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すかいらーくが資さんを240億円で買収 「資さんの経営理念を守り続けます」~「自社カニバリ解消のため、業態転換候補として高い集客力のあるブランドが必要」

[2024/9/6 17:51]

 株式会社すかいらーくホールディングスが6日、株式会社資さんの全株式を取得し、子会社化することについて2024年9月6日開催の取締役会で決議したと発表しました。譲渡が実行される10月上旬から、資さんはすかいらーくグループに入ることにります。所得価格は資さんの普通株式240億円、アドバイザリー費用など(概算額)4,100万円で、合計(概算額)240億4,100万円。

 1980年12月10日創業の資さんは、北九州のソウルフードとしてのブランドを確立しており、九州地域のロードサイドにうどん・和食チェーンを展開。うどんや和食の幅広いメニュー、手頃な価格帯、料理提供の早さを備え、幅広い利用動機で支持され、昨年からは関西への出店を進め、今年の冬には関東への出店も計画しており、今後も出店拡大のためのリソースを必要としているとのこと。

 一方、すかいらーくホールディングスでは地方ロードサイドの自社カニバリ解消のため、業態転換候補としての新ブランド開発を実施しており、幅広く支持される高い集客力のあるブランドを必要としているため、資さんの子会社化で、全国への出店拡大を企図している資さんに、同社の既存店・立地開発力やサプライチェーン、人財や資金などを活用してもらうことで、大きなシナジーを発揮でき、双方がWin-Winとなる関係を築けると判断したとしています。

 すかいらーくホールディングスでは「やみつきになる味・リピートしたくなるサービスなどの資さんの良さをしっかりと守り、北九州などの地域で愛される会社・ブランドを維持しながら、お客様・従業員を大切にし、資さんうどんを多くの地域でお食事いただけるよう当社グループが一丸となってサポートします。また、それによって発祥地の北九州の皆様にも喜んでいただけるよう邁進してまいります」としています。

 なお、現在の株式会社資さんの持株比率は、ユニゾン・キャピタル4号投資事業有限責任組合が68.7%、Unison Capital Partners Ⅳ(F),L.P.が14.4%、ナイン・ステーツ・4投資事業有限責任組合が14.2%、持株比率10%未満の少数株主2名(個人株主2名)。

資さんが想定するシナジー

 創業者の大西 章資が、北九州市の戸畑区でうどん店をオープンさせたのが1976年のこと。お客様に「おいしいうどんを食べて頂きたい」という一心で、味と素材にこだわり、美味しさを追求して誕生した「資さんうどん」は、今や北九州のソウルフードと呼ばれる、地域の皆さまに愛される存在となりました。その後、着実に展開地域を広げ、2023年12月には九州全県への出店を達成。また、中国・関西地域のお客様にもお楽しみ頂いております。そして、今冬には、関東への出店を予定し、さらなる広い地域のお客様に味わって頂けるよう、進化と成長を続けております。

 弊社と株式会社すかいらーくホールディングスは、グループ経営理念「価値ある豊かさの創造」の実現に向け、資さんの経営理念「幸せを一杯に。」を共に目指し、引き続き、人(お客様・従業員)を大切にして、やみつきになる味・リピートしたくなる温かいサービス等、資さんの良さを守りながら、地域で愛される店舗・会社であり続けていくために力を合わせていく所存です。同時に、「北九州の資さん」から「九州の資さん」へ、そして今後は「日本の資さん」「世界の資さん」を目標に、あらゆる地域のより多くのお客様に心を込めた最高の一杯を通じて幸せをお届けできるよう、グループ一丸となって邁進してまいります。

 昨今の消費行動の変容や物価高騰の継続等による厳しい事業環境の中で、地域の皆様に愛される店舗・会社であり続け、同時に、展開する地域を拡げより多くのお客様が「資さんうどん」を楽しめるようになるために必要な高い成長を実現していくためには、多様な資源を最大限活用し、よりスピーディな事業展開をしていくことが益々重要になってきております。

 また、弊社では、既存の地域のお客様への提供価値をさらに高め、あらゆる地域のより多くのお客様に幸せをお届けできるよう、今後の成長戦略として、新規地域への進出および出店の加速、人を中心にした経営ならびに人財の育成強化、サプライチェーンの最適化、イノベーションの加速、さらには、新たに海外市場へ挑戦していくことを掲げております。

 この度のグループ入りを通じ、すかいらーくグループが保有する全国約3,000店舗の店舗網、立地開発力、サプライチェーン、人財や資金等の豊富な経営資源を有効に活用することで、弊社の成長戦略の早期実行ならびに実現確度の向上が図れると考えております。

[古川 敦]