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人事評価の後、男の4人に1人は泣いている! 「時間の無駄」と7割以上が考えている~アドビが米国で調査。人事評価方法が時代遅れになっていることを示唆

[2017/4/5 22:57]

 米国ではサラリーマンの多くが年に一度の人事評価を受けていますが、米Adobeが「人事評価の多くは時代遅れで、多くの時間を費やなくてはならないストレスフルなものと認識されている」という調査結果を発表しました。

 同社では、米国の1,500人の会社員を対象に実施した調査「Performance Reviews Get a Failing Grade(パフォーマンスレビューに不合格判定)」で、従来型の人事評価が、従業員やマネージャーから、いかに非生産的で無意味だと思われているかを明らかになったとしています。

 調査対象となった従業員の88%は、ランク付けや数値の評価を伴う文書によるレビューなど、体系的な従来型の人事評価を定期的に受けなければならないと回答。こうしたレビューが同僚間の競争を激化させ、人間関係上のストレスを増やしており、感情的なやりとりや退職にも繋がると回答しています。

 従業員とマネージャーの多くが、人事評価の準備は時間の無駄であると考えており(従業員:72%、マネージャー:88%)、マネージャーは人事評価の準備に、従業員1人あたり平均17時間を費やし、従業員とマネージャーの3分の2近くが、人事評価は時代遅れと考えています(従業員:64%、マネージャー:62%)。さらに、従業員の半数以上が、人事評価は仕事に対する影響力はない(59%)または、不必要である(58%)と考えていると回答しています。

 従業員の半分以上が、人事評価によって同僚との競争が生まれた(57%)、直属の上司が気に入った部下をひいきする(61%)と考えており、ミレニアル世代の3分の2近く(61%)が、給与と役職が同等であっても人事評価のない会社に転職したいと回答。

 さらに、ミレニアル世代では、34%が人事評価の後に泣き、47%が別の仕事を探し、30%が即座に退職したと答えています。特に男性が顕著にストレスを感じており、男性のうち4人に1人が人事評価の後に泣いています(男性25%、女性18%)。転職を考えた人(男性43%、女性31%)、会社を辞めた人(男性28%、女性11%)ともに女性より男性が多い結果となっています。

 大多数の従業員(80%)は、数か月かけてまとめられたフィードバックを聞くより、すぐその場でフィードバックを受けることを望み、半数以上の従業員(55%)とマネージャー(66%)が、自分の会社が現行の人事評価を廃止するか、別の制度に変えてほしいと願い、従来型の人事評価を廃止した会社のほうが、柔軟性が高く(46%)、従業員の幸福度も高く(44%)、協力的な企業文化になる(38%)と考えています。

 なお、アドビは、従来型の年次の人事評価早くから廃止した企業の一つで、2012年には独自の評価制度となる「チェックイン(Check-in)」を導入。従業員とマネージャーが常に対話を行い、その中で明確な目標を決め、何度もフィードバックし合いながら、キャリアアップについて話し合うそうです。

 「チェックイン」導入後、以前のプロセスで必要だったマネージャーの所要時間を最初の1年間で8万時間(フルタイム従業員40人分)削減したとのこと。2017年に、アドビはWebサイトを開設し、独自の人事評価制度である「チェックイン」をオープンソース化しています。

 米国での同社の「チェックイン」の広告的な意味も含む調査ではありますが、日本のサラリーマンにも思い当たることが多い示唆に富んだ調査結果となっています。

[古川 敦]