ライフ

今年はテレビ放送開始70年。今こそ見たい! あの「映像の世紀」の原点、1995年のシリーズ11集を本日27日(金)深夜からすべて再放送~最新のデジタル技術で鮮やかに蘇る!

[2023/1/27 18:49]

 今年はテレビ放送開始70年。NHK総合が、1995年に放送した「映像の世紀」の原点、1995年のシリーズ11集すべてを最新のデジタル技術で鮮やかによみがえらせ、2023年1月27日(金)24時25分から再放送します。放送後はNHKプラスでも配信されます。

 20世紀は人類が初めて歴史を「動く映像」として見ることができた最初の世紀。映像は20世紀をいかに記録してきたのか。世界中に保存されている映像記録を発掘、収集、そして再構成した画期的なドキュメンタリーのシリーズ。活字とはひと味違った映像ならではの迫力と臨場感あふれる映像で、20世紀の人類社会を鮮やかに浮き彫りにします。


  • ・1月28日(土)午前0:25~午前1:40(75分)
     映像の世紀(1) 「20世紀の幕開け~カメラは歴史の断片をとらえ始めた~」

      第1集は、映像の誕生から第1次世界大戦前まで。ヨーロッパ王朝の最後の姿である。19世紀末から第一次世界大戦前までの時代をたどり、20世紀初頭は、世界を支配していた王朝国家が、いずれも最後の時を迎えていた時代。発明されたばかりの動く映像は、ロシアのロマノフ王朝、ハプスブルク家、列強に支配された清王朝など王朝の終えんを記録。晩年のルノワール、トルストイ、ダンサーのイサドラ・ダンカンなどが、貴重な映像とともに、時代の証言者として登場します。


  • ・1月28日(土)午前1:40~午前2:56(76分)
     映像の世紀(2) 「大量殺戮の完成~塹壕の兵士たちはすさまじい兵器を見た」

      第2集は第一次世界大戦、機関銃や戦車などの殺りく兵器が次々と登場した。1914年に始まった第一次世界大戦は、その全貌が動く映像に記録された史上初めての戦争。その映像からは、この大戦で20世紀の戦争のシステムが作られたことを語っています。戦車、空爆、毒ガス兵器、長距離砲、潜水艦など、国家が総力を挙げて開発した新兵器が登場。「クリスマスには帰ってくる」と口々に言って、戦場に赴いた兵士たちは、狭い塹壕の中、大量殺りく兵器の前になすすべもなく命を落としていった。


  • ・1月29日(日)午前0:50~午前2:05(75分)
     映像の世紀(3) 「それはマンハッタンから始まった」

      第3集は1920年代、大衆文化が花開いたアメリカの繁栄と奈落。第一次世界大戦で国力を使い果たしたヨーロッパに代わり、世界のリーダーに躍り出たアメリカの空前の好景気の時代を描きます。ジャズや野球、ボクシングなど大衆文化、モータリゼーション、スキャンダリズム、移民社会と排他主義、そして拝金主義と好景気の果てに待っていたのは、大恐慌。ベーブ・ルース、ジャック・デンプシー、ジョージ・ガーシュイン、デューク・エリントンなどのスーパースターも続々登場します。


  • ・1月29日(日)午前2:05~午前3:21(76分)
     映像の世紀(4) 「ヒトラーの野望~人々はナチスに未来を託した~」

      第4集は1930年代、大恐慌が世界を襲い、ヒトラーが登場した。大恐慌が世界を襲った1930年代。行く先が見えず、人々の不安を背景に登場したのが、ヒトラーやムッソリーニ、スターリンなど強力な独裁者たちだった。中でもヒトラーは、第一次世界大戦に敗れ、絶望していたドイツ国民の熱狂を集め、最も巧みに映像を利用して人々の心をとらえた指導者だった。プロパガンダ映像からは、その演説テクニック、大衆操作の戦術などが臨場感豊かに伝わってきます。


  • ・1月31日(火)午前2:11~午前3:28(77分)
     映像の世紀(5) 「世界は地獄を見た 無差別爆撃、ホロコースト、原爆」

      第5集は、第2次世界大戦。フィルムに焼き付けられた衝撃の映像の連続である。目的のためには手段を選ばず、無防備の市民も攻撃するという第2次世界大戦は、無差別爆撃、ホロコースト、そして原爆という地獄をもたらしました。大量破壊兵器による殺りく、“絶滅戦争”となった独ソ戦、太平洋の島々での日米の死闘、アウシュビッツのおびただしい遺体、そして戦後解放されたパリではドイツに協力した人々へのリンチの嵐が起きる。戦争とはいかに人間を狂わせるのか、決して忘れてはならない人類の記憶。


  • ・2月1日(水)午前2:00~午前3:15(75分)
     映像の世紀(6) 「独立の旗の下に アジアは苦難の道を歩んだ」

      第6集は、植民地支配からの独立運動を戦う指導者たちの苦悩の軌跡を描く。第2次世界大戦で日本が敗北すると、アジアの人々は悲願だった祖国独立に立ち上がった。インドのガンジー、中国の毛沢東、ベトナムのホー・チ・ミン。しかし、彼らの前に大きな壁が立ちはだかる。権力闘争、内戦、宗教対立、旧宗主国との戦争。アジアの指導者たちの苦悩と闘争の歴史が発掘映像でつづられます。アジアは、屈辱の時代をどう生き抜き、戦後独立を果たすことができたのか、幾度も挫折を繰り返した壮絶なアジア映像史。


  • ・2月2日(木)午前1:15~午前2:30(75分)
     映像の世紀(7) 「勝者の世界分割~東西の冷戦はヤルタ会談から始まった~」

      第7集は、戦後世界の枠組みを作り、その後多くの悲劇を生んだヤルタ会談。世界は再び戦火に覆われていく。1945年2月、3人の連合国首脳が黒海沿岸の保養地ヤルタに集結。ルーズベルト、チャーチル、スターリン。この3人に人類の運命は委ねられました。ドイツは分割占領され、ソ連の対日参戦が決定し、日本軍捕虜のシベリア抑留、朝鮮半島の分割という悲劇をもたらす。東欧では強引な共産化が推し進められ、アメリカでは赤狩りが猛威を振るい、そして、冷戦は、米ソの原爆実験にエスカレートし、ついに朝鮮戦争で火を噴きます。


  • ・2月2日(木)午前2:30~午前3:44(74分)
     映像の世紀(8)「恐怖の中の平和~東西の首脳は核を背負って対峙した~」

      第8集は東西冷戦の時代、冷戦は世界を二分し民族を引き裂き、核軍拡競争は、人類を破滅の危機に追い込んだ。世界にテレビが普及し始め、ニュース映像は分断と対立の時代を記録。ソ連のフルシチョフ首相が失脚後にひそかに録音した「回想録」を軸に米ソの攻防をたどります。スターリンの死、韓国駐留米軍を慰問するマリリン・モンロー、エルビス・プレスリーの登場、スプートニクショック、アメリカの核実験による第五福竜丸の悲劇、西ベルリンへの命がけの脱出などの映像を交えつつ、キューバ危機で人類が破滅の淵に立つまでが描かれます。


  • ・2月3日(金)午前1:20~午前2:35(75分)
     映像の世紀(9)「ベトナムの衝撃~アメリカ社会が揺らぎ始めた~」

      第9集は、ベトナム戦争によって大きく揺らぎ始めたアメリカ社会。戦場の映像は、国家のうそを暴いていった。ベトナム戦争は、テレビがお茶の間に本格的に伝えた初めての戦争でした。ケネディ暗殺後、アメリカがベトナムに深入りする一方で、人々は繁栄の裏に巣くう貧困や差別に怒りをたぎらせ、キング牧師が率いた公民権運動が燃え上がり、若者の間ではウッドストックやヒッピーなどのカウンターカルチャーが花開きました。ベトナム介入から撤退まで、“自由と正義の国”という神話が崩壊した1960年代のアメリカ社会の変貌を追います。

  • ・2月3日(金)午前2:35~午前3:49(74分)
     映像の世紀(10)「民族の悲劇果てしなく~絶え間ない戦火 さまよう人々~」

      第10集は、国家や民族、宗教の対立から生まれる難民の悲劇を描く。冷戦が終結し、世界に再燃した民族紛争や内戦は、再び膨大な数の難民を生み出しました。その数3千万人。二度の世界大戦、独裁者の圧政、宗教対立…。セルビア人とクロアチア人の終わりなき民族対立。ナチスに虐殺されたユダヤ難民、そのユダヤ人に追われたパレスチナ難民、大国の代理戦争の犠牲となったインドシナ難民。20世紀はまさに「難民の世紀」。映像には、逃げ惑い、語る力さえ失った難民の姿が映し出されます。


  • ・2月4日(土)午前0:25~午前1:40(75分)
     映像の世紀(11)「JAPAN~世界が見た明治・大正・昭和~」

      最終集は、明治から、大正、昭和と、日本が世界にどう伝えられたかを描く。20世紀の初め、日本は国際社会の一員としての地位を確立。日露戦争での勝利をきっかけに表舞台に立ち、その後の韓国併合、シベリア出兵、満州国建国へと突き進みます。さらに太平洋戦争、敗戦、占領から戦後復興へと至る日本の歩みは、どのように世界に伝えられたのか。外国人のカメラマンが記録した明治末期から昭和20年代末までの映像と外国人が残した記録を軸に、世界が見つめた「JAPAN」が描かれます。

[古川 敦]