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オーバーブッキングしたユナイテッド航空、降りるのを拒否した乗客を暴力で機内から強制排除して大炎上~被害者のアジア系医師は流血、機内にいた乗客がSNSで動画をアップ

[2017/4/11 12:49]

 4月9日(現地時間)、アメリカのシカゴ空港でユナイテッド航空が機内の乗客を暴力で機内から引きずり出し、その様子を撮影した動画が同じ機内にいた乗客によってSNSにアップされて大炎上しています。

 トラブルがあったのはシカゴ空港からルイビル空港へと向かうアメリカ国内便で、原因はオーバーブッキング(過剰な座席予約)。ただし、空ける必要があった4席は、ユナイテッド航空の乗務員が乗るための席だったことがわかっています。乗務員4人が乗れなければ、彼らが乗務するはずの航空便が欠航になってしまうための措置だったとユナイテッド航空は現地メディアの取材に対して弁明しています。

ちゃんと料金を払って搭乗し、何の落ち度もないのに暴力をふるわれ引きずり出される乗客の医師(Jayse D. AnspachさんのTwitter投稿より)

 ユナイテッド航空は800ドルの報酬と一泊の宿、翌日の代替え便を条件として提示し、降りてくれる乗客を募ったものの必要な座席が確保できず、4人の乗客を選びだして機内から降りるよう依頼。

 このうち1人の男性乗客は医師で、翌日病院へ出勤する予定で患者が待っているとして降りることを拒否。すると、警察官が機内に乗り込んできて暴力で強制排除するというまさかの事態に。

 同じ機内に乗り合わせた乗客が、男性乗客を強制排除する様子を動画撮影してTwitterやFacebookにアップしています。動画を見ると、乗客の医師は殴られたか、ぶつけたかしたようで顔に血が。さらに警官は、男性を文字通り引きずり出します。これを見た女性の乗客からは「Oh, my GOD! あなたたち何をしているの!?」という悲鳴が。

Audra D. BridgesさんのFacebook投稿

Jayse D. AnspachさんのTwitter投稿

WFAA Mediaのニュース動画(英語)

 乗客の安全を守るはずの航空会社が、何の落ち度もない乗客を暴力で排除する動画は多くのSNSユーザーに衝撃を与え、動画を投稿したツイートは13万近くリツイートされ、Facebookの動画は再生数が1,000万回を超えています。

 また、機内から降りるよう選び出された4人の乗客はすべてアジア系だったという一部報道もあり、ユナイテッド航空は人種で差別をするのかとの批判も見られます。

 ユナイテッド航空はCEOのOscar Munoz氏の名前で座席予約での不都合について謝罪文を発表しましたが、無理やり降ろされた男性にふるった暴力についての記述や謝罪は見られません。発表された謝罪文は十分でないと考えるTwitterユーザーからは、謝罪文を添削した画像が多数返信されています。

ユナイテッド航空のツイート
[工藤ひろえ]