フード

ドイツ発の会員制業務用卸売スーパー「メトロ(METRO)」が日本から撤退 日本参入から20年で「日本の卸売り市場は非常に細分化され、競争も激しく、望ましい結果には繋がらなかった」

[2021/8/10 19:07]

 ドイツで創業した卸売専門の会員制業務用スーパー「メトロ(METRO)」を、日本で2021年8月時点で10店舗を展開している、メトロ キャッシュ アンド キャリー ジャパン株式会社(メトロ ジャパン/2000年11月27日設立)が5日、事業撤退を決定したと発表しました。2021年10月31日までに全事業を終了する予定としています。

 同社では、「非常に残念ではございますが、メトロジャパンの事業撤退は、長期にわたる慎重な検討および事業改善のための多くの試みの末になされた決断です」と説明。「この数年間で、事業の拡大および改善のために都心型小型店舗やデリバリー事業の加速化、プライベート・ブランドや直輸入食品の差別化商品の拡充、買収の可能性を探るなど様々な試みを行なってきたものの、日本の卸売り市場は非常に細分化されており、競争も激しいため、望ましい結果には繋がらなかった」と日本の卸売り市場の壁を崩せなかったため、メトロジャパンの事業を終了することを決断したとしています。

 メトロジャパンでは現在、東京近郊に10店舗を展開しており、2021年3月時点で約1,200名の従業員を雇用。同社では「責任ある雇用主であり、従業員の当社へのコミットメントに対する責任を非常に重く受け止め、撤退のプロセスで実施する、従業員との雇用関係の解消は、公正な方法で行ない、従業員には一定の条件に基づいて算定された特別退職金を支給し、希望者に対しては再就職支援サービスを提供する」としています。

 全ての関係者に及ぶ影響を十分に考慮した形で、全店舗を2021年10月31日まで営業を続ける予定で、「今後数ヶ月の事業終了までの間、お客様、お取引先様、地域コミュニティを含むすべてのステークホルダーの皆様と明瞭かつ継続的なコミュニケーションを図ってまいります。また、事業終了までの期間、誠意を持って引き続きお客様のビジネスを支援させていただきます。20年間にわたり、お客様、お取引先各社、従業員をはじめとする全ての関係者の皆様から、信頼とご理解、ご支援・ご協力を賜りましたこと、心よりお礼申し上げます」と感謝を述べています。

「METRO」の店内紹介(業務用食材の仕入れ・卸 食のプロ専用業務用スーパー)

 メトロは、卸売業界における世界的なリーディングカンパニーの一つで、34カ国で事業を展開し、全世界で97,000人以上の従業員を擁しています。2020年度(2019年10月~2020年9月)には約256億ユーロの売上を達成。メトロ/マクロ キャッシュ アンド キャリーは、世界24カ国に670店を超える卸売り市場を展開しています。

店舗情報

・千葉店 千葉県千葉市美浜区新港 42-1
・川口安行店 埼玉県川口市安行領家 791-5
・多摩境店 東京都町田市小山ヶ丘 6-4-8
・宇都宮店 栃木県宇都宮市川田町 806-1
・流山店 千葉県流山市西平井 952-2
・横浜いずみ店 神奈川県横浜市泉区和泉町 7405-11
・高崎店 群馬県高崎市菅谷町 20-984
・辰巳店 東京都江東区辰巳 2-4-10
・市川店 千葉県市川市田尻 3-2-25
・蒲田店 東京都大田区蒲田 4-42-8

[古川 敦]