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放送前日に容疑者逮捕 NHKが「未解決事件 File.04『逃亡犯へ~遺族からの言葉~』」を本日1日(土)放送~QRコードで視聴者からの情報提供を受け付け。ゲストは壇蜜さん、江川紹子さん、元警察庁長官の金髙雅仁さん

[2025/11/1 18:23]

 NHK総合で、「未解決事件 File.04『逃亡犯へ~遺族からの言葉~』」が2025年11月1日(土)22時~22時54分に放送されます。「NHK ONE(新NHKプラス)」で同時配信・11月8日(土)まで見逃し配信予定です。

 未解決の殺人事件は、全国で約380件。今回の「未解決事件」は、通常のドキュメンタリー形式とは異なり、未解決の殺人事件の被害者の家族や友人をスタジオに招き、遺された人々の思いにフォーカスし、視聴者に情報提供を呼びかける特別編。事件の記憶をもういちど刻み、埋もれた情報を掘り起こします。ゲストは、葬祭業に従事した経験を持ち、多くの遺族の思いに触れてきた壇蜜さん、ジャーナリストの江川紹子さん、元警察庁長官の金髙雅仁さん。

 今回の番組では、1999年に名古屋市西区で起きた主婦殺害事件の遺族(夫)の高羽悟さん、そして2022年の「別府ひき逃げ殺人事件」で亡くなった大学生の友人・弘樹さん(仮名)を取材。スタジオで率直な心境を語ります。

 「どんな顔をしているのかわからない犯人に、いつまでも枕を高くして熟睡できないようにしないといけないと思う。どういう理由で自分の家族が殺されたかを知りたい。間違えていてもいい、情報があったら、誰か通報しているだろうと思わずに一報いただければと思う」― 高羽悟さん

 「(事故で割れたバイクのエンブレムを持ち)亡くなった彼のことを思い出したり、その時のことを振り返りながら、自分だけは絶対に忘れてはいけない。彼のことも忘れたくない。彼の人生の分も僕が背負っていくつもりで二人三脚で自分の人生を生きたいと思う」― 弘樹さん

 高羽さんは26年間、事件が発生した部屋を借り続け、血痕を当時のまま保管し、風化を防ぐ活動を続けています。一方、弘樹さんは「自分しか話せないことがある」と前に立ち、亡き友のために声を上げる決意。また、VTRに出演する、2009年に起きた「熊谷ひき逃げ事件」で当時小学校4年生の息子を亡くした母・小関代里子さんは、10万台以上の車輌情報を記録し続け、警察に情報提供を行なっています。「犯人にも大切な家族がいるなら、真実を話し自首して欲しい」と訴えます。

 そして今回の番組では、放送時に表示するQRコードで視聴者からの情報提供を受け付けます。時効の壁、記憶の風化、捜査の限界と向き合いながら、犯人に言葉を投げかけ続ける遺族や被害者たち。彼らの声に焦点を当て、事件の背景や捜査の課題、そして情報提供の意味を掘り下げます。

壇蜜さんのコメント

 未解決を放送する理由は、忘れて欲しくない、風化させたくないという色んな人の思いが入っています。もちろん被害に遭われた方々の思いは一番強いと思います。忘れられるというのは解決しないということです。
見ている人ひとりひとりが忘れないということが、解決のチャンスを逃さない一番の方法だと思っています。番組をご覧になって頂いてこういうことがあった、忘れてはいけないということを再認識するような時間であってほしいと思います。

江川紹子さんのコメント

 未解決事件は許されない。でもそれが起きることを前提に、どうすればいいのかということを考えないといけないのではないかと思います。事件ゼロを目指すけれども、起きてしまう未解決事件をどうするか。どう向き合っていくのか。「ひとごとじゃないよ」という認識を持つことが大事かもしれないですね。

[古川 敦]