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有休取得の義務化制度について、約半数が「知らない」~改正労基法が2019年4月に施行、年5日以上の有給休暇取得を義務付け~守らない場合は罰則も

[2018/11/16 16:42]

 総合旅行サービスサイト「エアトリ」は、10代~70代の男女1,151名を対象に「有給休暇取得の義務化」に関する調査を実施、結果を発表しました。

「有給休暇取得の義務化」って?

 まずは、前提となる「有給休暇取得の義務化」についておさらいです。内容をご存じの方は次項までスキップしてください。

 2018年6月に成立した「働き方改革関連法」の一環として、労働基準法第39条が改正され、2019年4月から、改正法が施行されます。

 これにより、年に10日以上の有給休暇を付与された労働者には、付与された日から1年以内に、最低5日間の有給休暇を取得させることが義務化されました。

 改正後の労働基準法で定められているため、守らない使用者は労働基準法違反となり、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられます。

 なお、有給休暇の付与日は、企業により異なります。基準となる付与日については、勤務先に確認する必要があります。

労働者が有給休暇取得申請をしない場合も、使用者が労働者と取得日を相談した上で、1年以内に5日以上の有給休暇を付与することが義務づけられます

 また、厚労省見解によると、前年付与された有給休暇の繰越分を合算して10日以上ではなく、その年に付与される有給休暇が10日以上の労働者が義務化の対象となります。

 有給付与日数は労働基準法で決まっていて、正社員であれば勤続6カ月で10日が付与されます。パートなど週30時間に満たない非常勤の場合は、週4日勤務なら勤続3年半、週3日勤務なら勤続5年半で10日が付与されます。

 週2日以下の非常勤の場合、何年勤めても、有給休暇は週2日で最大7日、週1日なら最大3日と定められているため、義務化の対象からは外れます。


有給休暇の義務化を「知らない」人が半数近くも

 調査で、年5日以上の有給休暇取得が義務化されたことを知っているか聞いたところ、48.3%と約半数近くの人が「知らない」と回答。

 また、現在就業中の人に「自分が義務化の対象であるかどうかを知っているか」を尋ねたところ、7割以上の人が「対象者である(73.7%)」と回答。

 一方で、約10人に1人が「分からない(9.4%)」と回答しています。自分が義務化の対象になるか不明である人も一定数いるようです。


義務付け対象となる人では、7割以上が年間5日以上の有給休暇を取得している

 有給休暇が義務付けられる人や、わからないと回答した人に、現在5日以上の有給休暇を取得しているか聞いたところ、約7割の人が「はい(70.8%)」と回答。2019年4月以降に取得が必要な最低日数は超えている人が多いようです。

 また、取得の義務化については、就業中の人では44.1%が「とても嬉しい」、20.1%が「まあまあ嬉しい」と回答。計64.1%と3人に2人は歓迎していることがわかりました。

 パートナーが就業中の人も、55.1%が「とても嬉しい」、17.3%が「まあまあ嬉しい」と回答。計72.4%が歓迎しています。

 就業中の本人よりも、パートナーの方が歓迎している人が多い点については、「期待が重い」と感じる人も中にはいるかもしれませんね。

 調査では「有給を取得できない場合の理由を解決した上で、義務化にしないと益々現場が苦しくなると思う。大企業には効果的だと思うが、中小企業にとっては厳しいルールに思う。(40代女性)」といった指摘もあがりました。

 現実には、中小企業も含めてすべての企業で実施されるのは難しい面もあるかもしれませんが、法制化され、守らないと労働基準法違反となり使用者が罰せられる対象となることは大きな1歩。

 調査では、「10年以上同じ職場で働いていて、1日も有給を取得したことがないので、義務化され有給が使えるようになれば嬉しい。(30代女性)」といった切実な期待の声も寄せられています。

[工藤ひろえ]