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来春の朝ドラ「あんぱん」のやなせたかし役が北村匠海に決定 やなせたかしと小松暢夫婦をモデルに、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでを描く

[2024/4/26 11:54]

 NHKが26日、2025年度前期 連続テレビ小説「あんぱん」の柳井嵩(やない・たかし)役を北村匠海さんに決定したと発表しました。

 戦後80年を迎える2025年、第112作目の連続テレビ小説「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したやなせたかしさんと小松暢さんの夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった二人の人生、何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでが描かれます。主演は、今田美桜さん。

 北村匠海さん演じる、柳井嵩は、幼少期に新聞社の特派員だった父を亡くして伯父の家に引き取られ、転校先の学校でのぶに出会います。若い頃から漫画や絵を愛し、製薬会社の宣伝部に就職するも、徴兵され戦争に出征することになります。戦後、高知の新聞社でのぶと再会。のぶを追って上京後、百貨店の宣伝部での勤務を経て、のぶの後押しもあり思いきって漫画家として独立し、様々な活動をしていくようになります。

 なお、実在の人物である、やなせたかし(1919―2013)をモデルとしていますが、激動の時代をのぶと生きた波乱万丈の物語として大胆に再構成されます。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描かれ、原作はありません。

【北村匠海さんのプロフィール】
東京都出身。2008年に映画『DIVE!!』で俳優デビュー、2011年には4人組バンド「DISH//」を結成。
映画『君の膵臓をたべたい』で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な出演作にドラマ『仰げば尊し』『にじいろカルテ』『名探偵ステイホームズ』、『星降る夜に』、『アンチヒーロー』、映画『アンダードッグ』、『さくら』『明け方の若者たち』、『とんび』、『東京リベンジャーズ』シリーズ、『法廷遊戯』などがある。また、昨年配信された実写ドラマ『幽☆遊☆白書』では全世界で大ヒットを記録した。連続テレビ小説は今回が初出演になる。

制作統括・倉崎憲チーフプロデューサーのコメント

 皆さんはやなせたかしさんにどんなイメージを持たれているでしょうか?『アンパンマン』を生み出した漫画家、ハットやベレー帽をかぶった優しそうな人…きっと多くの人がイメージするのは、晩年のやなせさんかと思います。取材を重ねるなかで、彼の人生の数々の原体験、“喜怒哀楽”の全てが、『アンパンマン』に結びついているのだと改めて感じ、若い頃からちゃんと描きたいという想いになりました。

 ヒロインと同様に、毎朝ずっと観たくなるような人って誰だろうと考えて真っ先に思い浮かんだのが、北村匠海さんです。役者としてだけでなくアーティスト活動含めご活躍されていながらも、ずっと新鮮さも保ち続けている唯一無二の存在です。北村さんと初めてお会いしてじっくりお話させていただいた時に、彼の思考の深さに驚きました。ライブでも歌っている瞬間だけでなく、MCで観客に語りかけていたその言葉一つ一つに、彼にとって“生きる”ことへの想いが、静かに、でも確実にあふれていました。そんな彼の姿勢に触れるたびに、やなせさんが作詞を手がけた「手のひらを太陽に」や「アンパンマンのマーチ」の詩ともどこかリンクする部分も感じ、北村さんと共に挑んでみたい気持ちになったのです。

 今田美桜さんと北村匠海さんのコンビを、今から楽しみにお待ちいただけたら幸いです。

物語

 昭和のはじめ頃、高知の町中をものすごい勢いで走る少女がいました。「ハチキンおのぶ」こと、朝田のぶ(あさだのぶ)です。一方、幼い時に父を病気で亡くした柳井嵩(やないたかし)は、叔父の家に引き取られ、そこでのぶに出会います。二人を結びつけたのは、一個のあんぱんでした。

 戦争の足音が近づく頃、女学校に通っていたのぶは周りと同様に、妄信的な軍国少女になっていました。やがて戦争が始まり、嵩は出征。嵩は弟・千尋(ちひろ)を戦争で亡くし、のぶも最愛の人を亡くしました。女学校を卒業し、のぶは戦争で全ての価値観が変わり、「何が正しいかは自分で見極めなければならない」と新聞社に。

 女性初の記者として就職。戦後、クズ拾いの仕事を辞めた嵩が新聞社に入社してきて、二人は同じ雑誌の担当に。嵩は東京で漫画家を目指したい気持ちがありつつも、生活していけるか不安でした。のぶはそんな嵩に「あなたも後から来なさいよ。先に東京に行って待っているわ」と告げ、新聞社を辞め上京。のぶを追いかけ上京した嵩と、六畳一間のオンボロアパートでの生活が始まります。お風呂はなくトイレは共同。天井には穴があき、雨の日は傘をさして入らなければいけないが、晴れた夜には星が見える。

 そんな暮らしをおもしろがり、「どんな環境でも楽しめるこの人と一緒にいたい」と二人は結婚。『手のひらを太陽に』『アンパンマン』が世に出るのは、まだまだ先のことです──。

2025年度前期 連続テレビ小説「あんぱん」概要

放送予定:2025年春
制作スケジュール:2024年初秋 クランクイン予定
作:中園ミホ
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、ほか

[古川 敦]