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今くるよさんが膵癌のため死去 2022年4月「伝説の一日」が最後の舞台

[2024/5/28 17:52]

 吉本興業が28日、同社所属の今くるよさん(いま・くるよ、本名・酒井スエ子、さかい・すえこ、年齢非公表)が2024年5月27日(月)、膵癌のため、大阪市内の病院で逝去したと発表しました。通夜は5月30日(木)19時、葬儀告別式は5月31日(金)13時に執り行なわれる予定です。なお、自宅住所、喪主は非公表。通夜・葬儀告別式への一般の方の参列や、メディアの取材は固く辞退し、お別れ会の予定も現在のところないとのことです。

 今くるよさんは、京都市出身。1970年に今喜多代に弟子入りし、その後、高校時代の同級生で同じソフトボール部だった今いくよさん(2015年5月に逝去)と「今いくよ・くるよ」を結成。細身で濃いめのメークとつけまつげがトレードマークのいくよさんと、ふくよかな体系に派手な衣装のくるよさんがお互いのルックスやファッションなどをネタに、体を張った軽妙な掛け合いで人気を集めました。1980年代の漫才ブームにのって一世を風靡し、その後も女性漫才師のパイオニアとして、劇場やテレビ番組、CM、映画など多方面で活躍しました。

 後輩たちに舞台衣装の靴やスーツをプレゼントしたり、食事をごちそうしたりと、後輩思いの一面もあり、お腹をポンとたたくしぐさや、両手を顔の前で交互に前後し「どやさ」という言葉は、くるよさんを慕う後輩たちがこぞってマネをし、くるよさんの代名詞的なギャグになりました。

 1981年「上方お笑い大賞」金賞、1982年「花王名人大賞」最優秀新人賞、1984年「上方漫才大賞」大賞を受賞するなど、数々の賞を受賞。また、関西演芸界の発展と振興に貢献したとして、2023年に今いくよ・くるよで「第26回上方演芸の殿堂入り」を受賞しました。

 近年は、いくよさんが亡くなった後、ユニットを組んだこともある中川家ら後輩の活躍を楽しみに過ごし、2022年4月、なんばグランド花月で開催された吉本興業創業110周年特別公演「伝説の一日」に出演したのが最後の舞台になりました。

[古川 敦]