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2017年、若手米でおにぎりに合うお米が決定! トップは山形の…… ~おにぎり協会が第一回「おにぎり食味会」を開催

[2017/1/6 12:25]

 一般社団法人おにぎり協会が5日、デビューから10年以内の注目の9品種を「おにぎり向きのコメ」かを8つの評価項目で評価する「おにぎり食味会」を実施した評価結果を発表。「つや姫」、「銀河のしずく」、「ゆめぴりか」の上位3銘柄を入賞としました。

 “おにぎり向きのコメか”を判断するため、「食味」「食感」「適度な硬さ」「ねばり」「のどごし」「くちほどけ」「包容力」「冷めて旨い」の8つの評価項目を設定し、日本初という有識者による「おにぎり食味会」を2016年12月4日に開催。小池理雄さん(五ツ星お米マイスター 三代目小池精米店)、中村祐介さん(一般社団法人おにぎり協会代表理事)、清水むすびさん(一般社団法人おにぎり協会理事)が参加しました。

【エントリーした10品種】
「ゆめぴりか」(北海道/金賞ゆめぴりか)
「青天の霹靂」(青森県)
「銀河のしずく」(岩手県)
「つや姫」(山形県/鶴岡市井上農場)
「ふくまる」(茨城県)
「新之助」(新潟県)
「みずかがみ」(滋賀県)
「結びの神」(三重県)
「おいでまい」(香川県)

 すべての銘柄で同一炊飯器(三菱電機 ジャー炊飯器:本炭釜 KAMADO)を使用し、研ぎ回数、浸水時間、水分量、炊飯方法(お急ぎモード)等、同一条件で炊飯。調理はすべて、同一人物。いずれも海苔なしの塩にぎり。「炊きたて・にぎりたて」の状態で7項目、「にぎってから4時間後」に「冷めて旨い」を採点。8項目の基準に対し、審査員3名が5点満点(各項目15点満点)で計8項目で120点満点となります。

【評価8項目】
「食味」甘み、旨味
「食感」粒感
「適度な硬さ」歯ざわり、歯ごたえ
「ねばり」ねばり
「のどごし」のどで感じる心地よさ
「くちほどけ」上あごと舌など、口内で感じる心地よさ
「包容力」具材との相性、相性の良い具材の幅
「冷めて旨い」4時間後の食味全般

 今回調査で最も評価が高かったのは山形県産「つや姫」(合計97点)で、この品種の特長でもある「粒感」(13点)や、おにぎりで重要な要素とされる「包容力」(14点)「冷めて旨い」(11点)の3要素でトップ評価。その他の要素もすべて全体の2位評価と、全8項目においてバランスのよさが際立ち、トータル97点と極めて高い評価となりました。

 「甘みの広がりは特筆もの。張りがあって粒の中身の味が分かる。米飯としては非常に食べ応えのある、力のある逸品である」(小池さん)や「粒感があって、おにぎりとして食べると食べごたえもあり、楽しめる」(中村さん)と、コメそのものが持つポテンシャルを審査員全員高く評価しました。

 続いて評価が高かったのは、岩手県産「銀河のしずく」(合計91点)。「食感」(13点)「適度な硬さ」(12点)「のどごし」(13点)の3項目でトップ評価。「くちほどけ」「包容力」「冷めて旨い」の3項目で2位評価が。「口の中でぱらぱらとひと粒ひと粒が離脱する感じ。甘みもしっかりと伝わるのでおにぎりとして非常によい」(小池さん)と、ごはんの状態よりも、おにぎりにした時に力を発揮する銘柄として選ばれました。

 3位は、北海道産「ゆめぴりか」(合計87点)。市場でも評価の高い「食味」(13点)、特徴的な「ねばり」(14点)、おにぎりで最も重要な「冷めて旨い」(11点)の3項目でトップ評価。「粘りがあるため包容力がある、冷めてからの甘みを強く感じる」(小池さん)や「冷めてからも甘みがある」(中村さん)との声がある一方、「くちほどけしにくい」「個性的な銘柄ゆえ、おにぎりにすると好みが分かれる」といった意見があったとしています。

[古川 敦]