温泉マークはJISとISO選択制に! 駐車場など7つのピクトグラム最終案が発表~6つはISOに、温泉のみ日本人と外国人で評価が分かれ選択可能に
経済産業省が23日、温泉マークを含む7つの案内用図記号の変更及び「ヘルプマーク」の追加について最終案を発表しました。今後、必要な手続きを経て、2017年7月20日にJISZ8210が改正される予定です。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、外国人観光客の更なる増加が見込まれ、案内用図記号を規定する国内規格(JIS)について、日本人だけでなく外国人観光客にもより分かりやすい案内用図記号とするため、JIS改正原案作成委員会で議論されてきました。
案内用図記号(ピクトグラム)は、言葉によらない、目で見るだけで案内を可能とするもので、多くの公共交通機関や公共施設などで広く使われています。
日本の国内規格(JIS)と、国際規格(ISO)の図記号のどちらが分かりやすいか、日本人及び外国人それぞれ約1,000人ずつを対象としたアンケート調査結果などに基づき、JIS改正原案作成委員会で審議し、更にパブリックコメント結果を踏まえ、以下の7つの図記号の変更及び「ヘルプマーク」の追加について最終案が取りまとめられました。
駐車場
手荷物受取所
救護所
乳幼児用設備(ベビーケアルーム)
乗り継ぎ(飛行機)
案内所及び情報コーナー
温泉
駐車場、手荷物受取所、救護所、乳幼児用設備(ベビーケアルーム)及び乗り継ぎ(飛行機)の各図記号については、アンケート調査の結果、日本人、外国人共にISOの方が理解度が高かったため、ISOに移行。現行JISは2年間の移行期間を設けて廃止します。
また、温泉マークについては、海外の人からは温かい料理に見えてしまうおそれがあったことから、国際規格のISO図記号に置き換えるかが大きな論点となり、各地の温泉関係者から「現行の記号を維持すべきだ」との要望があがりました。
アンケート調査では、日本人と外国人で、評価が分かれ、日本人の63%が「JISがわかりやすい」と回答した一方で、外国人は71%が「ISOがわかりやすい」と回答。また、日本人からは、「日本の文化だから変えないでほしい」という意見もあれば、「ISOの図記号に変更して、外国人観光客を呼び込みたい」との意見もあったとのこと。
そこで、今回の改正案では、現行の温泉マークを残しつつISOの図記号もJISとして採用し、状況に応じて選択できるようになりました。表示者などの判断で、適切な案内用図記号を選択して表示することになります。