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アサヒカメラ「ヌード、やめました。」 新年号の表紙に篠山紀信が選んだのは広瀬すず~128名の写真家が語るレンズも特集。「神レンズ」は存在する?

[2019/12/21 11:08]

 2019年12月20日(金)に発売された「アサヒカメラ2020年1月号」(朝日新聞出版/税別907円)は、「ヌード、やめました。」。

 現在79歳。日本写真界のトップを走り続けている篠山紀信さんは、1987年から毎年アサヒカメラ1月号の表紙と巻頭グラビアを飾ってきました。「写真は時代を写す鏡」と常に口にされている篠山さんが、令和になって初めての表紙に選んだのは、広瀬すずさん。しかも、スタジオや屋外ロケでカメラを意識したものではなく、舞台稽古中の1枚。

 その舞台とは、「Q:A Night At The Kabuki」。映画「ボヘミアン・ラプソディ」で再度日本中にブームを巻き起こしたロックバンドQUEENからの提案により、野田秀樹さんがアルバム「オペラ座の夜」にインスパイアされて舞台化した作品です。ホン読み、稽古、そして舞台を篠山紀信さんが撮影されたなかから、選びぬかれた写真が掲載されます。

 表紙だけでなく、33ページにわたる巻頭グラビアには、広瀬すずさんだけでなく、松たか子さん、上川隆也さん、志尊淳さん、橋本さとしさん、小松和重さん、伊勢佳世さん、羽野晶紀さん、竹中直人さん、そして野田秀樹さんらが登場します。

 「流れる曲は『Love of My Life』。不覚にもぼくは涙が止まらなかった」篠山さんがそう綴った、圧倒的な力に満ちた舞台。その空気までも伝わってくるような迫力の写真で、篠山さんが描き出します。

 また、岩合光昭さん・桜井寛さん・鈴木理策さん・高砂淳二さん・竹内敏信さん・森山大道さん・米美知子さん・ルーク・オザワさんら、128人もの名だたる写真家たちが、レンズについて語っています。風景やスナップなど、各ジャンルを代表する彼らが愛用するレンズとは? 「標準レンズ」とは、いったい何が「標準」なのか? ちまたでよく聞く「神レンズ」は、果たして存在するのか?

 レンズ設計、歴史、生まれた名玉といった知識欲を満たすのと同時に、次に自分が手にするべきレンズは何か、作品づくりにどう生かすか、ステップアップのためのヒントにも満ちた特集となっています。

[古川 敦]