ライフ

木製ベビーベッドで乳児が窒息する重大事故が発生! 国民生活センターが扉付き収納のある高さ調整できる木製ベビーベッドに注意喚起~安全基準適合マーク付きでも発生の可能性

[2019/11/19 19:34]

 国民生活センターが15日、木製ベビーベッドの収納扉が不意に開き乳児が窒息する重大事故が発生していると注意喚起をしています。下部に扉付きの収納部分があり、床板の高さを調整できる木製ベビーベッド(収納扉付床板調整木製ベビーベッド)の使用中、収納部分の扉が不意に開いたために、乳児の頭部が隙間に挟まって窒息し、死亡あるいは重体に陥ったという重大事故などが2019年6月と、9月に2件発生しています。

 事故が発生したベビーベッドは、以下のような構造で、事故発生時は床板が中段に設定されていたとのことです。この事故は、安全基準に適合したマーク(PSC、JIS又はSG)が貼付された製品でも、収納部分の扉のロックを完全に掛けなければ発生する可能性があります。

1.木製のベビーベッドの下部に収納部分がある。
2.収納部分には、扉が付いている。
3.床板の高さを3段階に調整できる。
4.前枠は上下にスライドして開閉できる。

事故発生時のイメージ及び収納扉付床板調整木製ベビーベッドの構造。収納扉付床板調整木製ベビーベッドの収納部分の扉が開いており、敷具と収納部分の上枠の隙間から乳児ダミー人形の足から肩までがベッドの外に出て、頭部は隙間に挟まりうつ伏せの状態になっている

 国民生活センターが、事故が発生したベビーベッドと同構造のものを購入し、発見時の状況から推定される事故状況の再現テストを実施。その結果、収納部分の扉のロックが不完全でも、上枠にピンが押し当てられて扉が開かない程度に固定される場合があることが分かったとのこと。

ベッド内でうつ伏せの状態になっている乳児ダミー人形頭部の写真。頭部は隙間に挟まり口と鼻が敷具に押し付けられている

 この状態で、乳児ダミー人形の身体が接触すると扉は容易に開き、一旦、収納部分の上枠と敷具の間にできた隙間から身体の一部がベッドの外に出てしまうと、ずり落ちるように足から肩までがベッドの外に出てしまい、乳児は頭部が大きいため、足から肩までが通った隙間を頭部は通ることができず、後頭部が収納部分の上枠に押されたように固定され、口と鼻が敷具に押し付けられる様子が再現されたとしています。

テストには、8~9カ月相当の乳児ダミー人形(身長約66cm、体重約8㎏、頭囲45cm、胸囲44cm)を使用
再現テスト

 国民生活センターでは、収納扉付床板調整木製ベビーベッドで、2件の重大事故等が発生したことから、使用しているベビーベッドの構造を確認して、事故防止のポイントを実践するよう呼びかけています。

 2件の重大事故等の収納扉付床板調整木製ベビーベッド、及び再現テストで使用した市販の収納扉付床板調整木製ベビーベッドは、いずれも床板の高さが3段階に調整できるもの。しかし、事故が発生するのは、床板が3段階に調整できるものに限らず、収納部分の上枠より敷具が下にある場合には、収納部分の扉が開いてしまうと、乳幼児が事故事例のように窒息したり、転落することが考えられます。

事故防止のポイント

1.扉を開け閉めする都度、扉を手で引っ張るなどして、収納部分の扉のロックが掛かっていることを必ず確認してください。扉が開かないように、収納部分の上枠と扉をひもで縛るなど、簡単に開かない工夫も有効です。

2.扉のロックを掛けることを習慣にしましょう。子供の月齢が低く、床板を高くしているため収納部分の上枠より敷具が上にある場合でも、子供が成長していくに連れて床板を下げて使用することになるので、習慣にすることが大切です。

3.収納部分の扉のロックが壊れていたら、直ちにベビーベッドの使用を中止してください。

[古川 敦]