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思春期に女子と面と向かって話せなかった原体験から生じた妄想や欲望シリーズの7年ぶりの完全撮り下ろし! 青山裕企写真集「NEW SCHOOLGIRL COMPLEX」が発売決定~均一な制服の下に隠さた個性 [写真8枚]

[2025/11/12 22:35]

 徳間書店が、写真家・青山裕企氏の写真集「NEW SCHOOLGIRL COMPLEX」を2025年11月28日(金)に発売します。A5変144ページで、価格は2,970円(税込)。

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 「スクールガール・コンプレックス」は、写真家・青山裕企氏が2006年から継続して制作している代表的シリーズ作品。これまでのシリーズは写真集として異例のベストセラーを記録し、2013年には森川葵さん、門脇麦さん主演で映画化もされました。

 このシリーズは、「同級生の女子と目を合わせたり、正面から会話を交わすことさえできず、今ではその顔すら記憶に残っていない」そのような青山氏の個人的体験に根ざした「コンプレックス」を起点として生まれました。

『NEW SCHOOLGIRL COMPLEX』(徳間書店)写真◎青山裕企
『NEW SCHOOLGIRL COMPLEX』(徳間書店)写真◎青山裕企

 透けるシャツや靴下、チェックのスカートから伸びる足、膝裏、ほくろやかさぶた―。均一な制服の下に隠されつつも確かに存在する個性の痕跡は、青山氏にとって妄想や欲望の対象であると同時に、強い恐怖や畏れを伴うものであったといいます。

『NEW SCHOOLGIRL COMPLEX』(徳間書店)写真◎青山裕企
『NEW SCHOOLGIRL COMPLEX』(徳間書店)写真◎青山裕企

 その複雑な感情を写真表現へと昇華し、均質なイメージの中に潜む差異を「記号」として抽出することを試みています。

『NEW SCHOOLGIRL COMPLEX』(徳間書店)写真◎青山裕企

 シリーズ最新作となる「NEW SCHOOLGIRL COMPLEX」は、シリーズの7年ぶりの完全撮り下ろしで、撮影の焦点は「青山と少女との距離感」から「少女同士の関係性」へと広がりを見せています。

『NEW SCHOOLGIRL COMPLEX』(徳間書店)写真◎青山裕企
『NEW SCHOOLGIRL COMPLEX』(徳間書店)写真◎青山裕企

写真家・青山裕企氏のコメント

 2006年から2021年にかけて撮影してきた「SCHOOLGIRL COMPLEX」は、いわば私のスクールガール(思春期の頃の女性に対する)・コンプレックスだったのですが、撮影および年を重ねることによって徐々に解消されていったように思います。

 2022年から撮影している本作「NEW SCHOOLGIRL COMPLEX」は、群れることによって起こる関係性の複雑さについて、女性たちのコンプレックスを通して描いてみようという試みなのです。

【プロフィール】
Yuki AOYAMA 写真家 Photographer
 1978年、愛知県名古屋市生まれ、東京都在住。2002年、自転車で日本縦断の旅を経て、世界二周の旅の道中で写真の道で生きることを決意する。2005年、筑波大学人間学類心理学専攻卒業後、上京して写真家として独立。2007年、キヤノン写真新世紀優秀賞受賞。2009年より写真集などの著書を120冊以上刊行(翻訳版も多数)。《スクールガール・コンプレックス》は、2013年に映画化。写真集は累計10万部以上のベストセラーとなる。時代のアイコンとなる俳優・アイドル・タレントの写真集の撮影を担当している一方で、《ソラリーマン》《スクールガール・コンプレックス》《少女礼讃》など、「日本社会における記号的な存在」をモチーフにしながら、自分自身の思春期観や少女・父親像などを反映させた作品を制作している。

[古川 敦]