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張本勲氏は「言葉足らずで反省しています」 TBSが日本ボクシング連盟に謝罪文~「『女性及びボクシング競技を蔑視した』と受け取られかねない部分があり、番組内で対応すべきでした」

[2021/8/13 04:22]

 日本ボクシング連盟(JABF)が12日、東京オリンピック 女子フェザー級で日本女子初の金メダルを獲得した入江聖奈選手を取り上げた、TBSテレビ系「サンデーモーニング」の2021年8月8日(日)の放送で、張本勲氏が「女性でも殴り合いが好きな人がいるんだね。見ててどうするのかな。嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合ってね。こんな競技好きな人がいるんだ」と発言した問題に、TBSから謝罪文を受け取ったと発表しました。

 謝罪文は「サンデーモーニング」の制作プロデューサーから、JABFの内田貞信会長宛てで、番組内での張本氏の発言は「日本中が沸き立つ快挙であり、この目覚ましい成果に対し『あっぱれ』との賛辞を贈り、称賛することが本意でした」としながらも、「『女性及びボクシング競技を蔑視した』と受け取られかねない部分があり、これについては本来であれば番組内で対応すべきでした」としています。

 また、張本氏のコメントも掲載され、「私は元々ボクシングが大好きで、白井義男さんやファイティング原田さんが世界チャンピオンになった時に、飛び上がって喜びました。今回、入江選手が金メダルを取った時も、飛び上がって喜んでいました。今回の私の発言は言葉が足りませんでした。入江選手の快挙を称えると共に、自分も金メダルを取れるのではと思って、ボクシングをやる女性が増えてほしいということを本当は言いたかったのです。言葉足らずで反省しています」と謝罪しています。

 今回の謝罪文について、JABFでは「当連盟からの抗議文に対して、内容を十分に汲み取った、迅速かつ真摯な対応をして頂いたと思います。当連盟は、今後も各メディアと協力し、ボクシング競技と選手たちの魅力を伝えていきたいと思います。皆様の温かいご声援をよろしくお願い致します」としています。

【全文】サンデーモーニングでの張本勲氏の発言について

2021年8月12日

一般社団法人日本ボクシング連盟
会長 内田貞信様

TBSテレビ報道局「サンデーモーニング」
制作プロデューサー 金富隆

 私どもが放送している「サンデーモーニング」8月8日放送での張本勲氏の発言に関し、貴連盟より遺憾の意を表す書面を拝受いたしました。

 張本氏の発言は、オリンピック女子ボクシングフェザー級の入江聖奈選手(日本体育大学)が金メダルを獲得したことについて、日本中が沸き立つ快挙であり、この目覚ましい成果に対し「あっぱれ」との賛辞を贈り、称賛することが本意でした。

 しかしながら、張本氏の発言の中には、ご指摘のように「女性及びボクシング競技を蔑視した」と受け取られかねない部分があり、これについては本来であれば番組内で対応すべきでした。当番組として、不快に思われたボクシング関係者や視聴者の皆さまに誠に申し訳なく存じます。

 今回の発言について、張本氏は、次のように述べています。

「私は元々ボクシングが大好きで、白井義男さんやファイティング原田さんが世界チャンピオンになった時に、飛び上がって喜びました。今回、入江選手が金メダルを取った時も、飛び上がって喜んでいました。今回の私の発言は言葉が足りませんでした。入江選手の快挙を称えると共に、自分も金メダルを取れるのではと思って、ボクシングをやる女性が増えてほしいということを本当は言いたかったのです。言葉足らずで反省しています」

 私どもとしては、コメンテーターの発言も含め、番組の姿勢が「多様性を否定する」かのように受け止められることのないよう、一層留意しながら番組作りを進めて参ります。

「女子競技は男子競技以上に、安全面に配慮されている」との貴連盟のお考えについて理解を深めながら、今後ともボクシング競技をはじめとするスポーツの素晴らしさを伝えて参りたいと存じます。

 ご理解を賜れば幸いに存じます。

[古川 敦]