業展」に出展し、細部にこだわってリアルに“孤独死”の現実を知り、“孤独死が教えてくれたこと”をテーマにした新制作のミニチュアを展示・紹介します。新旧作品、合計で15作品ほど展示される予定です。
同社は2017年の「エンディング産業展」で「浴槽」、2018年に「ゴミ屋敷」のミニチュアを展示して大きな反響があったことから、2019年も新しいミニチュアを制作。さらに細部にこだわり、よりリアルに“孤独死”の現実を知り、孤独死が起きてしまうメカニズムをわかりやすく伝え、いつ、誰が、当事者になるかわからない時代で“ひとごととは考えられない孤独死のあった部屋”のミニチュアを展示・紹介するとしています。
世界でも注目されている日本独自の人の死に方、「孤独死」は、“日本は冷たい国”、“海外では考えられない出来事”と、ファミリー愛が強い海外では、“なぜ”と思うほど関心が強い出来事なのだそう。同社では、“なぜ孤独死は起きるのか”を考えてもらうとともに、“孤独死から教わること”に気づいてもらいたいという思いからミニチュア制作を開始したとしています。
孤独死された人が住んでいた部屋の様子は“人生という日々を必死に生きてきた証”、“達成していない事への無念”といった光景を見たことから、ミニチュアは制作され、終活をテーマにしたセミナーへミニチュアを貸し出したところ、「模型があるから自分の死に対する考えができる」「人の死のあった部屋の様子を見て今をよりよく生きることがわかった」、保険会社が行なった大家さん向けの講義に貸し出したところ、「人が亡くなった後の部屋が傷んでしまうこと」「貸し出している部屋で孤独死が起きたら…」と、考えることができたそうです。
「孤独死した人は本当に孤独だったのか?」 同社では「社会全体で助け合って、家で最後を迎えたとしても早期発見し、保険で現状回復できるようなシステム作りが必要になるのではないでしょうか?」と問いかけています。「遺品整理クリーンサービス」では現在、孤独死のあった部屋の補償を保険でカバーする商品の開発を保険会社と協議・開発中とのことです。
今回作の一作品
同社が、孤独死のあった部屋のミニチュアを作り続けて約3年が経ち、中でも一番多くの数と精巧なつくりのミニチュアは同社スタッフの小島美羽(こじまみゆ)氏が作ったものですが、同社の男性スタッフも作成しているとのこと。社員がそれぞれのテーマを持ち、思い思いの現場のミニチュアを作成することで同じ作品は存在しません。
今回展示される最新作は「人が生きてきた最後の部屋」。実際の孤独死のあった部屋を世の中に伝えたいというテーマで作成しているとのことです。実際の現場の雰囲気を精巧に醸し出せるように、最後の状況が表現されています。
病院に通ってガンという告知を受けて余生を家で過ごしたそうで、「最後は家で死にたい」という願望はかなったものの、その最後は突然襲ってくるものと、制作したスタッフは感じたそうです。お皿にはこれから食べようとしていたのだろう、焼き鳥が置いてありギャンブルが趣味だったのか専門紙も読んでいながら予想に胸を膨らませていたのかも…。
ミニチュアではリアルに再現する仕掛けもあり、、年齢問わず一人暮らしの人が食事の支度をしているときに急な発作による死もあります。そこでコンロの火がついたまま亡くなってしまう、という危険性もなくはありません。
注意喚起としてミニチュアを見れば、コンロの火がついていて心臓発作などで倒れた場合、つきっぱなしで亡くなってしまうことを表現されています。制作したスタッフは「それだけ、世の中には気をつけてもらいたいということを伝えていければと思います」と語っています。
また部屋には、故人が最後に残した遺書や娘への思いやりがありました。実際の現場には、娘と離れて暮らしていた故人が娘に当てた最後の思いやりだと思われる、メモ書きや子供を思う親の気持ちが多数あることを目撃したそうです。なお、今回は、実際の遺書の画像も展示されます。