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夏ボーナスはコロナ禍前後で支給率3.8%増加も平均支給額は13万円減少 Job総研「2022年 夏ボーナス実態調査」を発表~使い道は「預貯金」が64.0%、

[2022/7/4 15:47]

 キャリアや就職・転職全般に関する研究や各種調査を行う機関『Job総研』を運営する株式会社ライボは、734人の社会人男女を対象に実施した「2022年 夏ボーナス実態調査」の結果を発表しました。同調査では、今夏ボーナスの支給有無やその支給額の平均と中央値及び使い道、またコロナ禍前後での夏ボーナスの比較について分析しています。

コロナ禍時代の賞与推移、物価高騰時代のボーナス使途とは

Job総研 2022年 夏ボーナス実態調査

 記録的な円安や物価高騰により日本経済に大きな影響を与える昨今、社会人の賃金推移停滞を始め今後の日本経済の動向が注目される中、2022年の夏ボーナスにはどのような影響が出ているのでしょうか。2021年に実施したJob総研調査では、コロナ禍の影響を受けてボーナスの減額や廃止が7割を超える結果が出ています。

 それを受けてJob総研では、コロナ禍前の2019年夏ボーナスからの推移を含め、今夏ボーナスの支給有無やその支給額及び、使い道や貯金に回す額などについて調査した「2022年 夏ボーナス実態調査」を実施したとのことです。

調査概要

調査対象 :全国 / 男女 / 20~50代
調査条件 :1年以内~10年以上勤務している社会人
 20人~1,000人以上規模の会社に所属
調査期間 :2022年6月22日(水)~6月27日(月)
サンプル数 :734人
調査方法 :インターネット調査

今夏ボーナスの支給有無と支給額

 夏ボーナスの支給有無について、全体の70.0%が「支給あり」と回答し、その支給額の平均は57.8万円で中央値は60万円という結果になりました。また最終学歴別に今夏ボーナスの”支給有無”を見ていくと、”支給あり”の最多回答は「大学院卒」で77.8%、次いで「大学卒」が69.3%、「高校卒」が62.5%の回答結果になり、支給ありの回答が最も低かったのは「短大・専門卒」で53.6%でした。

 同じく最終学歴別で今夏ボーナスの”支給額”を見ていくと、平均額で最も高かったのは「大学院卒」で61.1万円、次いで「大学卒」54.4万円、「高校卒」41.6万円になり、最も平均支給額が低かったのは「短大・専門卒」で28.8万円という回答結果になりました。平均支給額が最も高い大学院卒と短大・専門卒では19.5万円の差がある結果となりました。

コロナ禍前後の比較

夏ボーナスの”支給有無”についてコロナ禍前後で比較すると、2019年夏ボーナスの「支給あり」が61.7%に対して、今夏(2022年)ボーナスの「支給あり」は70.0%になり、8.3%上昇した回答結果になりました。

 また”支給額”について見ていくと2019年夏のボーナス平均支給額は「70.8万円」に対して、今夏(2022年)ボーナスの平均支給額は57.8万円と、コロナ禍前の2019年夏と今夏ボーナスを比較すると、「支給あり」は上昇しているものの、「平均支給額」は低下している回答結果になりました。

今夏ボーナスの使い道

 今夏ボーナスの使い道について聞くと「預貯金」が最多回答で64.0%、次いで「買い物」が38.7%、「投資」が32.7%がトップ3に。また貯金に回す額について聞くと、「ほぼ全額貯金」が35.0%、「半分以上を貯金」が33.1%で、全体の68.1%が今夏ボーナスを半分以上貯金すると回答しました。貯金に回す具体的な金額についても聞くと、平均43.2万円の結果となっています。

 ボーナスの有無によるモチベーションの影響について聞くと、「影響する」が66.4%と「どちらかというと影響する」22.2%を合わせると88.6%が影響するという回答に。また今夏ボーナスの納得度については「納得できる」34.9%と「やや納得」37.6%を合わせると、72.5%が納得しているという結果になりました。

回答者コメント

・契約社員でボーナス支給なしです。正社員以外にも支給する企業が増えて欲しいと思う
・コロナ禍で生活に不安もある中ボーナスが支給されるのはありがたいです
・良くも悪くもコロナの影響がなくボーナスが安定してもらえる会社の有り難さをここ2年で感じた
・コロナ禍で業績に変動はありましたが、「コロナ支援金」の名目でボーナスが出た
・コロナの感染爆発真只中にはボーナスがカットされましたが、今年は支給されました

調査まとめ

 今回実施した「2022年 夏ボーナス実態調査」では、7割が今夏ボーナス「支給あり」と回答し、コロナ禍前の2019年夏ボーナスと比較して3.8%上昇する結果になりました。一方具体的な支給額では2019年と比較して13万円減少している回答結果から、コロナ禍に入りボーナス支給額を減少させて、”コロナ支援金”を名目にしたボーナス支給や一時金などを開始した企業により、支給率が上昇するも、支給額が減少した要因の1つとして推測できます。

 またボーナスの使い道で「預貯金」が最多回答になり、7割の回答者が「半分以上を貯金に回す」という回答から、昨今の円安をはじめとする様々な要因による物価高騰の情勢を鑑み、消費に対して消極的になっているということも推測でき、不安定な日本経済に貯金を選択する回答が顕著に見られました。

[石岡宣慶]