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くら寿司が一皿税込110円を税込115円に値上げ! 創業以来初となる基本価格を全面改定し税込220円皿は税込165円に~「皿単位の価格設定」を撤廃し、フレキシブルな価格設定が可能に

[2022/9/7 20:04]

 回転寿司チェーン「くら寿司」が7日、創業以来初めてとなるお寿司商品の基本の価格帯を、2022年10月1日(土)より全国のくら寿司488店舗(10月1日時点の出店予定含む)で全面的に改定すると発表しました。安心安全で、美味しいお寿司を永続的に提供し、持続的な経営と成長を目指すために、価格の全面改定が不可欠と判断し、お寿司商品の基本価格を現在の110円(税込)と220円(税込)から、115円(税込)と165円(税込)に改定するとしています。

 現在、世界的な人口増加やブームに伴う水産物の需要拡大、ウクライナに軍事侵攻したロシアに対する経済制裁の影響により、水産物の仕入価格が急激に上昇。また、昨今のエネルギー費、物流費、包材費の高騰や円安による為替の影響により、外食のコスト環境はより一層厳しい状況となっており、同社では「購買の工夫や効率的な店舗運営など、経営合理化および経費削減により、価格維持をめざしてきたものの、急速でかつ終わりの見えない現在のコストの高騰に対して、企業努力だけで吸収するには、非常に困難な状況にあると判断した」としています。

 なお、新価格帯を実現するために、回転寿司の象徴である「皿単位の価格設定」を撤廃。これまで「くら寿司」では、1皿の110円(税込)とお皿を2枚重ねた220円(税込)でしたが、会計時(お皿投入時)に異なる価格帯の商品を提供しても、自動で正しく計算できるシステムの構築により、皿の種類を変えることなく、フレキシブルな価格設定が可能になったとのことです。今後は、これまでの制限された価格設定にこだわらずに、より豊富なバリエーションで、魅力的な商品開発ができることから、もっと自由な選択肢を提案できるようになります。

新価格帯設定概要

開始日:2022年10月1日(土)
店舗数:くら寿司全519店舗中488店舗 ※2022年10月1日時点
※グローバル旗艦店、都市型店舗、プラス型店舗など一皿110円以外で提供している店舗での価格は、異なります。

新価格「115円メニュー」例

極み熟成まぐろ / はまち / サーモン / とろサーモン / えび / 大葉真いか / かれい昆布締め えんがわ添え / 肉厚とろ〆さば / 旨だれ牛カルビ / たまご焼き / ねぎまぐろ / えびマヨ / 甘えび / 生えび / やりいか / あなご / つぶ貝 / 赤貝 / 真いわし / ハンバーグ / コーン / 納豆 / まぐろユッケ / ツナサラダ / いなり / いかおくら / 納豆巻 / きゅうり巻 / 赤えび(一貫) ほか

新価格「165円メニュー」例

【作りたて】えびアボカド / 【炙りたて】Wチーズサーモン / 【炙りたて】Wチーズえび / 【炙りたて】Wチーズ豚カルビ / 【炙りたて】Wチーズえびマヨ / 【巻きたて】海鮮うに手巻き(一貫) /【巻きたて/揚げたて】えび天手巻き(一貫) / 【巻きたて】たっぷりいくら軍艦 / 【揚げたて】いか天にぎり/ 【作りたて】大切り 極み熟成まぐろ / 【作りたて】大切り 極み熟成漬けまぐろ / 【作りたて】大切り はまち ほか

価格改定を実現したシステムの改修

 165円の新価格設定を実現するために、会計時(お皿投入時)に異なる価格帯の商品を提供しても、自動で正しく計算できるシステムの構築により、お皿の種類を変えることなく、フレキシブルな価格設定が可能になります。

 これにより、くら寿司の看板にも表記があり、回転寿司の象徴でもある「全皿●●円」といった皿単位の価格設定の撤廃が実現。これまで110円か220円の2種類の価格に合わせていた商品開発のバリエーションの幅も拡がり、もっと自由な選択ができるようになったとのことです。

「外食業界標準よりも低い値上げ」&「値下げ」が実施できる4つの強み

1.購買における強み

 くら寿司は2010年より、産地直送の新鮮な魚を寿司ネタにする、「天然魚プロジェクト」を始動。今では、全国115の漁港から、国産天然魚を安定的に仕入れることが可能になっています。また、仕入れた魚を独自のルートで配送することで、より安く、よりおいしい寿司ネタとして提供できるとのことです。

2.自社加工センターをもつ強み

 くら寿司では2016年10月、大阪府貝塚市に約4,500坪の大手回転寿司チェーンでは初となる天然魚用自社加工施設、「貝塚センター」を竣工。全国の漁港から集まる年間約2,000トンの国産天然魚を加工し、産地直送の国産天然魚を、より安定的に新鮮でおいしく提供することが可能になっています。

3.最先端のシステム化の強み

 くら寿司では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的に大手外食チェーンで初めて、入店から退店まで店員と対面せずにサービスの提供が可能となる、非接触型サービスを標準装備した「スマートくら寿司」を2020年11月より開始。

 約1年間を経て2021年12月には全店舗に導入されました。徹底した感染症対策で安心して店内飲食を楽しめるだけではなく、案内や会計の自動化により、待つことなく、快適でかつ、効率的な店舗運営が可能になっているとのことです。

4.海外での強み

 2009年9月に海外進出1号店として、アメリカ・カリフォルニア州アーバイン市に出店。現在は全米で40店舗まで拡大しています。また、台湾には2014年に初出店し、48店舗を展開、業績は好調とのこと。それにより、海外と合わせた全体の状況を見ながら、経営判断できることも強みにつながっているとしています。

※メニューは季節や店舗によって異なる場合があります。また、売り切れにより提供できない場合もあります。※10月1日段階でメニュー名は変更になる場合があります。
※表示されている価格は全て税込となります。

[古川 敦]