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さらに倹約志向が強まり、貯金にはげむ20代! 貯金の平均額は133万円と昨年から50万円近く増加、おこづかいは減少。リタイアまでに貯めたい金額は昨年より500万アップ

[2017/12/1 13:56]

 SMBCコンシューマーファイナンスは、20歳~29歳の男女を対象に「20代の金銭感覚についての意識調査2017」をインターネットリサーチで実施。1,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。

 調査によると、20代のおこづかいの平均額は2万9,694円。未婚者の平均は3万1,644円、既婚者は2万688円となりました。未婚者は3万円ていど、既婚者は2万円ていどというのが平均的なおこづかいのようです。

 また、貯金額は20代全体の平均が133万円となりました。派遣やアルバイトなど雇用形態が多様化し、若者の平均給与が下がっている中でしっかり貯金をしている20代が多いことがわかります。

 貯金額では、20代前半の平均は76万円、20代後半では190万円と、20代の前半にくらべ20代後半でかなり増えていることからも、社会に出てから着実に貯金を増やしていることがわかります。


20代のおこづかい事情~実際のおこづかいも、“理想のおこづかい”も昨年より減る

 20歳~29歳の男女1,000名(全回答者)に対し、毎月自由に使えるお金はいくらあるか聞いたところ、全体の平均額は29,694円、未婚者は31,644円、既婚者は20,688円となりました。

 また、毎月自由に使えるお金がどのくらいあれば満足できるか聞いたところ、満足できる金額の平均額は全体で60,041円、未婚者では65,168円、既婚者では36,360円となりました。

 昨年(2016年)の調査結果と比較すると、実際のおこづかい額は30,422円→29,694円と約700円減少。理想のお小遣い額は昨年の72,651円→60,041円と、約1.2万円減少しています。

 理想とするおこづかい額が大きく引き下がっていることから、倹約志向が強くなっていることがうかがえます。調査を行ったSMBCコンシューマーファイナンスでは、多額のおこづかいがなくても満足できるという考えから、実際のお小遣い額も減少傾向となったのではないかと分析しています。


使わない20代、貯金額は昨年より平均50万円アップ~貯蓄の原動力は将来への不安?

 現在の貯蓄額については、全体の平均額は133万円。20代前半では76万円、20代後半では190万円となりました。職業別にみると、会社員は238万円、パート・アルバイトは56万円、学生は48万円となっています。

 昨年の調査結果と比較すると、2016年86万円→2017年133万円と、貯蓄平均額は50万円近く増加していることがわかりました。また、中央値でみても、20万円→25万円と5万円増加しています。一部の人に限った話ではなく、中間層でみても貯蓄額が増加している傾向にあるようです。

 調査では「この1年は、お小遣いを減らすなど倹約に励み、貯蓄を増やした人が多かった1年だったのではないか」と分析しています。

 仕事をリタイアする年齢までに貯蓄がいくらあれば安心できるか聞いたところ、「500万円超~1千万円以下で安心」が24.9%で最多。1千万円あれば安心する人は合計43.7%、2千万円あれば安心する人の合計は54.9%となりました。

 半数超の人が、仕事をリタイアするまでに2千万円程度の貯蓄があれば安心できるようです。一方、「5千万円超~1億円以下で安心」14.9%や「1億円超で安心」5.5%といった回答も一定数みられ、全体の平均額は5,055万円となりました。

 将来への不安からか、仕事をリタイアする年齢までにできるだけ多く貯蓄をしなければ、と考えている20代が少なくないようです。

 昨年(2016年)の調査結果と比較すると、安心できる貯蓄の平均額は4,380万円→5,055万円と675万円も増加しています。中央値でみても1,500万円→2,000万円と500万円増加。リタイア後のために、しっかり貯蓄を増やす必要があると感じている20代が増えていて、将来への金銭的な不安が強まっていることがうかがえます。


20代がもっともお金を使うのは「友人との交流」。金融投資、自己投資に取り組む人が増加

 さらに倹約志向が強まっていることがわかった20代ですが、それでは、20代は何にお金を使っているのでしょうか。

 今年積極的にお金を費やしたことを聞いたところ、「友人との交流」が44.3%で最も高く、次いで、「趣味を追究する(良い道具を揃えるなど)」が38.3%、「身だしなみ・美容」が27.0%で続きました。

 友人との交流や趣味を充実させるため、身だしなみや美容など自分磨きに積極的にお金を使った人が多いようです。

 昨年との比較では、「趣味を追究する」は45.0%→38.3%と6.7ポイント減少していることがわかりました。倹約志向の高まりからか、趣味に使うお金を節約した人が多かったのではないでしょうか。

 また、男女別では、男性は「株式・債券投資」が昨年比で7.6%→2017年11.4%と3.8ポイント増加。女性は「スキルアップ(勉強や習い事など)」が12.2%→2017年16.6%と昨年比で4.4ポイント増加(2016年)しています。男性は金融投資に、女性は自己投資に取り組む人が増えてきているようです。


[工藤ひろえ]