春日野部屋の不祥事発覚で、ネットでは「相撲協会は二枚舌」「公益法人の認定取り消せ」の声。春日野親方が弟子3人をゴルフクラブで殴った2011年のトラブルを思い出す人も
1月24日(木)、共同通信が大相撲の春日野部屋に所属していた力士が弟弟子の顔を殴って傷害罪で起訴された事件を報じたことで、今回の問題が発覚しました。
各紙の報道によると、事件が起こったのは2014年9月。当時18歳で入門して半年余りの新弟子だった被害者は、兄弟子に顔を拳で殴ったり、腹を蹴ったりされ、顎を骨折する全治1年6カ月のケガ。味覚消失の後遺症が残り、また顎についても3年半経過した現在も固いものが噛めない状態だと報道されています。
暴力の原因は、兄弟子が掃除の仕方を注意しようとした際に被害者が他の場所にいた若手力士を呼びに行ったことからトラブルになったと報じられています。暴力をふるった兄弟子は2016年6月に懲役3年、執行猶予4年の有罪判決が確定。春日野親方も保護責任者遺棄容疑で刑事告訴されましたが、こちらは不起訴処分となっています。
後遺症に苦しむ弟弟子は現在22歳で、春日野親方(元関脇栃乃和歌)と有罪判決を受けた元力士に対して3,000万円の損害賠償を求めて東京地裁に2016年3月に民事で提訴しているとのこと。
春日野親方は“二枚舌”? 親方自身、過去にゴルフクラブで弟子を殴打するトラブルも
ネットでは、「春日野親方!️やってる事と、言ってる事違うんじゃないか!?」といった声が多く上がっています。
日馬富士の暴行事件で、貴乃花親方に対して捜査中の事件について、相撲協会の広報部長として再三説明するよう迫っていた春日野親方。相撲協会は理事として相撲協会の調査に協力しなかったとして、貴乃花親方を理事から降格させる処分を下しました。
一方、今回発覚した事件は、執行猶予付きとはいえ懲役刑の判決が下されていて、刑事事件としては日馬富士の事件より重大な事件でありながら、これまで相撲協会の外に情報公開されていなかった点について、当然のことながら「おかしいだろ」と思う人が多いようです。
また、「春日野親方、2011年には弟子3人をゴルフクラブでぶん殴って協会から厳重注意を受けてるからね。暴力へのハードルが低い人間は変わらないし変えられないね_( _`ω、)_」というツイートがあるように、春日の親方が弟子をゴルフクラブのアイアンで殴った問題を思い出す人も。
このトラブルについては、現在もスポニチAnnexで当時の記事を読むことができますが、ゴルフクラブで殴られた弟子が「自分たちが悪い」と告訴の意志がなく、事件性がないとして警察は立件を見送りました。
相撲界での暴力事件では、殴られた方にも非があったという弁明がよく聞かれますが、こういった点にも「なんで相撲界は、相手に落ち度がちょっとでもあれば殴っても無罪ってことになってんの? 相撲界は日本じゃないの? 治外法権なの?」といった声が上がっています。たしかに、一般社会ではたとえ相手に非があろうとも、殴ってケガをさせたら暴行事件となるのが常識です。
日馬富士の暴行事件でも、注意を聞く態度が悪かった、謝らなかったといった話が出ていましたが、ネットでは「態度が気に入らないとか、ささいなことでぶん殴ってケガさせても当然という相撲界の常識が異常」という指摘も上がっています。
「春日野親方が報告しているなら相撲協会ぐるみの隠蔽」「もう相撲協会は解散しろ」「公益法人取り消せ」の声
公表しなかったことについて、春日野親方は取材に対して「もう辞めていますから」と答えたと報道されています(スポニチ)。今回発覚した暴行事件の判決が下りた2016年には春日野親方はすでに広報部長に就任していました。
執行猶予付きとはいえ、傷害罪で懲役3年はかなり重い量刑といえます。日馬富士の暴行傷害事件よりも重大事件であるのは間違いなく、ネットでは「なぜ公表しないのか」「隠蔽する気しかない」との声が噴出しています。
春日野親方は相撲協会への報告は行ったという報道を受けて、「報告があったなら公表しなかったのは相撲協会の問題」との声も多く聞かれます。相次ぐ暴力事件に、「氷山の一角。もう相撲協会は解体しろ」との声も。
相撲協会は、2014年1月に内閣府が公益財団として認定。公益財団として税金の減免などの優遇を受けていることになりますが、「もう公益法人の認定取り消せよ」との声も多く上がっています。今後、公益財団として認定し、税制上の優遇を与えた内閣府にも責任を問う声があがってくる可能性もありそうです。
実際、衆議院では立憲民主党の逢坂誠二議員が日馬富士の事件を受け、2017年11月に公益財団法人日本相撲協会への政府の評価を問う質問をしていますが、政府はこれに対して「現時点において御指摘の『日本相撲協会の改善策を検討する会議など』を設置することは考えていない」と回答。この問題に対応の手を割くつもりはなさそうに見えます。
25日放送のフジテレビ「とくダネ!」では、被害者の元力士への独占インタビューが放送され、番組中で被害者は「協会側は全然動かず何も調べない状態がずっと続いている」と話し、沈黙の3年間だったとしています。また、事件後に整体に連れて行かれ、折れた顎を「ガン! と入れられ余計に痛みが大きくなった」と言い、自分で病院に行ったらすぐに入院と言われたと明かしました。「とくダネ!」の独占インタビュー内容については、スポーツ報知が詳しく報じています。
ネットではこの際に治療(?)した整体師についても「医師法違反ではないか」との指摘が上がっています。
相撲協会は、今回発覚した暴行事件について「問題ない」との認識を公表していますが、新たな責任問題に発展する可能性もありそう。
日馬富士暴行事件から相撲一色だったワイドショー報道も一段落したばかり。ネットでは一時「毎日相撲相撲でうんざり」という声も上がっていましたが、今回は懲役刑の判決が下りた傷害事件だけに、スポーツ紙や週刊誌、テレビなどでまた相撲界についての報道が続きそうです。