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【食レポ】秋葉原でご当地グルメが楽しめる「B-1グランプリ食堂 AKI-OKA CARAVANE」の新メニュー8種類を堪能!

[2015/10/26 10:32]

 JR東日本グループが運営する商業施設「B-1 グランプリ食堂 AKI-OKA CARAVANE」は、7月10日のオープン以降、日本各地のご当地グルメを一度に楽しめる場所として多くの方々に親しまれてきましたが、10月23日(金)より8つの地域のご当地グルメを新たに提供する「第2章」をスタートしました。

B-1グランプリ食堂 AKI-OKA CARAVANEの入口へと近づくと、新たに加わった商品の幟が目立ちます

 「第2章」ではこれまでの一部メニューを入れ替える形でご当地グルメの新メニューを追加。追加されたのは、四日市とんてき、いちのせきハラミ焼、山形芋煮カレーうどん、なよろ煮込みジンギスカン、本荘ハムフライ、出雲ぜんざい、小樽あんかけ焼きそば、上対馬とんちゃんの8品です。

 既存メニューでは、勝浦タンタンメン、十和田バラ焼き、津ぎょうざ、久慈まめぶ汁、甲府鳥もつ煮、今治焼豚玉子飯、なみえ焼きそばが引き続き楽しめます。。

 今回第2章で楽しめる料理を何から食べていこうか迷いましたが、四日市とんてきに始まり、最後に上対馬とんちゃんで締める順番で新メニューを堪能してきました。

10月23日より8品を追加。メニューリストを見ると心なしか東日本エリアの料理が多い気がします

 まず、「四日市とんてき協会」監修の「四日市とんてき」から食べてみることに。「四日市とんてき」を名乗るには、(1)黒っぽい濃い味のソース、(2)厚切りの豚ロース肉を使用、(3)にんにくが添えられている、(4)千切りキャベツの付け合せ―という4つの条件を満たす必要があるそうです。とんてき自体は豚のステーキのことなので特に珍しさはありませんが、甘味とコクのあるソースが柔らかなロース肉に絡んで美味しく、千切りキャベツとあわせて食べるとくどさを感じずに完食できます。

四日市とんてきは、キャベツの千切りの上にとんてき(豚肉ステーキ)が乗った料理
四日市とんてきは柔らかなお肉と甘味とコクのあるタレが絡んで美味しく、千切りキャベツとあわせて食べると後味さっぱり

 続いて、「いちのせきハラミ焼なじょったべ隊」監修の「いちのせきハラミ焼」を。ハラミと言えば、焼き肉店などでは牛ハラミを見かけることはありますが、いちのせきハラミのハラミはなんと鶏ハラミ。

 鶏ハラミは昔から一関市ではよく楽しまれていたそうですが、加工の処理の問題からハラミがついたまま鶏がらとして市場に出荷していました。鶏ハラミ復活のきっかけは、鶏ハラミがついたままの鶏がらからハラミを切り出して食べてみた時に美味しかったからとのこと。

 今日では鶏ハラミ加工の人材を確保することで、いちのせきハラミとして鶏ハラミが楽しめるようになったそうです。そんな経緯で生まれた「いちのせきハラミ焼き」はハラミとあって柔らかでさっぱりとした味わいが特徴で、甘辛い味付けもあいまって、ご飯がすすむ味わいに仕上がっています。

「いちのせきハラミ焼」は焼肉のメニュー表で見かける「牛ハラミ」と違って「鶏ハラミ」を使用した郷土料理
牛ハラミ同様に「いちのせきハラミ焼」に使用される鶏ハラミも柔らかな食感が特徴で、甘辛い味付けもあいまってご飯がすすむ味わいです

 続いては、「山形芋煮カレーうどん」を。山形県の郷土料理といえば芋煮会でおなじみの芋煮が有名ですが、もともと「山形芋煮カレーうどん」は芋煮会のシメの一品として愛されていたことから、独立した郷土料理となったそうです。

 芋煮がベースなので使用されている具材は里芋、お肉、きのこ、こんにゃくと、芋煮で見かける具材が目立ちます。「山形芋煮カレーうどん」はシメの一品を郷土料理化したとあって見た目には華はありませんが、肉やきのこの旨みがルーに染み込み、素朴ながらもしっかりとした旨みを感じます。

山形芋煮をカレーうどんにしたような「山形芋煮カレーうどん」は、芋煮で見かける里芋、お肉、きのこ、こんにゃくが入っているのが特徴
派手さはありませんが、きのこや肉の出汁が効いたカレーうどんはなかなかの美味しさです

 続いて、「はなよろ煮込みジンギスカン」をいただきました。ジンギスカンといえば一般的に野菜や肉を焼く料理のイメージが強いのですが、「なよろ煮込みジンギスカン」はその名の通り、タレに漬け込まれた羊肉を野菜やうどんなどと一緒に煮込んで作ることが特徴です。

 そのため、「なよろ煮込みジンギスカン」の具材はひたひたに煮こまれており、全般的に柔らかな食感。タレで煮込んだことの影響か、羊肉独特の臭いも一般的なジンギスカンと比べると感じにくく、羊肉独特の臭いが苦手な方にもオススメです。

一般的なジンギスカンは焼料理ですが、なよろ煮込みジンギスカンはクタクタに肉や野菜が煮こまれた鍋料理です
タレに漬け込んだ羊肉を煮込んだことで、羊肉独特の臭みはそれほど強くはなく、具材全般が柔らか食感なのが特徴的

 続いては「本荘ハムフライ」を。「本荘ハムフライ」は、豚肉100%のプレスハムを小麦粉、卵、パン粉をつけてフライにしたものが必須要件。さらに、由利本荘市で生産された豚肉を使ったハムであること、という希望条件があるそうです。また、揚げ油にラードが混入されているのが望ましいとのこと。

 揚げものメニューということで、「本荘ハムフライ」は「津ぎょうざ」と同じブースで提供されます。肉々しいハムが入った揚げたてのフライとあって当然ながら美味しく、「津ぎょうざ」よりも油を吸う部分が少ないことから、手軽に食べるファストフードとしての完成度は「本荘ハムフライ」が優っていると感じます。

 余談ですが、「本荘ハムフライ」のパッケージには由利本荘市の紹介がなされ、地元をアピールしたいという意気込みが伝わってきます。

「本荘ハムフライ」は、豚肉100%のプレスハムをサクッとフライにした郷土料理で、シンプルながらもハムの旨みを感じる郷土ファストフード
「本庄」という名前から埼玉県本庄市名物と誤解されないよう、パッケージでも「本荘ハムフライ」は秋田県由利本荘市の郷土料理であることをアピール

 続いては、紅白の丸もちが入った「出雲ぜんざい」を。ぜんざいは主に小豆を砂糖で甘く煮て、この中に餅や白玉だんご、栗の甘露煮などを入れた日本の食べ物ですが、出雲はぜんざい発祥の地と言われ、出雲地方の「神在(じんざい)餅」に起因する説があります。

 関東では汁がないあんこが入った物を「ぜんざい」、汁のあるものは「おしるこ」と呼びますが、関西では汁ありでこしあんを使ったものを「おしるこ」、汁ありでつぶあんを使ったものを「ぜんざい」と呼び、出雲ぜんざいは関西ルールで言えば「ぜんざい」な一品です。余談ですが、関西で汁のないものは「亀山」または「小倉」と呼ぶそうです。

 関東のしるこやぜんざいでは焼いた角もちが使われることが多いのですが、出雲ぜんざいは西日本風に茹でた紅白丸もちを使用。「出雲ぜんざい」の丸もちはもちもちとした食感を強く感じ、小豆の粒が大きめでシャバシャバしていること、そして甘さ控えめなのでスイーツと言うよりもおかずとして楽しめるぜんざいです。

紅白の丸もちが入った「出雲ぜんざい」は、甘さ控えめで食べやすいのが特徴的
「出雲ぜんざい」は心なしか小豆が大きいような気がします

 続いて、寿司で有名な小樽の郷土料理「小樽あんかけ焼きそば」をいただきました。「小樽あんかけ焼きそば」は昭和30年代から今日にかけて小樽市民に愛されている料理で、過疎の進む小樽市のPRのために市民団体の普及活動の結果、ご当地グルメとして知られるようになりました。

 寿司をはじめとした海産物に定評のある小樽市の郷土料理とあって、小樽あんかけ焼きそばの具材には海産物の海老を使用。麺は焼き目がついている部分とそうでない部分との食感の違いがよく、もちもち食感とパリパリ食感の2つの歯ごたえが楽しめるので食べ飽きる心配がありません。

お寿司が美味しいと評判の小樽市の郷土料理とあって、「小樽あんかけ焼きそば」は海老の存在感が大きいです
麺は焼かれている部分とそうでない部分の食感の違いが心地よく、塩気は強めなのでお酒のつまみにピッタリ

 最後は、ツシマヤマネコで知られる上対馬の郷土料理、「上対馬とんちゃん」を。「上対馬とんちゃん」は、豚のロース肉を、醤油や味噌をベースとしてにんにく、ごま油など数種類の調味料に漬け込んだ料理。

 柔らかなロース肉を使った「上対馬とんちゃん」は味噌の風味が強く塩気が若干強く感じますが、肉の下にはたくさんの炒め野菜がスタンバイし、肉で野菜を巻き込むように食べると野菜の汁気で塩気が薄まってちょうどよい塩梅な塩加減で柔らかな豚ロース肉味を楽しめます。

ツシマヤマネコで知られる対馬からは、大きな豚肉が使われた「上対馬とんちゃん」が登場
柔らかな豚肉の食感と味噌の風味が強く、とんちゃん単品では若干塩気が強いものの、肉の下に引かれた野菜を巻いて食べると程よい塩気で楽しめます

 今回飲み物は、愛媛のみかんを使った「愛ハイ」を注文。「愛ハイ」は甘控えめながら100%みかんジュースを使用したハイボールとあって、柑橘系ならではのすっきりとした香りを感じます。

愛媛のみかんを使用したさっぱりとした「愛ハイ」を食後に堪能

 今回10月23日から提供開始された8種類の郷土料理を食べてみましたが、どちらかといえばその一品だけ食べて帰る料理よりも、なにかメインになるご飯メニューや麺メニューにプラスして注文するおかずになるメニューが多いように感じました。

 新メニューの提供と同時に、これまでの利用客の要望を受けて「ご飯単品」の提供も開始されたため、ご飯単品を一緒に注文することで、「のっけどん」のような楽しみ方もできそうです。

[池延大栄(大帝オレ)]