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「ドラクエ」シリーズ500曲以上を全て1人で作曲したすぎやまこういち氏が死去 堀井雄二氏と鳥山明氏がコメント~現在制作中の「ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎」の作曲が最後の仕事

[2021/10/7 16:01]

 作曲家のすぎやまこういち氏(本名:椙山 浩一)が、2021年9月30日に敗血症性ショックのため死去したことが、2021年10月7日に発表されました。90歳でした。

 すぎやまこういち氏は長年にわたり、「ドラゴンクエスト」シリーズの音楽を手がけ、「ドラゴンクエスト」シリーズの500曲以上に及ぶ楽曲のすべてを1人で作曲し、現在制作中の「ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎」の作曲が最後の仕事となりました。

 スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエスト」チームは、「これからも共にご制作いただきたく思っておりましたので、誠に残念でなりませんが、『ドラゴンクエスト』の音楽は永遠に皆様の記憶の中にあり、『ドラゴンクエスト』のゲームの世界でいつまでも生き続けてまいります。すぎやまこういち氏の生前のご功績に対する心からの敬意と感謝とともに、謹んで哀悼の意を表します」としています。

 なお、葬儀・告別式は親族および近親者のみにて執り行なわれ、遺族の意向により、弔問・香典・供物・献花その他は遠慮するとのことです。後日、お別れの会を行なう予定で、日程などについては未定とのことです。

すぎやまこういち氏の経歴

 1931年4月11日、東京都生まれ。作曲家。
 高等学校在学中より作品を書き始める。東京大学を卒業後、文化放送を経てフジテレビに入社し、ディレクターとして「おとなの漫画」「ザ・ヒットパレード」「新春かくし芸大会」などの番組を手がけ、同時に作曲家としての活動を始めた。「亜麻色の髪の乙女」「花の首飾り」「恋のフーガ」「学生街の喫茶店」など多くのヒット曲、CM、アニメ、映画音楽、器楽曲、東京・中山競馬場の発走のファンファーレ、マーチなど幅広いジャンルの音楽を手掛けている。人気ゲームソフト「ドラゴンクエスト」シリーズの音楽を発売以来担当。青少年のオーケストラ入門になればと、オーケストラによる交響組曲「ドラゴンクエスト」のコンサートを各地で実施。2018年秋の叙勲にて、旭日小綬章を受章。2020年に文化功労者に選出される。

【受賞歴等】
・1988年 『交響組曲 ドラゴンクエストIII』で第30回日本レコード大賞特別企画賞を受賞
・1989年 『ドラゴンクエストIII そして伝説へ・・・』で第3回ゴールドディスク大賞企画部門受賞
・2016年 「世界最高齢でゲーム音楽を作曲した作曲家」として、ギネス記録に認定
・2018年 秋の叙勲にて、旭日小綬章を受章
・2020年 JASRAC賞「銀賞」を受賞
・2020年 文化功労者に選出
・2021年 東京2020オリンピックの開会式にて「ドラゴンクエスト」の『ロトのテーマ』が使用される

堀井雄二氏のコメント

すぎやま先生の、あまりに突然な訃報を聞き本当に残念でなりません。
ドラゴンクエストを作って35年、その世界に、すぎやま先生は音楽という命をずっと吹き込んできてくださいました。
先生には本当に 素晴らしい楽曲を いっぱい書いていただきました。
これからもドラクエは、先生の音楽とともにあります。
ユーザーの皆さんの心の中に 先生は 生き続けるはずです。
すぎやま先生 長い間 本当に ありがとうございました 。

 堀井雄二

鳥山明氏のコメント

すぎやま先生の訃報を聞き、驚いています。
つい数年前にお会いした時の印象からも
いい意味で、永遠の命を持つ魔法使いのように思っていました。

ドラゴンクエストのイメージは、
当時からゲームが大好きでいらした、すぎやま先生の
素晴らしく印象的な数々の名曲によって決定付けられた。
と言っても過言ではありません。

長くご一緒に仕事をさせていただいて本当に光栄でした!
心よりご冥福をお祈りいたします。

 鳥山明

株式会社スクウェア・エニックス 代表取締役社長 松田洋祐氏のコメント

すぎやまこういち先生の突然のご訃報に接し、謹んで哀悼の意を表します。「ドラゴンクエスト」シリーズの誕生から今日に至るまで、言葉では表せないほどの多大なご尽力を賜りました。ドラゴンクエストコンサートでオーケストラを指揮される先生のお姿が昨日のことのように思い起こされます。

これまでのご功績と、すぎやま先生が作り出された多くの素晴らしい楽曲に敬意と感謝を表しますとともに、心よりお悔やみ申し上げます。

[古川 敦]