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キンコン西野、ベストセラー絵本「えんとつ町のプペル」を全ページネットで無料公開~「2000円は高い。自分で買えない」という1人の子どもの声がきっかけ

[2017/1/19 15:00]

 お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣さんは1月19日(木)、オフィシャルブログを更新。1人の小学生の声がきっかけで、ベストセラー絵本「えんとつ町のプペル」を全ページ無料公開すると発表しました。

 「えんとつ町のプペル」は、昨年10月21日に発売されたばかりの西野さんの絵本。Amazon.co.jpの絵本カテゴリーでは現在も売れ筋ランキング1位のベストセラー作品です。

キンコン西野さんは公式ブログで、発売から3カ月しか経っていないベストセラー絵本の無料公開を発表

 西野さんは、絵本が思いがけず23万部も売り上げるベストセラーになり、さまざまなメディアで紹介される中で、連日多くの人からの声が届く状況だと説明。そのなかで、1人の小学生から寄せられた「2000円は高い。自分で買えない」という声がとても気になったことから、無料公開に踏み切ったとしています。

 「えんとつ町のプペル」は定価2000円(税別)ですが、西野さんによると「色を綺麗に出す為に特殊なインクを使っていて、使用するインクの数も一般的な作品より多く、そしてページ数も多いので、2000円という値段設定はギリギリまで頑張った」とのこと。

 「それでも2000円。たしかに、小学生からしてみると大金で、自分の意思で買うことは難しい」「ここ数日、このことがずっと気にかかっていました」と子どもがおこづかいで買えないという点について思い悩んでいたことを明らかに。

 「お金を持っている人は見ることができて、お金を持っていない人は見ることができない。なんで、人間が幸せになる為に発明した『お金』に、支配され、格差が生まれてんの? と思いました。」

 絵本「えんとつ町のプペル」はSNSを活用、画家・イラストレーターの協力を得て作成した手法でも注目を浴びました。

 西野さんは、SNS時代となり、ほぼすべての価値を貨幣を介して交換するのではない世界があってもいいのでは、と提案します。

 「SNSで誰とでも繋がれるようになり、『国民総お隣さん時代』となりました。ならば、お金など介さずとも、昔の田舎の集落のように、物々交換や信用交換で回るモノがあってもおかしくないんじゃないか。『ありがとう』という《恩》で回る人生があってもいいのではないか。もしかすると、『本』には、その可能性があるのではないか?」

 こうして思い悩んだ結果、西野さんは絵本「えんとつ町のプペル」をネット上で無料公開。

 「お金を払って買って読みたい人は、買って、無料で読みたい人は、インターネットで最後のページまで無料で見れるようにします」と有料の商品とネット上の無料コンテンツの二本立てで作品を見てもらうことに決めたことを説明しています。

 ベストセラー作品の無料公開に踏み切った西野さんについて、ネット上では、「西野さんカッコいい。男だなあ。」という声がある一方で、制作に関わったクリエイターへのリワードを気にする声も。また、「図書館への寄贈でも良かったのでは」という意見も見られます。

 「えんとつ町のプペル」は、その成り立ちから話題ずくめの作品。まだ読んでいない人は、まずは一度読んでみては。

[工藤ひろえ]