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ブログでベッキーさんを擁護し、川谷さん妻を非難していた長谷川豊アナが“前言撤回”で炎上

[2016/2/5 08:02]

 公式ブログ「本気論 本音論」でベッキーさん擁護論を展開し、合わせて「ゲスの極み乙女」川谷さんの妻を非難していたアナウンサーの長谷川豊さんが、2月4日付けで「情けない限り…」というエントリーを投稿。2月2日のブログで予告していた「ベッキーさん本人の直筆のメッセージ」の公開は無くなったと明かして炎上しています。

 長谷川豊さんは、2月2日付けのブログ「1月に起きた3大騒動はネットリテラシーの視点からは『教科書』のような騒動である ~ベッキー騒動の裏側を全部話す~」で、以下のように書いていました(現在は削除済み)。

 「一つだけ言っとくと、今晩か明日…明日かなぁ…直筆か何かで『対応』があると思いますよ?」、「それ読んで、私を叩いてた連中はみんな反省して下さい。どれだけ『誤解したまま攻撃してたか』理解してほしいと思います。」

 ところが、2月4日公開のエントリー「情けない限り…」では、予告したベッキーさん直筆の「対応」は無くなったとして、「不正確で不確かな情報を提供する形となってしまったことは完全に私のミスです。」と謝罪。

 その上で、「もう…あまり、この件に関しては、これ以上言及することは避けたいと思います。」とベッキーさんの騒動についての発言は終わりにすると表明しました。

過去のエントリーもあちこちを修正・削除

 2月1日のブログ「1月に起きた3大ニュース ~ベッキーさん騒動を整理しておく~」では、週刊文春で報じられたLINEの会話の出元は川谷さんの妻しかいないと断定。その上で、この行為は不正アクセス法違反にあたるとして、「ゴリッゴリの犯罪行為です。刑事事件なんです。」と川谷さんの妻を犯罪者呼ばわりしています。

 「彼女はもう多く言われているように、クローンiPhoneを制作してラインの画面を抽出しているのです。あ、諸説ある、とか面倒くさいこと、もう言う気はありません。私自身、様々な取材をしている身なのでハッキリ言いますけど、あのラインの画面の流出元が彼女以外いないことくらい、みなさんだって分かってるはずなので、言いきっちゃいます。あのラインの画面を文春さんに持ち込んだのは当然、奥さんです。」

 ちなみに上記の文は、現在、以下のように修正され、断言から推定へとトーンを変えています。

「彼女はもう多くの芸能人もテレビなどで話をしているように、クローンiPhoneを制作してラインの画面を抽出していると捉えざるを得ない状況があまりにも多すぎるのです。みなさんだってそう思っているはずなので言いきっちゃいます。あのラインの画面を文春さんに持ち込んだのは当然、奥さんだと推定されます。少なくとも私はそう断言したい思いです。」

 元の文を見ると、長谷川豊さんは流出元が川谷さんの妻であるという確固たる証拠を握っていたように読めるのですが、後でトーンを変えているところを見ると、断定できる証拠というほどのものは持っていなかったようです。

 また、2月2日のブログ「1月に起きた3大騒動はネットリテラシーの視点からは『教科書』のような騒動である ~ベッキー騒動の裏側を全部話す~」では、ネットリテラシーについて語る中で、ベッキーさんをネットで叩いている一般人を「世の中の流れが出来上がり始めた段階で、単純に『それに乗っかって大騒ぎするのが楽しいだけのバカ』」、「ただの社会不適合者たち」と批判。

 「同調している自分に安心したいだけの連中」で、「ベッキー叩きをしている日本人は『戦争をするタイプの人間』なのです」とまで決めつけていました。

 一方で、「大阪で『クギズケ!』という人気番組を担当している以上、適当な発言は出来ません。なので放送を見ている人は当然知っているでしょうが、私がベッキー騒動の担当になっている以上…最低レベル以上の取材は当然やっています。」と十分な取材のもとにブログを書いているとしていました。

 ところが、ベッキーさんの直筆メッセージはなくなったと謝罪すると同時に、2月1日のブログで書いていた、週刊文春が報じた「『友達で押し通す予定』というラインは存在しない。この1文はねつ造のはずです。」という一文も削除。こうした過去のエントリーの“改ざん”もネットで批判の的になっています。

ベッキーさんを擁護するはずが逆効果に

 長谷川豊さんのブログでは、ベッキーさんを叩くネット民も非常に強い調子で批判し、「社会不適合者」などと馬鹿にしたことや、自分の取材には自信をもっていることが語られていたことで、前言撤回をきっかけにネット上では長谷川豊さんに対する批判が噴出。

 「嘘つきはベッキーと長谷川の始まり」、「自分の情報リテラシーも欠落してるのに、偉そうに上からリテラシー云々語る資格ねーよ…」、「信じられないかもしれませんが、自分のブログで『ネットリテラシーを持て』『フェーズゼロを見抜け』『嘘情報に踊るな』とご高説垂れていた張本人が一番デマに釣られていた」など、自ら招いたこととはいえ、さんざんな言われようです。

 「ガセ川」「スーパーフリーアナウンサー」などという有り難くない愛称も付いてしまったようです。

クローンiPhone=不正アクセスにはならない可能性

 ちなみに、長谷川豊さんは、川谷さんの妻が「クローンiPhoneを制作してLINEを盗み見ていた=不正アクセス禁止法違反の犯罪」と考えているようですが、クローンiPhoneを見ていたとしても、不正アクセスしたといちがいには決めつけられません。

 川谷さん自身が、機種変更の際に旧機種をバックアップして、新機種にそのバックアップをコピーした場合にも、やはりクローンiPhoneはできてしまいます。この場合、旧機種が本体パスワード設定なしで放置されていたとしたら、LINEを盗み見たとしても、ロックされていない端末を操作したことになり、不正アクセスにはあたりません。

 十ニ分な取材をしたとブログに書かれていたことから、関係者への取材の過程で確信を得たと思われますが、複数の証言が得られたとしても、物的証拠なしで川谷さんの妻を犯罪者と決めつけたのだとしたら、やはり問題があるのではないでしょうか。

修正・削除は逆効果になることも~ウェブアーカイブにご注意を

 今回、長谷川豊さんは「私は当然、自信をもってコラムを書いているつもりですが、私を応援して下さる皆様を心配させてもいけないことも承知しています。なので、少しだけですが、加筆・修正しておくことにします。」と断った上で2月1日と2月2日のブログを修正・削除しています。

 ところが、修正前のページが魚拓やウェブアーカイブですでに保存されていたことから、ネット民に修正箇所をチェックされることに。

 魚拓は広く知られていますが、ウェブアーカイブは、できるだけ多くのネット上のコンテンツを後世のために残そうと、クローラーと呼ばれるプログラムがWeb上のコンテンツを日々取得し、自動的にアーカイブ(蓄積)し、公開しているサービスのこと。

 Googleなど検索エンジンのクローラーと違うのが、Googleでは常に最新の情報が検索できるよう、ページが書き換えられると新しい状態が反映されるのに対して、ウェブアーカイブでは、歴史的遺産として保存することが目的のため、日付別に情報を保存している点。xxxx年xx月xx日現在の情報として保存されたウェブコンテンツは、元のページが書き換えられても上書きされずに残ります。

 このため、炎上しそうな修正や削除を行う場合は、元の情報を残したまま、修正情報を加筆するなどの方法を取った方が「卑怯」といった批判を受けずに済みます。魚拓もウェブアーカイブもサイトの持ち主が削除を申し出れば削除対応されますが、対応までに時間がかかることもあります。

 ちなみに、ウェブアーカイブに保存されるのは有名人のブログなどメジャーなコンテンツだけではなく、一般人のさほどアクセスがないページも保存されます。記者も試しに10年前に個人的に作ったゲームのサイトをURLで検索したところ、とうの昔に解約したレンタルサーバー上に作ったページを見ることができました(フレーム構造のページなので中身まではアーカイブされていませんでしたが)。

 本名でネット上にコンテンツを公開する場合は、ウェブアーカイブに残る可能性を頭に入れておいた方がいいかもしれません。

長く続いた騒動もそろそろ収束?

 LINEのトーク画面が暴露された衝撃や、流出の経路やLINEで交わされたキャッチーなキーワードなど、次々に燃料が投下されたことで大騒動となったベッキーさんの不倫問題。

 ベッキーさんが所属する芸能事務所、サンミュージックがベッキーさんの休養を発表したことで、騒ぎもようやく収束に向かいそうです。ただし、ベッキーさんを擁護する発言がメディアで報じられるたびに、逆にそれが燃料となって炎上が続いてしまう結果になってきています。

 ベッキーさんを気の毒に思う芸能人や有名人の方も、あえてしばらくは触れずにそっと見守るのがベストの選択のように思えます。

[工藤ひろえ]