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おでんは主食? おかず? 47都道府県のご当地おでん種は? 紀文が「鍋白書2022」を発表

[2022/10/7 15:41]

 株式会社紀文食品では、1994年から発信している鍋料理やおでんのアンケート結果・トピックスをまとめた「紀文・鍋白書」の2022年版を発表しました。

 今年の鍋白書は「日本全国47都道府県。しらべてみました。」と銘打ち、「鍋料理アンケート」「おでん専門店への往訪・取材」「料理研究家へのインタビュー」などを行って集めたご当地のおでんやおでん種に関する情報がまとめられています。

 限られた地域で親しまる「ご当地おでん種」の一方で、もともとは西日本で特徴的なおでん種だった「牛すじ」、関東で特徴的だった「はんぺん」のように、テレビやコンビニの影響、外食体験などで次第に広まったものもあります。

練りもの:蒸し・ゆで

 すり身を使った練りものは、焼いて作る「ちくわ」と、揚げて作る「さつま揚」の喫食率が全国的に高いほか、ゆでて作る「はんぺん」「つみれ」、蒸して作る「かまぼこ(板付き蒸しかまぼこ)」などが代表的なおでん種です。

 関東・南東北ではイワシを原料にした「つみれ」がよく用いられます。一方、煮崩れしにくい「かまぼこ」は、調理時間が比較的長めの西日本、中でも中四国・九州でがよく用いられ、おでん種としては白色より紅色の利用が多いようです。

練りもの:巻物

 「巻物」と呼ばれるジャンルのうち、「いか巻」は関東・中部が10位以内を独占しました。11位に福島、15位に山形、16位に宮城、18位に秋田、19位に岩手と、東北の喫食率も高めです。

 対して「ごぼう巻」は全国での平均が63.0%とまんべんなく喫食率が高め。9位の石川以外は、10位以内は関西を中心に中国・九州と西日本に点在しているほかに、東日本の5県が20位以内で、東西分布は「いか巻」より若干おだやかです。

大豆加工品

 豆腐を加工したおでん種のうち、豆腐を崩して野菜や海藻を加えて揚げた「がんもどき」は、寺院が多く精進料理などになじみ深い京都と滋賀、また大分以外は東日本が20位以内を占めています。

 豆腐を厚く切った揚げた「厚揚げ」は、平均が57.3%以上と全国的に食べられていますが、19位までは全て西日本が占めています。中でも5位の京都は、「がんもどき」とともに大豆加工品に愛着があることがわかります。

白物

 全国でよく食べられている白物の代表が「大根」と「玉子」で、地域の偏りもあまり見られません。

 関東発祥と言われる「ちくわぶ」は、小麦粉と水、塩をこねて作るギザギザした形が特徴の小麦加工品で、18位まで東日本が独占していて、関東・南東北で特に圧倒的です。

 これに対し大豆加工品の「豆腐・焼き豆腐」は中四国と九州と北陸で上位10県を占めており、西日本で多く食べられています。「がんもどき」が8位、「厚揚げ」が5位の京都は「豆腐・焼き豆腐」でも14位です。

魚介類

 「昆布」は、12位沖縄・16位高知・19位徳島以外の20位以内は東日本が占めました。関西ではだしをとった「昆布」をあまり食べないことも要因の1つと思われます。

 「たこ」は、西日本では関西と日本海側、東日本では北陸と東京・神奈川が10位以内にランクイン。「蛸長(京都)」さん、「たこ梅(大阪)」さん、「多古久(東京)〈22年9月現在休業中〉」さんと、名前に「たこ」の付いたおでん屋さんの老舗も多いです。

おでんの調理時間、全国平均は60.3分西日本は全国平均より長め

 おでんの調理時間(下ごしらえの時間を除いたおでんを煮る時間)は、全国平均が60.3分となりました。

 県別にみると、西日本は滋賀県・徳島県・長崎県以外の全ての府県で全国平均より長く、東西別でみても東日本が48.4分、西日本が72.1分と、西日本の方がおでんの調理時間が長い傾向が伺えます。

おでんに入れる「おでん種」は全国平均8.24種類

 おでんに入れる「おでん種」は、全国平均が8.24種類。県別で最多は広島県(9.34種類)、最少は岐阜県(7.16種類)でした。東日本平均は8.14種類、西日本平均は8.34種類と、東西での差はあまりないようです。

主食? 全国平均は“おかず”が約6割

 おでんを「主食として食べる」か「おかずとして食べる」か聞いたところ、全国平均では、前者が59.8%で優勢でした。年代別では20代が50.0%と半分ずつで、年齢が上がるほどおかず派が多くなる傾向が伺えます。

 アンケートは、全国47都道府県在住の20~60代の既婚女性5,875人を対象にインターネットで実施されています。

[岩崎 宰守]