日テレ系列の日本海テレビの元経営戦略局長が「24時間テレビ」の寄付金を10年にわたって264万6,020円着服 「皆様の浄財が着服されるのを10年間、見落としてしまいました」と謝罪
日本テレビ系列の日本海テレビジョン放送株式会社が28日、同社の元経営戦略局長が総額1,118万2,575円を着服していたことがわかったと発表しました。264万6,020円はチャリティー番組「24時間テレビ」に寄せられた寄付金から、また853万6,555円は売上金など同社の資金から着服したもので、同社では元局長を2023年11月27日付で懲戒解雇し、11月28日に鳥取県警鳥取署に被害を届け出たとのことです。
同社では「寄付金の着服は、一般の皆様から寄せられた善意を踏みにじって私腹を肥やした行為で、到底許せない」とし、「責任をもって保管すべき皆様の浄財が着服されるのを10年間、見落としてしまいました。ご寄付いただいた皆様をはじめ、ボランティアで活動にご協力くださった皆様、同番組に関わる皆様、ご関係の皆様に深くおわび申し上げます。公共の電波をお預かりする立場として、あってはならない事態を引き起こしました。まことに申し訳ありませんでした」と謝罪しています。
同社の調査では、元局長は「24時間テレビ」の募金終了後、金融機関へ運ぶまで、鳥取市の本社内で保管していた紙幣や貨幣から、周囲の目を盗んで一部を持ち出し、自分の銀行口座に入れていたとのことです。
【「24時間テレビ」の募金からの着服額】
2014年 50万2,400円
2015年 32万9,000円
2016年 34万8,800円
2017年 45万円
2018年 30万円
2019年 29万9,000円
2020年 23万4,100円
2023年 18万,2720円
元局長は11月初め、同社への税務調査で同社資金の着服が発覚するのを恐れ、自ら同社に申告。社内調査で「24時間テレビ」寄付金の着服もわかったとのことです。
動機については、「最初の不正の2014年当時、親族のために金を用立てる必要があった。そのころ、会社に着服しても発覚しにくい入金があり、思いついた」などと言っており、後輩らを連れてよく飲み歩き、スロットも好きだったといい、こうした金に使ったと同社は見ているとのことです。
これまでに448万4200円が返還されており、残金も弁済すると話しているとのことで、同社では着服された寄付金全額は、責任をもって24時間テレビチャリティー委員会に届けるとしています。
同社代表取締役会長の田口晃也氏は辞任し、同社長の西嶌一泰氏の報酬を返上するとしています。
【全文】弊社元幹部社員の不正について(プレスリリース)
弊社の元経営戦略局長が、弊社の売上金など総額1118万2575円を着服していたことがわかりました。うち264万6020円はチャリティー番組「24時間テレビ」に寄せられた寄付金から、また853万6555円は売上金など弊社の資金から着服したものです。
寄付金の着服は、一般の皆様から寄せられた善意を踏みにじって私腹を肥やした行為で、到底許せず、弊社は11月27日付で元局長を懲戒解雇とし、28日に鳥取県警鳥取署に被害を届け出ました。
弊社は責任をもって保管すべき皆様の浄財が着服されるのを10年間、見落としてしまいました。ご寄付いただいた皆様をはじめ、ボランティアで活動にご協力くださった皆様、同番組に関わる皆様、ご関係の皆様に深くおわび申し上げます。公共の電波をお預かりする立場として、あってはならない事態を引き起こしました。まことに申し訳ありませんでした。
弊社の調査では、元局長は「24時間テレビ」の寄付金から、14年に50万2400円、15年に32万9000円、16年に34万8800円、17年に45万円、18年に30万円、19年に29万9000円、20年に23万4100円、23年に18万2720円を着服しました。募金終了後、金融機関へ運ぶまで、鳥取市の本社内で保管していた紙幣や貨幣から、周囲の目を盗んで一部を持ち出し、自分の銀行口座に入れていました。
着服の被害者は寄付を寄せてくださった皆様であり、弊社は元局長を鳥取署に告発することも検討しています。
弊社資金の着服は、14年6月~21年3月に計8回、行っていました。
15年5月、原局のミスで重複申請された支払い案件で、削除すべき1件(106万2072円)も入金したようにデータを改竄。21年2月、弊社負担の役員定期保険のうち、次年度で退職する取締役の分(329万2668円)は支払い不要なのに払ったように偽装などの方法で、いずれも元局長の口座に入金したと話しています。
元局長は11月初め、弊社への税務調査で弊社資金の着服が発覚するのを恐れ、自ら弊社に申告。社内調査で「24時間テレビ」寄付金の着服もわかりました。
動機については、「最初の不正の2014年当時、親族のために金を用立てる必要があった。そのころ、会社に着服しても発覚しにくい入金があり、思いついた」などと言っています。後輩らを連れてよく飲み歩き、スロットも好きだったといい、こうした金に使ったと、弊社は見ています。
448万4200円をこれまでに返還しており、残金も弁済すると話しています。着服された寄付金全額は、責任をもって24時間テレビチャリティー委員会にお届けいたします。
元局長は、1994年弊社入社。経理部、東京支社、本社営業推進部を経て、2014年4月に経理部次長。17年4月に経理部長、22年6月に総務局長兼経営計画部長(総務局と経営計画部は23年4月に経営戦略局と経営企画部に改称)。
今後、弊社は再発防止に全力をあげるとともに皆様のお役に立つチャリティー活動などに従来以上に積極的に取り組むなどし、信頼回復に努めてまいります。
弊社代表取締役会長の田口晃也、同社長の西嶌一泰の責任は重大であり、田口は辞任し、西嶌は報酬を返上します。
弊社コメント
日本海テレビジョン放送株式会社代表取締役社長・西嶌一泰(にしじま かずひろ)
「皆様の善意を裏切る行為を幹部社員が行ったことについて、浄財を寄付してくださった皆様、ボランティアで活動にご協力いただいた皆様、同番組に関わる皆様、ご関係の皆様に深くおわびを申し上げます。まことに申し訳ありませんでした。弊社は再発防止策と社員教育を徹底するとともにチャリティーをはじめ皆様のお役に立てる活動にこれまで以上に積極的に取り組むなどし、信頼回復に努めてまいります」