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「いきなり!ステーキ」「ペッパーランチ」創業者、一瀬邦夫氏が衝撃の引退から1年、初エッセイ「一瀬邦夫81才の男の子!」が刊行~「都バスに初乗車」「まんまとやられた振り込め詐欺」「まだまだこれからだ!」

[2024/3/8 14:46]

 英智舎が、「いきなり!ステーキ」「ペッパーランチ」創業者の一瀬邦夫氏著「一瀬邦夫81歳の男の子!」を2024年2月29日(木)に出版しました。四六判248ページで、1,980円(税込)。

 「都バスに初乗車」というタイトルではじまる本書は、コック帽を被って腕を振るう料理人でもなければ、東証一部上場企業の経営者として、キリッとスーツに身を包んだ華やかな姿でもなく、突然の退職後、たっぷりとした時間を与えられた等身大の「一瀬邦夫」が、一個人としての日常を綴ったもの。

 自らの過去を振り返り、見つめ、思考する一瀬氏の姿が描かれ、長い間、大組織のトップとして号令・命令で思うことが実現できたのに、辞任後は、真っ先に感じたのは、自分1人しかいない、という現実。「今更ながらに考えてみると、私は時間の使い方のレパートリーが少ない。毎日が日曜日では、人生のメリハリがない」(本文より抜粋)

 株式会社ペッパーフードサービスの社内報に毎月掲載されていた筆文字のメッセージや、昭和時代の貴重なモノクロ写真とともに、「社長業を退職した後の人生をどう生きていくか」を模索する姿が、自身の言葉で包み隠さず綴られています。

 「あれほど時間の制約の中で働いてきた私だが、もっと自由な時間がほしいと思った記憶はない。自由な時間がなくても平気だった。しかしその分、定年がある勤め人と違い、退職時期が明確でなかったこともあり、降って沸いた時間の使い方は、ズブの初心者だ」(本文より抜粋)

18歳、コック見習いのころ。キッチンナポリ吉原店の店先にて

 高校卒業から実に62年もの年月を、時間の制約のなかで働き続け、

27歳で「キッチンくに」を創業。大きく舵を切って専門店「ステーキ洋食くに」へ。
51歳で「ペッパーランチ」を開業。
71歳で「いきなり!ステーキ」創業、大ブレイク。全国49都道府県に総計503店舗の出店。
マザーズ上場、東証二部上場、東証一部上場(近年東証プライム市場へ移行)。
米国ナスダック市場へも日本の外食企業として初の上場を果たす。

 「現役の社長だったころは仕事に追いかけられていたが、現在は仕事を『追いかけている』感が強い」(本文より抜粋)

50歳のとき、「ペッパーランチ」のデモンストレーション。2~3店舗目で、「これから広がるぞ!」と大展開を予感しての出店

 81歳を迎えた一瀬氏は、一大決心で新たなチャレンジに舵を切り、動き出します。退屈で非・エキサイティングな日々から希望への道を思い描き、自分で自分を誘導し、入り口まで辿り着きましたが、入った瞬間から、その先が真っ暗闇。実に不安な局面が待っていました。

 「『これって夢じゃないんだ、現実なんだ』と何度も思った。しかし、夢であって欲しいとは思わなかった」(本文より抜粋)

目次

都バスに初乗車/独創だった「いきなり!ステーキ」/毎日が日曜日?/
ウィンストンの女性/自由な時間は最高の贅沢/愛車ベンツとの別れと始まり/
社内報への想いスキンヘッドは決意の表れ、己に勝つ証/日記は人生の価値を3倍にする/
出前用の金ピカ幟をなびかせ伊豆半島へドライブ/ハーレーでマーケティングの先駆け/
奇人変人を生んだ火箸事件/幻の「自動磁石装填箸製造機」/
腰痛持ち3000万人のみなさんへ朗報です/長く経営者を務め終えた現在の心境/
まんまとやられた振り込め詐欺/白内障の手術/階段の上手な上り下りの要点/
私の好きな温度、妻の好きな温度/我が家の文鳥のピーちゃん/
まだまだこれからだ!(ほか)

【著者プロフィール】
一瀬邦夫(いちのせ くにお)
1942年生まれ。
51歳で「ペッパーランチ」のフランチャイズを展開。
71歳で「いきなり!ステーキ」のファウンダーとなり、48都道府県に総計503店舗出店し、東証二部・一部上場を達成。
2022年8月、代表取締役社長を辞任。81歳で和牛ステーキ専門店「和邦」の創業を果たす。

[古川 敦]