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三菱UFJ銀行の支店の店頭業務責任者が貸金庫から十数億円相当を窃取 練馬支店と玉川支店で約4年半にわたって約60名から

[2024/11/22 23:26]

 三菱UFJ銀行が22日、行員が貸金庫から利用者の資産を窃取するという事案が発生したと発表しました。同行は「本件を厳粛に受け止め、深く反省するとともに、お客さまならびに関係者の皆さまに心よりお詫び申し上げます」と謝罪しています。なお、行員は自身の行為を認めており、既に懲戒解雇しているとのことです。

 資産の窃取は、練馬支店(2022年6月6日付で練馬支店に統合した旧江古田支店を含む)・玉川支店の2か店で行なわれたとのこと。同行では、現在、事案の全容解明に向け、警察にも相談しながら、事実関係の調査を進めるとともに、監督官庁などに報告を行なっているとしています。

 また、元行員の供述に基づき、被害が発生した可能性が高い契約者には、事案発覚直後から個別に連絡の上、被害有無の確認を依頼しており、被害が確認された契約者には、改めて謝罪するとともに、今後、真摯に補償を実施していくとのことです。

 また、今回の件を踏まえ、外部の弁護士にも調査方法を相談の上、練馬支店(旧江古田支店からの移設分を含む)・玉川支店の全貸金庫、さらに、2支店以外の全店の貸金庫に関して、同様の被害が発生していないかの緊急点検を実施。点検の結果、該当の2支店以外では同様の被害は確認されていないとのこと。また、点検に加え、同様の方法による被害が発生しないよう、必要な手当を実施済みとしています。

 同行の貸金庫は、契約者に無断で開扉することができないよう、厳格な管理ルールを定めており、第三者による定期チェックの仕組みも導入していたものの、未然防止に至らなかったとのこと。事案発覚直後に直ちに対策本部を設置し、事案の全容解明に向けた調査とともに、なぜこのような事案を未然防止できなかったのかの原因究明を進め、今後、被害補償、真因分析に基づく再発防止に向けた取り組みなどの検討も速やかに進めるとしています。

 同行では「本件は信頼・信用という弊行のビジネスの根幹を揺るがす事案であり、ご迷惑をおかけしたお客さまへのご対応と、弊行を信頼いただいている全てのお客さまのご不安払しょくを最優先に取り組んでまいります」としています。

【現時点で判明している概要】
発覚日:2024年10月31日(木)
元行員の属性:支店の店頭業務責任者
該当支店:練馬支店(旧江古田支店を含む)、玉川支店の2か店
期間:2020年4月~2024年10月の約4年半
被害状況:
 対象は該当支店の貸金庫契約者の内、約60名
 被害総額は時価十数億円程度
  ※元行員の供述に基づく被害状況であり、調査継続中
方法:元行員は支店の貸金庫の管理責任を担う立場にあり、その立場を利用し、契約者の金庫を無断開扉し、資産を窃取

[古川 敦]