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世界初の担ぎ桶スタイルの電子和太鼓が誕生! ローランドが電子ドラム技術を応用した「TAIKO-1」を発売~太鼓芸能集団「鼓童」協力。様々な和太鼓の音色で演奏可能

[2020/2/7 17:10]

 ローランドが7日、長年の電子ドラム開発で培った技術を駆使し、さまざまな種類の太鼓の演奏ができるという電子和太鼓「TAIKO-1」を2020年夏に発売すると発表しました。周囲への音を気にせず、練習サポート機能で一人でも和太鼓練習が可能としています。

 価格はオープンで、店頭価格は129,000円(税別)程度の見込み。初年度販売予定台数(国内/海外計)は1,000台。

演奏イメージ
ローランド 電子和太鼓 TAIKO-1 合奏 担ぎ桶胴太鼓・締め太鼓他

 同社は、「創造体験で世界中の人々をワクワクさせる」という理念のもと、電子楽器の可能性を広げる製品の開発を続けており、電子ドラムの研究開発にも長年取り組み、多くの独自技術やノウハウを蓄積。その技術を応用し、カホンを電子化した「ELCajon」など、電子パーカッションの開発にも注力しています。

 また、日本の伝統的な和太鼓についても研究を進めるなかで、太鼓芸能集団「鼓童」と出会い、打楽器文化を発展させたいという思いに共感し、交流を深めてきたとのこと。鼓童の協力のもと、電子和太鼓への取り組みを進め、2017年に初の試作機を製作。

太鼓芸能集団「鼓童」

 同機を使用したパフォーマンスは大きな話題となり、その後も、ローランドの技術やノウハウを注ぎ込み、さらなる構造の改良や軽量化をはかり、このたび世界初の担ぎ桶(木の桶を使った胴と鉄の輪に革を張った打面を持ち、帯で肩にかけて演奏する太鼓)スタイルの電子和太鼓が完成したとのことです。

 和太鼓は、日本各地の伝統的な祭りや寺社祭礼、学校教育などで用いられ、多くの方に親しまれている楽器。しかし、演奏時の音量が大きく、本体のサイズや重さによって持ち運びに苦労しがちな和太鼓を個人で所有することは難しく、練習する場所も限られています。また、演奏会場の環境によっては、大きな太鼓を持ち込めないことがプロの演奏者にとって悩みのひとつだったそうです。

 「TAIKO-1」は、打面を叩く位置や強さに応じて多彩な音を奏でる和太鼓特有の音色変化を、ローランドの技術によって忠実に再現。桶胴太鼓はもちろん、異なる種類の和太鼓や拍子木、さらには太鼓以外の打楽器の音色まで内蔵し、1台でさまざまな音色を使って演奏できます。

「TAIKO-1」

 打面には、静粛性に優れたローランド独自のメッシュ素材の採用し、音の大きさを気にせず練習することが可能。また、本体を分解してコンパクトに収納でき、持ち運びもスムーズとのことです。充電式ニッケル水素電池(単3形×8本)での駆動にも対応し、自由に動きながら演奏できます。

 同社では「これから和太鼓を始めたい初心者が気軽に練習できるだけでなく、プロ演奏家のパフォーマンスの可能性を広げることができ、幅広い演奏者にお使いいただける新しい和太鼓」としています。

「TAIKO-1」分解イメージ

太鼓ならではの幅広い音色変化と自然な演奏感

ローランド独自の3層メッシュ・ヘッド

 和太鼓は、打面の端の繊細な音、中心を少し外した伸びやかな音、中心を叩いたときの力強い音など、ひとつの打面から多彩な音を奏でることができます。

 「TAIKO-1」は、叩く強さによって音が変化するのはもちろん、打点位置検出機能の搭載によって、叩く位置の違いで音が変わります。また、専用に開発されたローランド独自の3層メッシュ・ヘッドを打面に採用し、自然な叩き心地と高い静粛性を実現したとしています。

1台でさまざまな種類の和太鼓を演奏

長胴太鼓

 和太鼓の大きさや形には多くの種類があり、それぞれ異なる個性や魅力を持っています。「TAIKO-1」は、桶胴太鼓はもちろん、代表的な和太鼓である長胴太鼓、胴の浅い締太鼓、さらには大太鼓など、さまざまな種類の太鼓の音で演奏が可能。

 また、竹バチや雪バチなどバチの違いや、複数人が同時に叩いた太鼓の音、チャッパや拍子木といった鳴り物や掛け声、太鼓以外の打楽器や効果音も内蔵しています。

場所や時間を選ばず一人でも和太鼓の練習が可能

『TAIKO-1』音源部分(「地打ち」画面)

 「TAIKO-1」の打面は専用のメッシュ・ヘッドで静粛性が高く、自宅でも太鼓の練習が可能。また、テンポ感を養うために必要なメトロノームはもちえろん、和太鼓の練習に欠かせない「地打ち」フレーズも収録。

 「地打ち」を鳴らしながら、ソロ・パフォーマンスをすることもできます。「TAIKO-1」にはBluetooth機能を搭載し、スマートフォンと無線接続すれば、好きな曲に合わせて演奏することも可能です。発表会やイベントで演奏する曲の練習にも便利とのことです。

和太鼓演奏の可能性を広げる拡張性

音源部

 「TAIKO-1」では、USBメモリに保存したオーディオ・ファイルを本体に取り込み、演奏することができます。手持ちの太鼓の音を録音して取り込んだり、内蔵の太鼓の音に別の音を重ねて新たな太鼓の音色を作ることも可能です。さらに、別の打楽器や掛け声、自然の音を取り込むなど、アイデア次第で新しい演奏表現の可能性が広がります。

 外形寸法は430(幅)×430(奥行)×521(高さ)mm、重量は4.5kg。電源はACアダプター(付属)もしくは、充電式ニッケル水素電池(単3形×8本)。

主な仕様

パッド数  :2 ※1パッドにつき音色を2種類アサインできます(面/フチ)
キット数  :100(プリセット:50)
音色数   :100以上
ユーザー音色:ユーザー音色数=最大500
       音の長さ(合計):モノラル24分、ステレオ12分、
       ファイル形式=WAV(44.1kHz、16ビット、ステレオ/モノラル)
       ※ステレオ音源の場合、OUTPUT端子からはL、Rがミックスされた音がモノラルで出力されます。キット・チェイン:16チェイン(32ステップ/1チェイン)
エフェクト :20種類以上
Bluetooth  :対応規格=Bluetooth標準規格Ver4.2、
       対応プロファイル=A2DP(オーディオ)GATT(MIDI over Bluetooth Low Energy)、
       対応コーデック=SBC(SCMS-T方式によるコンテンツ保護に対応)
ディスプレイ:グラフィックLCD 128×64ドット
外部メモリー:USBメモリー (別売)
接続端子  :OUTPUT(MONO)端子(標準タイプ)、
       PHONES端子(ステレオ・ミニ・タイプ)、
       MIX IN端子(ステレオ・ミニ・タイプ)、
       TRIG IN端子× 2(専用)、
       FOOT SW端子(TRS 標準タイプ)、
       FOOT PEDAL端子× 2、
       USB MEMORY端子、
       USB COMPUTER 端子(MIDI)※Micro-B、
       DC IN端子
電源    :ACアダプター(付属)、充電式ニッケル水素電池(単3形)×8
      ※アルカリ、マンガン乾電池は使用できけません。
消費電流  :500mA (DCIN)
連続使用時間:充電式ニッケル水素電池=約5時間
      ※使用状態や電池、USBメモリーの種類によって異なります。
付属品   :取扱説明書、ACアダプター
外形寸法  :430(幅)×430(奥行)×521(高さ)mm
重量    :4.5kg(本体のみ)

[古川 敦]