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運転者の9割がイライラしたことがある、軽自動車に乗る女性は危ない!? 岡山トヨペットが「あおり運転」の怖さを描いた動画公開~イライラをおさえる方法も公開

[2019/5/13 22:25]

 岡山トヨペットが、同社が取り組んでいる交通事故ゼロ・プロジェクト第6弾として「STOP ROAD RAGE」のPR動画をWEB限定で、2019年5月13日(月)に公開しました。

怒りは、速度で、凶器に変わる STOP ROAD RAGE(90s)

 昨今問題となっている「あおり運転」が引き起こされるまでの加害者と被害者の心理的な描写を、紙人形を使ったストップモーションアニメーションで表現。動画冒頭の和やかで可愛らしいシーンから一転、ラストに近づくにつれて怒りの感情に塗れた加害者の心理描写はショッキングです。

 切り絵アニメーションを担当したのは、アニメーターの岡本将徳さん。動画の総コマ(カット)数は約1,320コマ、総勢約535体もの人形が登場します。

 また、「あおり運転」の被害者・加害者にならないために、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会が提供する怒りの感情と上手に付き合う心理トレーニング法「アンガーマネジメントテクニック」と、運転をしたことのある20代~60代の男女420名を対象にした「危険運転と怒りに関するアンケート調査」結果も特設サイトに掲載されています。

 同社は、自動車販売を生業とする企業として、「あおり運転」の悲しい状況をなんとかしたい、と強く感じていたとのこと。「あおり運転や、急な割り込みなど危険運転をされたことがあるか?」との問いに対して「ある」と回答した人は76%(出典:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会)という調査結果を受け、交通事故ゼロ・プロジェクト第6弾として動画を制作し、「イライラ・あおり運転をやめよう!」という啓発を行なうことにしたとしています。

 「ROAD RAGE(ロードレイジ)」とは、自動車走行中の追い越しなどに対して、あおり運転や、進路妨害するといったドライバーの報復行動のことを指しています。アメリカでは30年以上も前から社会問題になっており、日本でも例えば、あおり運転は7,000件以上(2016年)が検挙される事態となっており、社会問題となっています。

 「あおり運転」の危険性について企画を開発する上で調べていくと、その根幹はハンドルを握った時の“怒り”にあると思いったり、欧米ではSTOP ROAD RAGEの掛け声のもと運転中の“怒り”がどれだけ危ないものかを啓発。まずはそのことを伝えたいと考えたとしています。はじめはささいな“怒り”でも、速度によって悲劇も加速していくことを多くの人に感じてもらうために、切り絵のストップモーションという手法で表現。何気ない“怒り”が速度によって徐々に“凶器”へとトランスフォームする様子を描くことで、誰もがその加害者にも被害者にもなることの恐ろしさを感じてもらえればとしています。

動画内容

怒りは、速度で、凶器に変わる STOP ROAD RAGE(15s)

 爽やかな青空の下、一人の男性がランニングをしています。すると、自転車がベルを鳴らしながら歩いている男性のスレスレを通り過ぎ、男性は少し危ない目に遭います。

 イライラを象徴しているのか、オレンジ色に色づく男性。柔らかかった表情も少しこわばります。次に予定があるのか、時計を見て時間を気にしながらランニングを続ける男性の横を、親子が横切ります。

 男性の前を走り始めた親子は、ゆっくりと走ったり遠くにいる犬を見る為に突然立ち止まったりと、マイペースに走っている様子。そんな親子に、後ろを走る男性はイライラし始めました。

 なかなか走り出さない親子に、男性のイライラはMAXに。男性は親子との距離をつめ始め、そんな後方の異変に親子も気が付きます。親子は危険を感じて男性に道を譲るために左右に避けますが、男性はしつこく追ってきます。どんなに逃げても追いかけてくる男性。緊張状態が続く父親の心は疲弊し、子供は泣き顔です。

 怒りに塗れた男性は既に人の形をしておらず、炎の形をした化け物のような姿に。迫りくる男性に、父親は泣きじゃくる子供を抱え込んでひたすら走って逃げます。そして響くブレーキ音。

 「怒りは、速度で、凶器に変わる。」とのテロップが登場した後、電柱にぶつかった車と、怒りに満ちた色をした車が交通事故を起こしている映像に切り替わります。どうやら男性と親子のランニングの様子ではなく、「あおり運転」を表現した内容だったようです。風に吹かれた後続車の紙人形の裏側に書かれた「STOP ROAD RAGE」の文字が映し出され、動画は終了します。

 また、「STOP ROAD RAGE」PR動画の公開を記念して、メイキング動画も公開されました。紙を出力し、裁断し、塗装するという一体の人形が完成するまでの流れや、路上に人形を配置して、寝そべりながら撮影する様子など、こうやって作っていたのか、という発見や驚きの詰まったメイキング動画となっております。

岡山トヨペット STOP ROAD RAGE メイキング動画

誰もが「あおり運転」の被害者・加害者にならないためのアンガーマネジメント方法

 誰でも怒りはコントロールすることができます。アンガーマネジメントとは、怒りの感情と上手に付き合う(マネジメント)ための心理トレーニング。著名なスポーツ選手なども取り組んでいる方法です。

【気持ちを落ち着けるアンガーマネジメントテクニック】
1.6秒ルール
 どんなにイラっとしても6秒待ちましょう。

2.家族の写真など大切なものを見えるところに置く
 家族や恋人、ペットの写真など自分にとって大切なものを、車に乗っていればサンバイザーやダッシュボードなどの見えるところに置きましょう。

3.気持ちが落ち着く言葉を自分に言い聞かせる
 自分にとって気持ちが落ち着く言葉を見つけて、自分に言い聞かせてみましょう。

4.深呼吸をする
 気持ちを落ち着かせる意味でも、ゆっくり深呼吸しましょう。

【ロードレイジの加害者・被害者にならないためにできること】
・目的地に余裕を持って到着すること。
・割り込まないこと。
・緊急時以外にクラクションを鳴らさないこと。
・他の運転者を挑発、あおらないこと。
・追い越し車線でゆっくり走らないこと。
・危険運転者には抜いてもらうこと。
・絶対に車から降りないこと。
・相手の車が見えなくなるまでやり過ごすこと。 など

危険運転と怒りに関するアンケート調査結果(出典:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会)

【危険運転と怒りに関するアンケート調査結果概要】
・90%以上の人が運転中のイライラを経験。
・運転中のイライラを経験した人の60%以上があおり運転などの危険運転を起こす可能性のある予備軍…?
・8割の人が危険運転の被害経験あり!
・あおり運転などの危険運転の被害に遭いやすいのは、軽自動車または小さ目の車に乗る機会の多い女性?
・前を走る車の速度に加え、蛇行運転やクラクションなど、他の車からあおられたときにイライラしやすい

【調査概要】
調査期間:2018年5月11日~5月13日
対象人数:420人
対象情報:20代~60代の男女
調査方法:インターネット調査

 旅行や買い物に行くときなど、便利で楽しい車の運転。しかし、運転をしていると渋滞にハマったり、長時間運転により緊張状態が続くなどイライラすることも多いはず。まず初めに運転していてイライラしたことがあるかどうかを聞いてると、90.2%もの人が、運転中にイライラした経験があると回答。

 その運転中のイライラをおさえるためにどのような対処法をとるのか尋ねてると、「特に何もとらない」と回答した人が39.1%。この結果から9割もの人が運転中イライラしているにも関わらず、運転中にイライラした際それをおさえるための行動を何もしない人が約4割もいるという危険な事実が判明。

 また、運転中にイライラした際、「イライラするだけで特に何もしない/したくならない」と回答したのはわずか39.6%で、「必要以上にスピードを出してしまう、または出したくなる」、「前の車をあおってしまう、またはあおりたくなる」など、60%以上の人がロードレイジを犯してしまう可能性があるという結果が出ました。このことから、多くのドライバーは運転中にイライラすることがあり、そのイライラが原因で、あおり運転などの危険運転が横行していると考えられます。

 そんな危険なロードレイジですが、運転中、あおり運転や急な割り込みなど、周りの車に危険な運転をされたことがあるかどうかを聞くと、「ある」と答えた人が76.2%もいることが判明。

 どのような状況の時に、危険運転などの被害に遭ったのかを聞くと、「速度を落として運転をしていたとき」(43.9%)が1位になる結果に。次いで、「軽自動車または小さめの車に乗っているとき」(39.2%)が2位。さらに「軽自動車または小さめの車に乗っているとき」の男女割合を調査すると、回答した人の半数が女性ということも同時に判明。このことから、運転中、あおり運転などの危険運転の被害に遭いやすいのは、速度を落として運転をしているドライバーはもちろん、軽自動車や小さ目の車に乗る機会の多い女性であるというショッキングな事実が明らかになっています。

 運転中イライラしてしまう人の原因で最多は「、前の車の速度が遅いとき」(74.7%)、次いで「渋滞にはまったとき」(59.1%)でした。さらに、「蛇行運転など、後ろの車からあおられたとき」が 52.0%、「クラクションを鳴らされたとき」 が 34.8%と高い数字となり、このことから、前を走る車の速度に加え、蛇行運転やクラクションなど、他の車からあおられた時に“怒り”を感じやすく、ロードレイジがロードレイジを生む可能性が高いということが判明しています。

【日本アンガーマネジメント協会からのコメント】
 ロードレイジは日本ではまだまだ認知度が高いとは言えない状況です。その一方であおり運転、危険運転などを含むロードレイジの摘発件数は右肩上がりに増えています。弊会としてロードレイジを撲滅したい思いの下、様々な活動をしてまいりましたが、今回、岡山トヨペットと一緒に啓発活動をできることを非常に喜ばしく思っています。

 動画では、ロードレイジが何の前触れもなくやってくる身近に潜んでいる危険であることを改めて感じていただくことができるのではないでしょうか。今回のプロジェクトをきっかけに多くの人にロードレイジの危険性が伝わることを期待しています。

[古川 敦]