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「奇界遺産」の佐藤健寿氏が廃墟の王「軍艦島」を撮った! 「THE ISLAND 軍艦島」が本日19日(金)刊行~「この町には耳をふさぎたくなるほどの静けさがある」と佐藤氏

[2018/1/19 15:11]

 TBS系で放送中の「クレイジージャーニー」や、写真集「奇界遺産」「世界の廃墟」でおなじみの写真家・佐藤健寿氏の最新刊「THE ISLAND 軍艦島」(朝日新聞出版)が、2018年1月19日(金)に発売されました。A4判変型オールカラー112ページで、価格は2,200円(税別)。

 今回のテーマは長崎県にある世界遺産「軍艦島」。世界中の廃墟を巡った佐藤氏にして「廃墟の王」という軍艦島。“この町には耳をふさぎたくなるほどの静けさがある”。謎多き一編の「詩」に導かれた、新たな軍艦島の光景とは──。

あとがき「幻想と現実の境界に浮かぶ島」より

 古くはローマの遺跡群から今日の東日本大震災の跡地まで、あらゆる文明=社会はいつか荒廃して自然に帰すことを、実は私たちは、経験的に、あるいは歴史的に、よく知っている。ところが私たちは永続的な進歩という共同幻想を維持することで、この社会をどうにか成立させなければならない。

 それは文明が本質的に抱えるパラドックスである。だからこの欺瞞からすでに解放された軍艦島に立つとき、むしろ私たちが矛盾だらけの存在であることに気付かされる。そして社会を成立させる幻想と無常の現実との境界に浮かぶ島で、語るべき言葉を失うのだ。

[古川 敦]