“コロナの女王”と呼ばれた、感染症専門家 岡田晴恵の闘い続けた700日間の記録! この国の“罪と病”を明かす告白手記「秘闘 私の『コロナ戦争』全記録」が本日22日(水)発売~林真理子らから絶賛コメント
白鷗大学教授で感染症専門家の岡田晴恵さんが、この2年間の“秘められた闘い”を克明に描いた告白手記「秘闘 私の『コロナ戦争』全記録」を、新潮社から2021年12月22日(水)に刊行します。四六判384ページで、価格は1,760円(税込)。
2019年末の新型コロナウイルス発生以来、多くの報道番組やワイドショー等で解説をする日々の裏で、“コロナの女王”と呼ばれた著者は何と闘い、誰がどのような動きをしていたのか!? 尾身分科会会長、田村前厚労大臣をはじめ、コロナ対策を指揮した中心人物たちとの生々しいやり取りを描写。政権の中枢、分科会の専門家、メディアと深いつながりを持つ著者だからこそ気づけた、この国の矛盾と歪み。一人でも多くの命を救うために闘い続けた700日間の記録です。
新潮社公式サイトでは、冒頭試し読みとして、はじめに~第一章まで約80ページが無料公開されています。
岡田晴恵さんのコメント
この本を書くには勇気がいりました。覚悟も必要でした。ですが、この2年間で私が目の当たりにしてきた真実を、次世代のためにどうしても書いて残したかった。この国の未来のために、一人でも多くの人に読んでほしいと願っています。
【プロフィール】
白鷗大学教授。共立薬科大学大学院を修了後、順天堂大学にて医学博士を取得。国立感染症研究所、ドイツマールブルク大学医学部ウイルス学研究所、経団連21世紀政策研究所などを経て、現在は、白?大学で教授を務めている。専門は感染免疫学、公衆衛生学。感染症対策の専門家として、テレビやラジオへの出演、専門書から児童書、一般の方向け感染症対策書、小説などの執筆活動を通して、新型コロナウイルスを始めとする感染症対策に関する情報を発信している。
林真理子さん(作家)の推薦コメント
あの時こんな会話がなされていたのだ、こんな駆け引きが。こんな過ちが。初めて知る真実に戦慄する!
佐藤優さん(作家・元外務省主任分析官)の推薦コメント
危機管理が混乱を極めた状況での専門家の奮闘が岡田晴恵氏の視座から強い熱量で記されている。圧倒された。
本文より一部抜粋
「米国とヨーロッパからは特にダメです。まずいです、大臣、止めてください」
「でも、そこを開けたいんだよ、官邸は。経済活動のために」
「大臣、この変異ウイルスが入って拡大したら、医療も経済も両方ダメになります」
「だから、定量抗原検査をします、これはPCR並みの感度だっていうし。それで14日間は日本側の受け入れ業者の対応を徹底させて、厳格に守らせる」
「いえ、ウイルスは侵入します。あんな変異ウイルス入れたら、医療破綻します、ダメです。絶対にやめてください」
大臣室で二人きり、押し問答になっていた。膝を突き合わせるようにして話すうちに、私が厚労省時代から仕えた田村大臣は頭を抱えた。
「だいたい、岡部先生、彼は一番いいポジションですよ。泥はぜったいかぶんない。尾身先生は目立つから言われるけど、岡部先生だって、ずっと楽観視だった。『大丈夫、大丈夫』って、内閣官房参与が総理に言っていた訳ですからね」
私は、やはり岡部氏が「大丈夫」と上に入れていたのかと嫌気がさして、つい大臣に本音をぶちまけた。
「そんなふうに専門家が政治的にやっていたから、この国の意思決定がおかしくなったのじゃないですか」
大臣は答えた。
「いや、政治に長けた専門家を選んだってことがダメだったんだ。僕から見たら、どっちもどっちだよ。この30年、厚労省が岡部先生を重宝してきたんだ」
このウイルスは読めない、まさにスキルスだ。田代氏が言ったスキルスの意味がより強く響いた。厄介なウイルス。怖いウイルス。恐ろしいウイルス。先の読めないリスクをはらんだウイルスなのだ。
ワクチン政策はもちろん必要だが、やはり、それだけに頼るのは危険だ。治療薬、国防としての国産ワクチン、病床問題、それらを取りまとめて統合した政策をやっていく必要がある。
田村大臣にはもちろん説明する。来週、河野太郎ワクチン担当大臣とはワクチンの説明のために番組で一緒になる……。車の中でそう思いながら、目を固く閉じた。コロナウイルスって、ウイルス学の常識を超えるウイルスじゃないか。パンデミックウイルスとしては最悪ではないか。田代氏が帰りがけに料亭の庭で放った言葉を、水谷教授の説明を聞いて明確に理解した。
「もう、コロナが出る前の世界には戻れない」