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吹き出す炭酸水を何度も浴びて2年をかけて開発! ビールなど炭酸飲料をつめて冷たいまま炭酸飲料を持ち運べる! タイガー魔法瓶が国内メーカー唯一の「真空断熱炭酸ボトル」を本日21日(金)発売~強炭酸水にも対応

[2022/1/21 18:51]

 タイガー魔法瓶が、炭酸飲料対応の「真空断熱炭酸ボトル MTA-T050/080/120/150」を2022年1月21日(金)に発売します。カラーはカッパー<DC>、エメラルド<GE>、スチール<KS>の3色をラインナップ。価格はオープンプライスで、店頭予想価格(税込)は0.5L「MTA-T050」が6,000円、0.8L「MTA-T080」が6,500円、1.2L「MTA-T120」が7,000円、1.5L「MTA-T150」が7,500円。

 同社では、“炭酸飲料を保冷したまま持ち運びたい”という声に応えて、炭酸飲料を安心して持ち運べる国内メーカー唯一の真空断熱炭酸ボトルを開発したとのこと。同社の従来の真空断熱ボトルは構造上、ボトル内の圧力が上がるとキャップやふたなどの破損や破裂のおそれがあるという構造上の安全性の観点から、炭酸飲料を入れて持ち運ぶことを推奨していませんでした。

 新商品の「真空断熱炭酸ボトル」では、キャップ開栓時に炭酸ガスが抜けてふきこぼれや飛び散りを防ぐ「炭酸ガス抜き機構」や、万が一、ボトル内の圧力が異常に高まった際、炭酸ガスが自動で抜ける「安全弁」を備えた独自の炭酸飲料対応せん構造「Bubble Logic(バブル ロジック)」を採用することで、炭酸飲料の持ち運びが可能になっています。冷たくてフレッシュな炭酸飲料を、結露することなく安心して長時間保冷できます。

 さらに、ボトルの内面には独自の加工「スーパークリーンPlus(プラス)」が施され、ボトル内面の凹凸が少なく、加工なしのものに比べて、炭酸の気化を抑えるとしています。

 仕事中の気分転換や食事の際に爽快感やリフレッシュを求めて炭酸水を飲用している人や、コロナ禍の影響で注目されるアウトドアでの活動シーンで炭酸飲料を飲まれる人を中心に、炭酸ボトルで外出先にもフレッシュな炭酸飲料を冷たいまま持ち運び、最後までおいしく楽しめるとのことです。

 また、近年高まる衛生面へのニーズを受け、外出時でも安心して使用できるよう、せんの飲み口部分に銀系(Ag)抗菌剤をプラスチックに練り込んだ抗菌加工を施し、菌の増殖を抑える「抗菌性」、独自の安全基準を満たす「安全性」、抗菌についての「適切な表示」の3つの基準を満たしたSIAA認証の抗菌加工せんが使用されています。さらに、ストラップにも抗菌加工が施されています。

 ステンレス素材を活かしたカラークリア仕上げを採用。マットビーズを使用して、手触りにもこだわり、金属感は活かしつつ、炭酸をイメージさせる配色として、カッパー、エメラルド、スチールが採用されています。カッパーは、ビールの醸造所にあるタンクをイメージしたカラーで、炭酸の新鮮さを表現、エメラルドは、近年、サステナブルという視点からも注目されるグリーンで、炭酸水入りの瓶を想起させるカラー、スチールは生活の中の基調となるカラーで、あらゆるシーンにマッチするとしています。

 同社の真空断熱ボトルは、「NO・紛争鉱物」「NO・フッ素コート」「NO・丸投げ生産」「NO・プラスチックごみ」の4つの約束を掲げ、人権・環境・健康に配慮したものづくりを行なっており、冷たさとおいしさをキープした炭酸飲料を、環境に配慮しながら外出先やアウトドアシーンで楽しんでもらうことで、真空断熱ボトルの可能性をさらに広げていくとしています。

約2年の研究を経て開発! 「真空断熱炭酸ボトル」商品開発ストーリー

左から、開発第3チーム マネージャー 中井啓司氏、開発第3チーム 林真治氏、真空断熱ボトルブランドマネージャー 南村紀史氏、商品企画第1チーム 高田愛子氏

なぜ炭酸飲料対応の真空断熱ボトルを開発しようと思ったのでしょうか?

南村さん:タイガー魔法瓶は1923年の創業当初から最適な温度を維持したまま飲料を持ち運べる魔法瓶を開発しておりましたが、当社の真空断熱ボトルをご愛用いただいているお客様から、炭酸飲料をボトルに入れたいというお声をいただいておりました。社員の中にも炭酸飲料対応を求める声が上がり、「従来の固定観念を打ち破り、世の中にない新しいボトルを作ろう!」というスローガンのもと、真空断熱炭酸ボトルの開発がスタートしました。

そもそも、これまで真空断熱ボトルに炭酸飲料を入れることを推奨していなかったのはなぜですか?

中井さん:炭酸飲料をボトルに入れると、ボトル内の圧力があがることによって、せんやふたが開かなくなったり、中身が吹き出たりするおそれがあるため、長年推奨していませんでした。それらを防ぐせんの構造も確立されていませんでした。

どのように解決したのですか?

中井さん:キャップ開栓時に、ボトル内にたまった炭酸ガスが抜けるせんを開発する必要がありました。それらを叶えるのが、当社独自の炭酸飲料対応せん構造である「Bubble Logic(バブルロジック)」です。

 炭酸飲料用のペットボトルからヒントを得て、せんのねじ部分の2箇所に縦の溝を入れることで実現しました。せんを開封方向に回すと、せんが外れる前に内部の炭酸ガスを先に抜くことができる構造です。せんが開けにくくなることなく、少ない力で回し開けることができます。

 また、内部の圧力を逃す、もしものときの「安全弁」機能も開発しました。万が一、ボトル内部の圧力が異常に高まっても、Bubble Logic(炭酸飲料対応せん構造)に内蔵をされた安全弁が動いて溜まった圧力を逃します。この構造を開発するまでに、500回を超える実験を行ないました。開発時の試験では、担当者が吹き出す炭酸水を何度も浴びるなど、苦心の末、炭酸飲料対応せんの開発に成功しました。また炭酸飲料市場では、各社から続々と「強炭酸水」が発売されており、それらにも対応できるクオリティを追求しました。

ペットボトルと違い、冷たいまま持ち運べることが魅力ですが、炭酸の長持ち度合いの違いは?

南村さん:真空断熱ボトルの利点として、保冷機能があります。冷たさは炭酸保持につながるため、ペッドボトルより炭酸の気化を抑えられます。さらに、炭酸が抜けるもう1つの理由は、ボトルなどの内部表面の細かい凹凸に炭酸ガスがぶつかって気化が進むということです。

 それには、元から弊社にあった独自技術を活かしました。汚れやニオイがつきにくいように、ボトル内部表面の凹凸をなくすよう極限まで磨きこむ「スーパークリーンPlus」という独自の研磨技術です。

 ある日私がいつものように自宅で炭酸水を飲んでいた時にふと、「スーパークリーンPlusは、炭酸の気化を抑える効果があるかも」と気づき、すぐにその場で実験を行ないました。スーパークリーンPlus加工のボトルと、加工していないボトルにそれぞれ炭酸水を入れたところ、加工されたボトルは気化が少なく、もう一方のボトルは明らかに気化が多くみられました。

安全面、炭酸が気化しにくい点以外では、どのようなこだわりがありますか?

林さん:商品開発において特に工夫をしたせん(飲み口)は、デザインにもこだわりました。炭酸飲料に対応する、堅牢性と安全性を表現し、せんのサイドの2つの突起で、握りやすく回し開けやすいデザインを採用。せんにストラップをつけることで、せんの紛失を防ぎ、アウトドアシーンでも快適にご使用いただけます。

 また、ボトルの直径(太さ)は、0.5Lと0.8Lでは約75mm幅、1.2Lと1.5Lでは約91mm幅を採用しました。世界共通商品として、海外でも展開を予定しているため、グローバル基準の仕様にしました。もちろん、成型時に独自のスピニング加工(軽量加工)を施しているため見た目以上の軽さを実現しています。

容量は0.5L~1.5Lと4サイズ展開していますが、その理由は?

高田さん:炭酸飲料の利用シーンを広げていただきたく、一般的なペットボトルサイズの0.5Lから、最大1.5Lまで、4つのサイズを展開しています。1.2Lと1.5Lは実際に見ていただくと、しっかり容量があることが分かるかと思います。グラスなどに注いで、アウトドア/キャンプなどでの複数人でのご利用や、昨今増えている、クラフトビール店などのテイクアウトにもご利用いただけます。

今後はどのような使い方が想定されますか?

高田さん:無糖の炭酸水だけではなく、加糖の炭酸飲料、ハイボールやサワーなどのお酒にも対応しています。炭酸飲料がお好きなあらゆる方にお使いいただきたく、想定される使用シーンとしてはスポーツ観戦やレジャー、アウトドア/キャンプ、オフィス/テレワーク時での個人利用など様々です。いつでもどこでも冷たくフレッシュな状態で炭酸飲料を持ち運ぶことができる喜びを感じていただきたいです。

[古川 敦]