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「はやぶさ2」の「リュウグウ」への着地の瞬間が動画で公開! 寄付で搭載された小型カメラの撮影映像233枚から作成

[2019/3/5 23:02]

 JAXA「はやぶさ2」プロジェクトで、2014年12月3日に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」は、2019年2月22日午前7時29分(日本時間)に、「小惑星リュウグウ」(Ryugu、確定番号162173)の着地予定地点、半径3mに精度1mで着地。この人類の手が新しい星に届いた瞬間が、動画で公開されました。

「はやぶさ2」搭載小型モニタカメラ撮影映像 / Images from CAM-H

 「はやぶさ2」には国民の寄付で小型カメラを搭載。この小型カメラで2月22日07:26から07:32の間に、撮像頻度を変えながら約5分40秒間撮影され、この間取得された233枚の画像を繋ぎあわせて作られた動画が公開されました。

 「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」に着地し、サンプルを採取した、「人類の手が新たな星に届いた」瞬間の連続画像が見られます。動画の再生速度は実際の時間の5倍速です。

小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会のライブ中継(配信)


 3億km以上遠方の「リュウグウ」の着地予定地の半径はたったの3mほど。様々な工夫を尽くして挑戦した結果、実際には、中心点から誤差約1mで着地しました。当初の設計は、半径50m以内の着地だったので、「野球場に行くだけのつもりが、ピッチャーマウンドに降りろと言われ、最後はストライクまで決めてしまった、という感じでしょうか」(JAXA)とのこと。

 「はやぶさ2」は、大きな岩にぶつかることなく、安全に着地、上昇。試料採取用に表面に撃った弾丸などによって、白や黒に見える多数の破片・粒子(数十cmの岩も)が飛散する様子も見えます。ほぼ同じ高度での降下中・上昇中の画像を比べると、飛散の様子が分かります。

 はやぶさ2が着地した地点に「たまてばこ」という愛称が付けられました。はやぶさ2の下面にあるサンプラホーンという1m程の筒の先端が着地する際に、金属製の弾丸を地面に撃ち、表面から出た物質を採取する仕組みになっています。表面から多数の破片・粒子が飛散していることから、試料(お宝)を採取できていることが期待されます。

 残念ながら、リュウグウの試料を採取できたことを直接確認する方法はないので、2020年末の地球帰還するまでのお楽しみです。

※画像クレジット:JAXA
※協力:東京理科大学 木村研究室(小型モニタカメラには、過去にJAXAと理科大が実施した共同研究の成果、技術が応用されています)

[古川 敦]