明日17日(金)で四半世紀… ABCが「阪神淡路大震災」の映像を公開する専用サイトを創設~25年前の映像は何を伝えるのか? 文字起こしなど2020年仕様にアップデート
朝日放送グループホールディングス(ABC)が、阪神淡路大震災の発生から25年を迎える2020年1月から、防災・減災のために広く活用できるように、同グループが保有する震災映像を多様な方法で公開。その第1段階として、2020年1月10日(金)から、震災取材アーカイブ映像を公開する「阪神淡路大震災取材アーカイブ公開専用サイト」を、ABCテレビ公式ホームページ内に創設しています。
6,434人の死者を出した阪神淡路大震災から、今年で“四半世紀”。未曽有の大震災にもかかわらず、25歳以下の若者にはその記憶すらなく、「歴史上の災害」になりつつあります。この震災は、発生の瞬間と、その後の復興プロセスが映像でつぶさに記録された、世界で初めての大地震です。
ABCのライブラリーには、それを取材した貴重な映像が多く収められていますが、被災者の肖像に関する権利意識の高まりや、報道記者の若年化・視聴者の意識の変化など、さまざまな事情から十分に活用できているとは言えない状況とのこと。
これは、放送局だけでなく、研究機関や災害ミュージアムなどが共通に抱える課題で、25年前、困難な状況だったにもかかわらず、多くの被災者は、取材で投げかける質問に対して真摯に答えてくれたそうです。そして、カメラに残ったた姿や、言葉があったからこそ、今も、教訓を拾い上げることができます。
映像から読み取れる「教訓」。それを無駄にしたくない。同社では、不幸にも起こってしまった災害を「後世に伝えること」こそ、マスメディア企業の社会的責任と捉え、同社が保有する「阪神淡路大震災映像アーカイブ」の一部を、Webサイトなどで公開することにしたとのこと。
「取材に答えてくれた人々の名誉を傷つけないよう慎重かつ最大限の配慮を払いつつ、近年頻発する自然災害の『防災・減災』に活かそうとするもの」としています。
「阪神淡路大震災取材アーカイブ公開専用サイト」では、可能なかぎり動画による公開を目指すものの、取材を受けた人々の名誉を傷つけないようにするため、静止画・音声・文字など、さまざまな形での公開を模索。事前の学生ワークショップや研究会で集まった意見を最大限反映しているとのことです。
また、映像の中で被災者が発している「言葉」の中には、今後の災害でも起こりうる「教訓」が多く含まれているとして、震災を知らない世代の記者が、膨大な映像すべてを見直さなくても、その内容や現場の状況が理解できるよう、記者リポートやインタビューなどの文字起こしを行ない、アーカイブ映像の「見える化」を行なうなど、2020年仕様にアップデートされています。