ユニクロやGUを展開するファーストリテイリンググループが年収を最大約4割アップ、初任給は30万円に　役職手当などは廃止～海外に比べて報酬水準が低位に留まっている日本の報酬テーブルを大幅にアップ

　ファーストリテイリンググループが11日、成長意欲と能力ある従業員一人ひとりにフェアに報い、企業としての世界水準での競争力と成長力を強化するため、2023年3月に報酬を改定し、人材への投資を大幅に強化すると発表しました。

　同社は現在、この改定を世界各地で進めており、今回は特に、海外に比べて報酬水準が低位に留まっている日本において、報酬テーブルを大幅にアップするとともに、これまで以上に成長意欲と事業への貢献能力に基づいて個々の人材に報いることができるよう、人事制度を見直すことにしたとのこと。

　具体的には、職種・階層別に求められる能力や要件を定義し、各従業員に付与している「グレード」の報酬水準を数％～約40％アップ。さらに、これを機に、フラットで機動性が高い組織運営の実態に沿うよう、従来の役職手当などは取りやめ、それぞれの報酬は、基本給と各期の業績成果によって決まる賞与などによって構成されます。

　報酬アップの一例としては、現行255,000円である新入社員の初任給を30万円に(年収で約18％アップ)、入社1～2年目で就任する新人店長は月収29万円を39万円に(年収で約36％アップ)、その他の従業員も、年収で数％～約40％の範囲でアップする予定としています。

　従業員一人ひとりの新たな報酬を決めるにあたっては、グローバル共通のグレードの基準を、仕事の実績・成果、成果を出し組織に貢献する能力、成長意欲・成長性などの視点から改めて明確にし、上司によるきめ細かな評価はもちろん、経営層や人事部が一人ひとりの評価にしっかり関わり、フェアなグレード評価を実現していくとのことです。

　また、今回の報酬改定に先がけ、国内店舗の準社員(パート)・アルバイトの時給は、2022年9月にすでに改定しており、「お客様に最高のサービスを提供する店舗販売員への期待、職責、能力に応じて、それにふさわしい報酬を支払う狙いから改定したもの」としています。今後は、店舗スタッフから店長・経営者となる従来のキャリアパスは維持しつつ、店長・経営者は目指さずとも、販売専門職として、最高のサービスを追求し、個店や全社に貢献できる人も同様に評価・育成していくとのことです。