フード

おとり広告告示でスシローに消費者庁が措置命令 「新物!濃厚うに包み」「冬の味覚!豪華かにづくし」などが売れすぎて販売休止したにもかかわらず提供しているような表示を継続

[2022/6/9 21:34]

 あきんどスシローが9日、消費者庁から2021年9月~12月にかけて実施したキャンペーンの広告表示に関して、「新物!濃厚うに包み」「とやま鮨し人考案 新物うに 鮨し人流3種盛り」「冬の味覚!豪華かにづくし」について、不当景品類及び不当表示防止法第5条の規定により禁止されている同条第3号の規定に基づく「おとり広告に関する表示」(「おとり広告告示」)第1号または第4号に該当する不当な表示を行なっていたとして、景品表示法第7条第1項に基づく措置命令を受けたと発表しました。

 同社では「お客さまには大変ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。また、この度の措置命令を真摯に受け止め、再発防止に努めてまいります」としています。

 スシローでは、2021年9月8日~20日まで実施されたキャンペーン「世界のうまいもん祭」で提供する19商品の内のひとつ「新物!濃厚うに包み」について、テレビコマーシャル、スシローのホームページ、店頭などで「新物!濃厚うに包み100円(税込110円)」「9月8日(水)~9月20日(月・祝)まで!売切御免!」などと表示。また、2021年9月8日~10月3日まで「匠の一皿 独創/とやま鮨し人考案 新物うに 鮨し人流3種盛り」というキャンペーンで、「とやま鮨し人考案 新物うに 鮨し人流3種盛り」についても、スシローのホームページ、店頭などで9月8日~17日までの間、「とやま鮨し人考案 新物うに 鮨し人流3種盛り480円(税込528円)」「9月8日(水)~10月3日(日)まで 売切御免!」などと表示していました。

 しかし、「新物!濃厚うに包み」の材料であるうにが、早期に完売する可能性があると判断したため、実際には9月14日~17日までの4日間は販売を停止し、各店舗で販売をしていなかったとのこと。また、「とやま鮨し人考案 新物うに 鮨し人流3種盛り」も、うにが早期に完売する可能性があると判断したため、実際には9月18日~20日までの3日間は販売を停止し、各店舗で販売を行なっていなかったとのこと。

「新物!濃厚うに包み」

 2021年11月26日~12月12日まで実施したキャンペーン「冬の大感謝祭 冬のうまいもん」で提供された9商品の内のひとつである「冬の味覚!豪華かにづくし」について、11月24日~12月10日までの間、スシローのホームページ、店頭などで「旬冬の味覚!豪華かにづくし780円(税込858円) 一日数量限定」「新登場の『三重尾鷲ぶりとろのレアしゃぶ』や、スシローとっておきのかにを集めた『冬の味覚!かにづくし』など、冬の味覚を満喫!今だけの旨さを是非ご賞味ください!」「対象期間 2021年11月26日(金)~12月12日(日)期間限定!売切御免!」などと表示するなど、11月26日~12月12日までの間、提供するかのように表示されていました。

 ところが、実際には「冬の味覚!豪華かにづくし」が予想数量を超えた売れ行きとなってしまい、早期に完売となってしまった店舗が発生し、一部店舗で提供する準備ができていないにもかかわらず、表示を中止するなどの措置を講じていませんでした。

 今回の消費者庁に指摘されたキャンペーンの実施にあたり、スシローがこれまでに実施してきたキャンペーンでの販売実績などから算出した、販売予想数量以上の在庫を用意していたものの、予想をはるかに上回る人気で、早期に在庫が不足することが予見される事態となってしまったとのこと。

 各店舗の店頭に掲示されたポスターなどでは、「一日数量限定」「売切御免」「商品の入荷状況、売れ行き状況により早期完売となる場合がございます」などの告知し、全店舗の店頭においても「商品の入荷待ち」であることの告知はしたものの、ホームページや店頭での表示について停止するなどの措置をとらないまま、一部期間に提供を中止し、告知として不十分なものになってしまったとしています。

 また、「冬の味覚!豪華かにづくし」についても、販売予想数量として十分な在庫を用意していたものの、こちらについても予想をはるかに上回る人気の結果、早期に完売する店舗が発生。通常、このような事態が発生した場合、ホームページや店頭での表示を停止しなければならないところ、表示を停止するという運用が徹底されておらず、結果として告知が不十分なものになったとしています。

措置命令の内容

(1)上記の事実について、消費者庁長官の承認を受けた方法にて一般消費者に周知徹底すること
(2)今後、当該商品または同種の商品の取引に関し、同様の表示が行われることを防止するために必要な措置を講じ、役員・従業員に周知徹底すること
(3)今後、当該商品または同種の商品の取引に関し、同様の表示をしないこと
(4)(1)、(2)に基づいて行った措置を消費者庁長官に報告すること

 同社では「今回の措置命令を真摯に受け止め、消費者庁と調整のもと、広告表現の見直しや景品表示法に関する研修などを実施し、再発防止に努めてまいります」としています。

[古川 敦]