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ネコ間で新型コロナウイルスが感染する研究結果を東大が発表 3ペア中3ペアでウイルスが伝播~ネコには症状はなくネコ間で広がりやすい可能性

[2020/5/14 13:06]

 東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野 河岡義裕(かわおか よしひろ)教授が14日、新型コロナウイルスはネコの間で感染伝播するという研究結果を発表しました。

 東京大学、米国ウィスコンシン大学、国立国際医療研究センター、国立感染症研究所が共同で行なったもので、日本医療研究開発機構(AMED)新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業の一環として研究成果が得られたとのことです。

 すでに、米国ニューヨーク州の飼いネコ2匹から新型コロナウイルスが検出されたほか、ニューヨーク市の動物園では、トラやライオンなどのネコ科動物で新型コロナウイルス感染が報告されていますが、感染経緯はわかっていません。

 今回の研究では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者から分離されたウイルスを、ネコの鼻腔内に接種。その後、感染ネコとの接触によってウイルスが同居ネコに伝播するのかどうかを調べたところ、3ペア中3ペアでウイルスが伝播。また、ウイルスはネコの呼吸器でよく増えることも分かったとのことです。

 また、ウイルスに感染したネコは明らかな症状を示さないこともわかったとしています。この研究結果は、新型コロナウイルスはネコに感染し、さらにネコの間で広がる可能性があることが示唆されています。

 河岡義裕教授は、「本研究成果によって、新型コロナウイルスがネコの間で広がる可能性があることが示唆されました。この成果は、行政機関が今後の新型コロナウイルス感染症対策計画を策定、実施する上で、重要な情報となる」としています。

[古川 敦]