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鉄拳の新作パラパラ漫画公開! 右肩下がりの若年層の献血者数に警鐘~献血の大切さ、重要性を描き出す

[2019/3/19 12:00]

 日本赤十字社が、年代別献血者数で10代~30代が右肩下がりに減少している状況を踏まえ、若年層の献血推進の取り組みの一つとして、動画「鉄拳 献血啓発パラパラ漫画『けんけつ』」を2019年3月19日(火)に公開しました。

鉄拳 献血啓発パラパラ漫画「けんけつ」【日本赤十字社】

 公開された動画は、多数のパラパラ漫画を発表し、高い評価を得ているお笑い芸人・鉄拳さんが制作した、献血経験のない男性が、身近な人の病気をきっかけに献血への一歩を踏み出すという内容となっています。男性の心境の変化や、多くの人の協力によって献血という制度が支えられているという事実がパラパラ漫画特有の温かみのある映像で表現されています。

ストーリー

 一人の男性が登場。友人が献血しているところに遭遇しつつも、理解が足りないからか、献血を敬遠してしまいます。少しの後ろめたさを感じながら帰路につくと、自宅には具合の悪そうな彼の父親が。慌てて救急車へ。

 搬送先の病院で彼の父親は輸血が必要な状態であることが分かりました。父親の容態を目の当たりにし、気落ちしてしまっている男性の頭に浮かぶのは、先ほど献血をしていた友人の姿。献血に協力している人たちの姿が次々と男性の頭に浮かびます。その後、輸血を受けたことによって、彼の父親は容態が安定した様子。

 様々な人の協力によって成り立っているという献血の事実を理解した男性は、先ほど会った友人の元へ向かいます。うれし涙を浮かべながら、友人にお礼を言う男性。その足で、献血ルームに向かいます。彼の血液も誰かの役に立っているはず。そんな様子が描き出され、動画は終了します。

鉄拳さんと日本赤十字社の担当者へのインタビュー

―日本赤十字社より今回のパラパラ漫画の制作依頼が来たときの率直な感想は?
鉄拳:僕にも出来る事はある。献血に対して少しでもお役に立てるのであれば、協力したいと思いました。

―どのような想いを込めて今回のパラパラ漫画を作成?
鉄拳:献血の大切さ、献血する事の意味、人間を助けるのは人間しかいない事をなるべく分かりやすく描きました。

―鉄拳さんの献血経験は?
鉄拳:献血経験が無かったので、街中で献血を呼びかけている人を見ても、少し怖くて、はじめの一歩が踏み出せませんでした。献血してみたら怖い事なんて一つも無い事がわかり、逆に休憩所にはマンガ本や雑誌があったり、お菓子やジュースもタダで食べられたり、しかも採血する事で診断も出来る。メリットが多い事がわかりました。

―制作する上で難しかったところはなんですか?

鉄拳:献血を皆んなから集めて助けてもらう表現を、そのまま描くのが難しかったので、命の光で表現してみました。

―鉄拳さんの起用理由は?
担当者:この10年間で10~30代の献血者が約35%も減少している現状があります。日本赤十字社では、幼少期からの献血への理解が重要と考えており、小学生や中学生、高校生のほか、親子で見て共感できる献血啓発動画を作成したいと常々考えていました。

 そんな中、鉄拳さんの作品はどれもわかりやすく、感動的かつ印象に残るものばかりで、まさに献血啓発動画として最適なことから起用をお願いいたしました。

―動画で伝えたかったことは?
担当者:この動画を通じて、献血の大切さ、必要性、意義を理解してほしいと思っています。また献血が持つ普遍的な価値を伝えられるものにしたい。

―献血の現状は?
担当者:2008年、10~30代の献血者数は約284万人でした。それから10年後の2017年になると、10~30代の献血者数は約186万人と、この10年間で35%も減少しています。そのような状況を踏まえ、特に若年層の献血推進に取り組んでおり、特に春休みの学生さんに献血のご協力をお願いしたいです。

 4月は大学等に献血バスが伺う機会も多いので、ぜひ献血へのご協力をお願い申し上げます。

[古川 敦]