「死刑執行されたら出版してください」。元オウム真理教・中川智正死刑囚と面会を重ねてきた世界的毒物学者アンソニー・トゥー氏の著書「サリン事件死刑囚 中川智正との対話」7/26(木)刊行
KADOKAWAは、アンソニー・トゥー著「サリン事件死刑囚 中川智正との対話」を2018年7月26日(木)に刊行します。四六判の単行本で、価格は1400円(税別)。
電子書籍も積極的に発売しているKADOKAWAですが、「サリン事件死刑囚 中川智正との対話」については、まずは紙のみで発売となるようです。
著者のアンソニー・トゥー(台湾名:杜祖健<と そけん>)氏は、コロラド州立大学名誉教授、元千葉科学大学教授。
1930年、台湾生まれで、台湾大学を卒業後、ノートルダム大学、スタンフォード大学、エール大学で化学と生化学を研究。毒性学および生物兵器・化学兵器の専門家として知られ、松本サリン事件・東京地下鉄サリン事件では日本の警察に協力して、事件解明のきっかけを作りました。2009年には、旭日中綬章を受章。
アンソニー・トゥー氏は、2011年からオウム真理教でサリン製造の中心人物であった教団元幹部・中川智正死刑囚と面会を重ねてきました。
「死刑執行されたら出版してください」との中川智正死刑囚との約束のもと、中川元死刑囚の死刑執行後に刊行される予定で書かれていたものが、今回出版されます。
アンソニー・トゥー氏は、松本サリン事件が起こった1994年、日本の化学専門誌「現代化学」にサリンに関する論文を寄稿。これに注目した警察庁科学警察研究所のために、米陸軍からサリン分解物の土壌中での毒性や分析法を解説した資料30枚を入手して渡したことが、サリンとオウム真理教の結びつきを裏付ける物証入手のきっかけとなりました。
今回刊行される書籍「サリン事件死刑囚 中川智正との対話」では、オウムの化学兵器製造のキーパーソンについて、オウム信者たちの人物像など、麻原彰晃の主治医の立場でもあった中川智正死刑囚が、アンソニー・トゥー氏に面会で語った当事者ならではの話がまとめられています。
「サリン事件死刑囚 中川智正との対話」目次
第1章 サリン事件解決に協力する
第2章 オウムのテロへの道のり
第3章 中川死刑囚との面会
第4章 中川死刑囚の獄中での生活
第5章 オウムの生物兵器の責任者、遠藤誠一
第6章 オウムの化学兵器の中心人物、土谷正実
第7章 麻原の主治医、中川智正
第8章 3人の逃走犯
第9章 中川死刑囚が語るオウム信者の人物像
第10章 上九一色村とサリン被害者の現在
第11章 オウム事件から学ぶ、将来への備え
第12章 中川氏最後のアクティビティ
「サリン事件死刑囚 中川智正との対話」書誌情報
署名 :サリン事件死刑囚 中川智正との対話
著者 :アンソニー・トゥー
発売日:2018年7月26日(木)
定価 :本体1,400円+税
体裁 :四六判単行本
ISBN :978-4-04-102970-1
発行 :株式会社KADOKAWA